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戦姫様は一歳児から天才児  作者: 文紙 新
一章:合縁奇縁
7/66

Part7 赤ちゃんのまま

※初心者注意

前回のあらすじ

 四人仲良し?

 今年も雪が降り出した。昨日と打って変わって肌寒いレベルではなく、極寒である。豪雪地帯に位置する我が国では、冬になると急激に寒くなる。しかし、防寒具を着けるだけで生活はそこまで何も変わらない。ファナだけは本当に何も変わってない…薄着も薄着で過ごしている。裏路地生活してた時は雪に埋もれながら寝てたらしい…本当に人か?ちなみに私は…

「姫様ぁ〜そろそろ起きてくださいね〜?」

「寒いから無理〜」

 寒いからベッドから出ていない

「今日は大事な日なんですよ!起きてください!」

「今日なんかあったっけ?」

「とにかく、着替えますよ」

 アイナに急かされ着替えさせられる…ファナとイハルは何処に…昨日は四人で寝たじゃん…

「なんか服おかしくない?」

「特別な日ですので」

「そっか…もしかしてファナもイハルも行ってる?」

「えぇ、そうです。ですので早く行きますよ」

「んー…外から…最短ルートで行こうその方がいい」

「ダメです。しっかり真正面から行きますよ」

「えー…急ぎなんじゃないの?」

 最短距離で行った方がいいじゃんかぁ…アイナに抱えられて廊下を駆ける

 そうしてその部屋の前に着く。ここは…

「母様の部屋?」

「はい。降ろしますので入りますよ」

 アイナは私を降ろし、身を整える。…母様っていつも何処かに出払ってて部屋にいるなんて珍しいな…そう考えていると、アイナがノック音を奏で、扉を開ける

「姫様を連れて来ました。王妃様」

「ありがとうございます」

「遅いぞアイナ。引きずってでも早く連れて来いと言っただろう」

「やめて?ハイネ」

 父様は母様に怒られる…というか、騎士とか兵とかいる…ファナもイハルも端の方にいる。というか騎士団長なはずのマイルさんまでいる…暇なのか?

「おはようございます。母様…」

「おはようございます。言いたいことはありますが…今はやめときますか…本来なら貴女は私抱いていないといけない大切な我が子なのですから…」

 馬鹿にされた?少しムスッとする

「そんな顔はしないでください。フレ…貴女が寒さに弱いのも知っていました。それを考え、私から出向くべきでした…」

「そんなことは…」

「喋るな」

「はい…ごめん…」

 めっちゃキレてる!?父様にこんなに威圧するなんて…

「フレア。私は身籠りました。ですので他の方はピリピリしているのです。ですが…私は本来なら貴女のことはまだ抱きしめていないといけないはずなんです。ですが…私は身籠り…貴女に構える時間は減ることになります…」

「…?えぇ…と気にしないでください。私は母様がいなくても元気にやっていけますから…」

「…そうですか…辛い話は辞めましょう。祝い事であるのにこんな空気になるなんて良くないですからね。フレア…朝食はまだなのでしょう?私もまだなので一緒に食べませんか?」

「はい。ご一緒させてもらいます」

 なんとかなった…よね?とりあえず私もお腹は空くので、朝食を摂らないと…

「その前にこちらに来て貰えますか?」

「えぇ…?はい。今そちらに…」

 駆け寄ると、母様に優しく抱きしめられた

「あぁ…まだまだこんなに小さいんですね…」

「母様もそこまで大きくないでしょう?」

「これでも五フィート弱はあります。まだまだ貴女より大きいですよ…エルフの血が流れてる私は二年半は身籠ります…寂しくならないですか?」

「私は強いので」

「…そうね!あーフレアは抱き心地最高…こんなに冷たい手も足も温めたくなっちゃうほどぷにぷにで…愛くるしい」

「あの…そろそろ…」

「あぁ…そうね。ごめんなさい」

 やっぱり…色々と今日おかしい気がする…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 朝食を済ませた後は、母様と日が暮れるまで一緒に過ごすことになった。一日ぐらい修行サボってもいいか…そう自分を納得させながら、部屋に帰ってきた

「はぁ…眠い…寒い…」

「着替えてすぐにベッドに入れば温まりますよ。ファナが先に入ってますし…」

「何を企んでるの?夜で周りに人がいないのわかってるのに…敬語を使うなんて…」

「さぁ〜…」

 部屋に入ると、本当にただファナが先に寝ているだけだった。何も企んでないのか…着替えを終え、ベッドに入り、目を閉じた…

 一瞬、背後に感じたファナの殺気に気付かずに…

「…!?ファナ!?」

「静かに…深夜ですので…」

 背後から抱き締められ、足も絡められたため、身動きが取れない…

「急に何?寝てたんじゃ…」

「王妃様に頼まれたんです。姫様を抱き締めて、甘やかせと…他の誰にもできないことだと…」

「どういうこと…?身動きが全く取れなくさせる意味あるの…?」

「姫様はもう少し…人に関心を持ってください。姫様のためにと行動している人も多いです。ですから…もう少し皆に関心を持ってくださいよ…」

「知ろうとはしてるんだけどね…」

「この耳…エルフのものと近いとはずっと思っていました。今日それが確信に変わりました」

「急に?」

「エルフのクウォーターなの隠してましたよね?」

「か、隠してないよ…言わなかっただけで…」

「隠していたのと変わらないですよ…」

「…」

「…今日、王妃様が怒っていた理由はそこにあります。天才とか関係なく、子どもとして甘やかすべきだと国王様に怒ったんです。国王様腹に拳を叩き込んでいました…国王様的には姫様の才を潰さないようのびのびと過ごさせるほうがいいと思っていたらしく、私もそれがいいと思っていたらしいですが…それを言ったらアイナさんも顎に一撃…」

「な、なんで…」

「さぁ…?…姫様…王として必要な三つの素養ってご存知で?」

「知力、武力、あとは胆力…かな?」

「思いやり、人望、信念らしいですが…」

「スー…」

「姫様…全部ないですよね…」

「し、信念ぐらいはあ…る…」

「私がいないとない信念がですか?」

「うぐっ…なんか…今日鋭くない?」

「アイナさんの観察眼を舐めないことですね」

「あぁ…」

「アイナさん…先生に姫様がつまらなさそうにしてるって言ったらしいですから…」

「そう…だったんだ…」

「それに引き換え、どのくらい相手に関心を持っていますか?」

「…」

「姫様は誰かにわかりやすく甘やかされたことがないのでずっとわからなかったのでしょう。私が手を貸したときでさえ、あくまで"手を貸してもらった"そういう認識だっただけですよね?」

「そうだったね…」

「…もっとしっかり、甘えてもらっていいんです。母に甘えるがヤダと思うなら私に甘えに来ても構いません。誰かに甘え、誰かに関心を持ってもらう大切さを学ぶべきです」

「…私…甘えるのとか、そういうのよくわからないから…文句言わないでね?」

「お姉ちゃんがしっかり受け止めます」

「なんで…そんな恥ずかしいこと…」

 ファナの胸に顔を埋める。私の体温と比べ温かく、彼女の心音が心地いい…

「無い胸ですが…気分は…どうですか?」

「すごい落ち着く…もう…眠い…」

 そのまま、私の意識はなくなった。意識を保つための堤防が決壊してしまったのだ…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ファナさん。ちょっといいですか?」

「は、はい…」

 王妃様に呼ばれ、恐る恐る御前へと赴く

「貴女は私よりあの子と共に過ごしている…母であるはずの私よりもです。…そんな貴女をあの子の姉と思っています。だから、アイナへ頼のもうと思っていたことを貴女頼みたくて…」

 私に姫様を甘やかすという頼みを告げたときのキュラメテス様の言葉の一部が、私にとって気掛かりだった…

「あの子が寒さに弱いのは、きっと…私が温めてあげられなかったからでしょう…」

 表す言葉に困らないほどに重く、いろんな思いが詰まった言葉だった…だから…

「私は上手くできたでしょうか…?」

 自問する。甘やかす…定義が曖昧で何をしたら役目を果たしたことになるのかわからないものだ…だが、穏やかに寝ている姫様の顔を見るとこれでよかったのだという自信が出てくる…だから…もう、寝てもいいだろう…

「おやすみ。my sister(マイシスター)…」

皆様、お久しぶりです。

 実は、この回、七話はだいぶ前から構想があり、十話以内にはこんな感じ(ファナを姉に仕立て上げるため)の回をしようと長いこと考えていました。現に前回から少し間が開くことになり、この回は結果的にファナはだいぶ重め子だから…とこんな感じに仕上がりました…あまり満足はいってないです…

 今回も今回でイチャイチャ要素があまりなかった…ので、次回こそ百合百合させていきたいと思っています。 次回は書くのが楽しくなって、すぐに書き終わるかもしれません。

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