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戦姫様は一歳児から天才児  作者: 文紙 新
一章:合縁奇縁
9/67

Part8 市場へ行く

※初心者注意

前回(Part7)と7.5のあらすじ

 重い女と長い話

 一ヶ月の間いろんな人の側に付いて回ってみた。明るい性格の人、髪色が特殊な人、剣士なのに魔法が好きな人など様々な人がいた。不思議な気分だった。人を知れば知るほど、もっとその人のことを知りたくなって…

「城下町の市場に行きたい」

「無理だと思いますよ?」

「お忍びだよ…アイナ」

「バレますよ?抜け出すのだって難しいですよ?門にはイゼルカさんがいるでしょうし…」

「門から出て行く必要はない。城壁は登ればいいだけだからさ」

「んやぁ〜…まぁ、やってみます?」

「勿論。ファナとイハルを連れて万全を期して行く」

「そうですね…私も久しぶりに行きたいので行きましょうか」

 私は城脱走作戦を立てるため、ファナとイハルを呼んだが…

「賛成できないです」

「ファナは行ったことあるから行きたいと思わないかもだけど、私は行きたいんだよ?」

「関係ないです!姫様が失踪したら心配する人がいるって、この一ヶ月学ばなかったんですか!?」

「それはそうかもしれない…それでも私は行きたいんだよ」

「少なくとも王妃様にでも相談を…」

「ファナ。俺ら三人がいれば姫様を逃すぐらいの時間は容易に稼げる。だから、相談なんていらないさ」

「話が早くて助かるよ。それに…市場に行って少し見て回ったら帰るからさ」

「まぁ…それなら…」

 ファナを説得し、実行に移す…

「アイナ。縄を…」

「はい。失礼します」

 城壁前に寄った私達は、城壁を越すため、アイナに血で城壁沿いに縄梯子が作らせた

「そちらに血は飛んでませんか?」

「こっちには飛んでないよ。傷を治すから手、貸して?」

「お願いします」

 血を飛ばすために切った傷を治しながらファナとイハルに声を掛ける

「イハルとファナ、先に行って。大丈夫そうなら上から合図して」

「了解」

 二人は百フィートはある城壁を縄を使い物凄いスピードで登ってく…やっぱ…単純な筋力とかだけなら二人の方があるんだよな…そう考えながら傷を治し終わり、合図を待つ。そのときはすぐにきて、私達も上へ上がる

「意外に高いね」

「怖気付きましたか?」

「いや、全く?」

 確かに高いが、下は水路であるため、魔法を使って容易に着地できるうえに、そもそも私の魔力量ならこの高さから落ちても怪我しない…だが…水飛沫が立ちすぎるため、今回は風魔法で城壁をゆっくり伝って降りてから一気に対岸へ渡り、街に入る。今回はこの時間帯に人が少ないところを選んだが、人が多いところだったらバレてたかもな…

「城下町かぁ…一月ぶりかぁ?」

「私は八ヶ月ぶりですね」

「あれ?ファナってあれから城の外に出てないの?」

「そうですね。出る用もないので」

「そう…」

 未練とか全くないのか……私達は一番近い、城御前地区の市場に行くため、街を周りを巡り歩く。庶民的な服装を着て、耳を隠す為の深めに被れる帽子を着用している

「コートとか着てる人いないね…」

「まぁ…コートは高いものしかなかったですし…それに…ここ国の人は寒さに対する耐性が強いので、雪が降ってない今日みたいな日はコートを着ないですからね…」

「普通に寒いでしょうに…」

 そう思いながら市場の方に歩いて行くと徐々に人が増えてきた気がする…そうして市場に着くと、既に迷子になりそうなほど人が多い…

「離れないように手を繋いどこうね〜」

 そう言ったアイナと呼応し、手を繋いだ私は客観的に見れば親子のようだろう。イハルとファナは兄と姉と言ったところか…こいつらはまぁまず迷子にならないだろうな。…いや、人攫いとかあるんだっけ?騎士団本部が近いのにご苦労なこった…

「どこへ行こうかしらね〜」

 わざとらしくそう言うアイナ。私は少し周りを見渡し、行きたいところをアイナに合わせるようにまさしく幼児と言えるような回答をする

「お野菜買いに行くんじゃないの?」

 市場価格というやつは把握しておくべきだろう。一般的な金銭感覚を養っておきたいから楽しさは一旦度外視だ

「そうね。二人も行きましょ?」

 フレアとイハルも頷き、市場の最も近い野菜を売っている出店に向かう

「らっしゃい!お嬢ちゃん達姉弟かい?」

「あら〜お上手ですね親子ですよ」

 今更だが、私の母親はわかるかもだが、ファナ達の母は無理がある気もするが…

「そうだったんかぁ〜!すまんな!いやぁ〜!すげぇわかく見えちまってな!それで何が欲しいんだい?サービスするぜ?」

「さて…どうしましょうか…少し遠くの方から来たもので…勝手違いますでしょう?何かオススメとかありませんか?」

「そうさなぁ…今日は…」

 アイナと出店の店主が話してる間に値段を見る…全て銅貨2、3枚ってとこか…

「では、お勧めされたレタスを一玉と…オレンジを四個でお願いします」

 そうしてアイナが買ったのはレタス一玉と…オレンジ四玉。オレンジは二個で一セットの銅貨三枚だから…カブ四個で合わせて銅貨九枚…サービスで七枚にまけてもらった……次に行ったのは肉屋だ。この国は森と隣接しているだけでなく、城下町の端の方には農場が多い…それだけでなく気候的にも保存がしやすいため、結構野晒しだ(衛生面どうこう言っちゃダメですからね!?作者とのお約束ですよ!)牛肉一ブロックは銅貨六枚…レタスと比べると遥かに高いな。二倍同じくらいの大きさで倍の価格か…ん?あっちの出店は道具屋かな?んーちょっと…見てみたいな…

「おねーちゃん達とあっち見てきていい?」

「え?えぇ…あんまり遠くへ行かないでね?」

「ファナねぇ〜イハルにぃ〜行こ?」

「お…おう」

「うんうん。どこに行きたい?」

 イハルは無愛想だな…つまらんやつだ。それに引き換えファナは子どもの扱いが上手いな。まだ一歳の私が保証する

 例の出店に行く…そこには魔道具とか武具だけでなく、シャベル等の金属製の道具が売っていた

「これは…?」

「いらっしゃい…ってガキンチョか…」

 あ?なんだこいつ?殺すか?という殺意を隣に感じた気がするなぁ…

「ガキに売るもんはねぇよ」

「その態度はないだろう店主」

「小僧はまぁ…いいだろう…」

「どうしてだ?」

「まぁ…それは…」

「イハルにぃ〜?女は剣とかを持つなってことだろうさ」

「そういうことじゃねぇんだけどな…」

 んじゃあ…どういうことだよ?

「…これはちと普通より重めなんだ…さらに値もかなり張る…小僧ぐらい鍛えてるやつになら…と思っただけだ…」

「そんなに重くないですがね?」

 しれっと振り回すファナ。それを見て…溜め息が出かけた…

「うぉぉ!?とんでもねぇ腕力じゃねぇか!?」

「危ないよ〜?」

「何処かにぶつける失態はしないよ」

「…まさか…お前さんも…いや、ないよな…?」

 私を見てそう言う店主…見せれん…ここまで騒がれては目立つ…見せれん…と思ったが、こちらを見る人はいなそうなので一瞬軽く上に持ち上げて降ろす

「わ、悪かった…俺が間違ってた…」

「いいよ。見に来ただけだし、こっちも褒められたものじゃないでしょ?」

「流暢に話せるのかよ…」

「シー…」

「わ、悪い…まぁ…なんだ…謝罪の代わりといったらあれだが…黙っとくぜ…ついでに…こいつ持っていってくれ」

 そう言って渡してきたのは前にファナに渡した短剣とそう変わらないサイズの剣だった。来年のためにつーかお♪

「ありがとうね」

「お、おう…」


 …そうして…帰ってきた私たち…意外にも私は怒られることはなかった…バレていなかったのか?と思ったが…イハルとファナが城壁を登ったときにイゼルカさんに伝え、"監視の目"という魔法をイゼルカさんに頼んでいたからとのこと………お忍びだから良かったのに…

「拗ねないでくださいよ姫様…」

「拗ねてない…」

「じゃあこっち向いてくださいよ」

「やだ…」

「また、抱きつきますよ?」

「身動き取れないぐらいの強さはやめてね…」

「…っ!?」

 一瞬の静寂の後、ファナに抱きしめられる…そうして…私は…

「今日はごめん…意地を張っちゃって…」

「私こそごめんなさい…騙すようになってしまいました…」

「ねぇ…」

「はい?」

 ファナの方に向き直り、目を合わせる…

「久しぶりに…一緒にお風呂に入ろ?」

「かっ…!?くぅぅ…あぁぁ…」

 そんな情けない声を出したファナ…なんやかんやあった数ヶ月…そのせいで一緒に入ったのは数ヶ月ぶりとなった…なんか…前と違ってファナが私と目を合わせてくれなかった気がする…


ーー満ち足りつくし、温まりきった心には吹雪でさえも太刀打ちできないのだろう。国の豊かさを証明するのは寒さに屈さぬ民の多さであるかもしれないな。

 平和が続く限りは凍えることなどない。平和であるならばだがな。記録を閉じる。

皆様、お元気ですか?私は元気です。そろそろ学生は夏休みが開けるらしいです。執筆には関係ないのでしったこっちゃですがね!

 そういえば…少しずつファナが心開いていくように書くことを意識していたんです。しかし…急に一気に心を開いたような感じになってしまった気もしていて、少し後悔もしている今日この頃。

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