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最強じいちゃん


「人の命を愚弄したお前が女?笑わせんなって。それにお前はもう終いだよ」

「はぁ?何言って_」


突如、轟音が響く。

巨大なナニカが勢いよく落下したかのようなとても大きな音の方向を振り向くとそこには二人の老夫婦が臨戦態勢に入っていた。


「帰りが遅いと思って来てみたら…知り合いかぇ?」

「いんや。むしろ敵らしいよ」

「なら容赦する必要はなさそうぢゃな…ぬぅん!」


爺さんのほうが上半身に力を込めると纏っている衣が弾け飛んだ。


待って待って待って

一体何なんなのこのジジイとババアは…!

なんでSランク冒険者並みの力持ってんの?


「あー…完全にミスったわこりゃ」


戦わずともわかる、これ絶対勝てない

ゾンビに変なことしてるからって笑いこらえれなかったのが発端だ

あの男の子も少し舐めてたわ

だってあたしの【空間操作(セパス)】初見で対応されたんだもん


本能の恐怖から少しずつ後下がりするが老父との距離は変わらない。


「右にずれろ」


その声が聞こえると理解より先に体が動いていた。

右に転がり込むと雷の魔力が籠った一本の槍が老父の胸に刺さる。


「おじいさま!」


背中まで貫通していた槍を見たスノウは思わず声が出た。


「んあ?」


それでもなお当の老父は物ともせずに近づいてくる。

しかし背後から風を感じると同時に頼れる先輩が老父に槍を持って仕掛けた。


「今の内に引け!お前じゃ無理だ!」

「は、はい!ありがとうございますぅ!」


だが槍の穂先は無情にも老父の人差し指と中指に挟まれて動けない。


「化け物め!」

「かぁっつッ!」


槍から手を放して両手から雷魔法を放とうとするも老父の鉄拳(処刑)が纏まりかけていた魔力を散らしつつ身体を襲い測定できない速度でぶっ飛ばされた。


「おー、飛んだ飛んだ」

「捕らえて色々聞かなあかんのにぶっ飛ばしてどうすんじゃい!」

「すまんのぉ、婆さん」

「おじ、おじ、おじいさま!?槍がぁ!?」

「心配すんなスノウ。明日には戻ってるよ」

「…きゅう」


理解が出来なかったスノウは口から魂でも抜けたのかと言わんばかりにまた崩れた。


「どれ、どこまで飛んだか見てくるとするかい」


進めど人は見つからない。

何個か壁をぶち抜いた痕跡はあれど魔力どころか人の気配は感じられなくなっている。

次第に外に出て革新した。


「なるほど…こいつぁ…逃げられちゃったゾイ☆」




「逃げられちゃったゾイ☆じゃねえよ!!ジジイ!ハゲ!筋肉仙人!ハゲ筋肉仙人クソジジイ!!!はよ槍捨てろや危ねえんだよ!!」


廃工場から家に帰宅して情報の整理を行おうとしたがふざけたことを吐かす我が祖父にありったけの侮蔑の言葉をぶつける。


「黙らんかぁッ!」

「ま、まぁ、おじいさまも落ち着いて?リントもおじいさま達が来てくれなかったらどうなってたか分かんなかったじゃない?結局もう一人いたわけだし?」

「スノウちゃん、男どもを甘やかしちゃいかんぞ。それより慣れない環境で戦って疲れたろう?今日はもう寝なさい」

「戦ってはいないけど…確かに地球の環境で少し動いただけで結構疲れたかも」

「凜斗も寝るんぢゃ!」

「言われずとも寝かせてもらうわ!明日も学校だし!お!や!す!み!」

「おやすみなさいませ。おばあさま、おじいさま」

「同衾はするんぢゃないぞ」

「うるせぇ!」

「しません!」


力強く階段を上り和室リビングから離れる。

部屋に入ろうとするとスノウが何かを決したかの様な声色で話しかけた。


「ね、ねえリント」

「ん?」

「ちょっとお話しない?」

「スノウからお誘いなんて嬉しいな。いいよ、朝まで話そう?」

「それは無理。さ、入って」


いや入ってって言われてもそこ俺の部屋なんだけど

ベッドじゃないと寝れないって言ったのそっちやん


取り敢えず凜斗は床に、スノウはベッドに座った。


「それで。お話っていうのは?」

「うん。ハーモラルに戻ってからのことなんだけど…」


数分後


「なるほど。やっぱどうあがいてもスノウとギルド作ったり旅は出来ないか」

「立場が立場だからこればっかりはどうしようもないの」

「そーだよねぇ、まあいいや。基本一人で旅する気だったし。スノウが一緒に旅してくれるんだったらキャラバンみたいに大人数で旅して色々探ろうと思ったけど現実的じゃないなぁ」

「ふふ、それ少し楽しそうかも」

「だろ?仲間は多い方がいいし地球に魔獣が現れる理由だって知りたい。雷獄の雨を追ってる人だってきっと俺達以外にもいるはずだ。あ、でも今日で一歩前進!アベサダオっていう国が関わってるってわかったし!」

「アヴェダレオね。そんな人の名前みたいな国じゃないわ」

「そうだっけ?でもさ、こうやって分かんなくなったらたまに助けてよ。俺一人じゃ難しいこととか金銭管理とかなーんも出来ないんだよねー」

「確かに、色々雑そうだもん」

「かもね。あーあ、特別にスノウを貸します!なんて手伝ってくれたりしないかなぁ」

「ないない。だってセンタレア直属なんだもの。そう簡単に許可なんて降りないわよー」


3日後


「リント・ヒナタ殿。異界管理局よりあなたに協力するよう正式な依頼を受けており、我らセンタレア国直属魔法士団はこれを了承。この世界に詳しく、かねてより親交のあったスノウ・メロウルをあなたの協力者としてお貸しいたします」


詳しいことは割愛するが、金曜日の夜になったので先週と同じようにバスを使ってハーモラルに移動。

そして異界管理局に再度赴くとそこにはスノウの上司っぽい幼女みたいな人がいた。


その人が放った言葉がコレ。


リントとスノウは首を横に向け目線を合わせた。


「「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」



凜斗を【リント】だったり漢字だったりする場面は状況によって使い分けています。


地の文で【凜斗】を使う場合は地球に、【リント】を使う場合はハーモラルにいるときです。


スノウを始めとしたハーモラルの人目線での文は場所問わずリント固定です

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