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戦姫様は一歳児から天才児  作者: 文紙 新
一章:合縁奇縁
3/65

Part3 お勉強…

※初心者の粗末さ注意

前回までのあらすじ

 友達ができ、風呂と寝食を共にした。

 ファナと出会って二ヶ月が経った。私とファナのために、私は父様に相談し、家庭教師を呼んだ。先生の名はマロナ・ベーレ。淡い緑色の髪をしている女性、算術等の基礎的な学術だけでなく、魔法や戦闘技術にも精通していて、私たちの先生として申し分ない実力があった。

 ファナは語学や剣術の覚えはよかった。魔法も感覚としては理解しているが、魔法学としてはわからない様子…天才なのは間違えないけど…

 …私が直近の事を振り返ったのには理由がある。私は最近ファナに合わせて授業を受けている。復習にならないこともないが…

「姫…最近元気ないですね…どうしたのですか?」

「退屈してるだけ…ほら、私、最近復習してるだけだから…」

「なるほど…先生に相談して私に合わせるのではなく、姫に合わせるよう願いでましょう」

「いや、いいよ。だって付いてくの大変でしょ?」

 正直、ファナの今のレベルでは、追いつくのなんて無理話というのは言うまでもない。

「問題ないです。任せてください!」

 まぁ…ダメそうなら私が教えたりなどして助けてあげればいいかと…考えていたとき、席を外していた先生が帰ってきた。

「さて…そろそろ姫様は退屈で退屈で仕方がない…といった具合なのですかね?では、こちらを…」

 流れるように差し出してきたのは淡くうっすらと光る石を渡された

「これは?」

「私が構成した少々特殊な魔石です。魔力を流して砕いてください」

 その程度でいいのか?と思い、私はその魔石を掴んで魔力を流し始めた…びくともしない…

「姫様は…びくともしないですね〜」

「あ…」

 先生の煽られた言葉の最中聞こえたファナの素っ頓狂な声…そちらの方を見てみるとファナが魔石を四つに砕いていた

「え…なんで…」

「…ひ、姫様!!!気を落とさないで下さい!!!こ、これ…これは…えっと…その…」

「…いや、気にしないでファナ…今、何故砕けないのか考えているから…」

 頭をフル回転させているが、結論は出ない…


 姫様は唸りながら考えているのを見ているだけでいいのかと、辺りをうろうろしていると…

「ファナちゃんよ。そっとしておくことも大切なのですよ」

「そうですか…」

 急なちゃん付けはとりあえず気にせず、隣の私の部屋に移動し、先生に気になっていたことを聞いた。

「先生。あの…姫様はあの石を砕けなかったのですか?」

「んー…まぁ、簡単に説明するなら…魔力の差ですかね」

「差…」

「姫様のは精密さと速さはある代わりに力強さがなくて、逆にファナのは精密と速さがないない代わりに力強さがスゴイんだよ。まぁ…そのせいで四つにしか砕く…というより最早割るって感じになってたんだけど…」

「なるほど…」

 確かに姫様は魔力操作はめっちゃ得意だった気がする。魔法学を学び始めたときは魔力操作…?詠唱…?魔法陣…?何言ってんだ…?って感じだったが…今なら私は少し魔法を操るのが下手ってのがわかる…なんとなくだけど…

「あぁ…でも、ファナは魔力操作が下手って訳じゃないんだけどね。ただ物に流すのはド下手ァなんだけで…自身の体に流す分には普通に天才だと思うよ」

 そうなのかな?褒められるのは純粋に嬉しい…

「えと…それでですね…姫様…暇してそうで…先に進んで欲しかったのですが…あれではすぐに…」

「いや、姫様でも一ヶ月は苦戦するかなぁって」

「え?」

「先生も昔は天才児だったんだよ?当時先生は九歳だったかな?私は魔法狂いでね〜今の姫様以上に魔法を覚えてたけど…先生の師匠に魔石を魔力だけで砕けって言われたんだけど…一個目砕くのに三ヶ月掛かったんだ…だから簡単に砕いて欲しくないなぁ〜って思ってる。だから、譲歩して最低でも一ヶ月掛かるかなぁって思ったんだよ」

 …話が長くてあんまり聞いてなかったが、なんか色々あるんだなとは思った

「じゃあ…私が簡単に砕いたことは…」

「なんとも思ってないよ?同じ師の下で教わってた仲間がファナみたいに簡単に砕いたからさ…魔法狂いには簡単にも見えるこれができないのは辛いだろうね…くふふ…可愛い子の苦しむのはとても興奮するね…」

 私はきっとゴミを見る目をしていたのだろう。間違いない。そんなとき、部屋の戸が開いた

「ファナーいるー?」

 そう軽快な口調で私を呼んだ女性…アイナさんだ。私と姫様の第二の母…姫様の前じゃないと敬語が抜けて格好良くなるんだよね。

「アイナさん。どうしました?」

「ん?いやー姫様が珍しくなんか思考を巡らせてたからめんどそーって思ったから代わりにファナと遊ぼっかなぁってね」

「あぁ…すみません。これから授業で…」

「問題ないですよ!アイナさんを退屈させれる訳がないですから!ささ、何します?操血魔法を教えてくださってもいいんですよ?」

「教えねぇよ。私が教えんのは姫様だけって決めてんだよ」

「普通にアイナさんも一緒に授業を聞ききません?」

 アイナさんも加えて、授業をする日々が、一週間続いた。前までは姫様と一緒に寝ていたが、姫様は石を砕こうと、ここ一週間ろくに寝ようとしなかった。私は危険だからと、自室で寝るように言われていたため、姫様と顔を合わせることが減った…

 今は自習なのだが…私は姫様のことが心配で、筆が進まず…

「ファナ〜手、止まってるよ?休む?」

「…姫様のことが心配なんです」

「それは…私も不安じゃないと言えば嘘になるよ?だって…姫様、昔から都合の悪い事とかは見ない子だったし」

「というと?」

「要は子どもなんだよ。ファナよりもね…本当に姫様が学ぶべきことは…もっと誰かに甘えることなんだよって教えるのは私じゃ無理だった…だから、本当に心配なら行ってみれば?」

「…」

「よし。行ってみるか」

 姫様の部屋に入った。…姫様の部屋は煤汚れが目立ち、魔法学の本と脱ぎ捨てられた服が散乱していた。肝心な姫様本人は特徴的な長い薄桃色の髪はボサボサで、ブランケットを被っていた

「姫様…」

「……れも…どれ……これ………がう…」

 なんと言っているのかは詳しく聞き取れなかった。どうすればいいのかわからなかった。私はその場で固まってしまった…

「はぁ……すぅぅ……姫様!!!ファーナリアが用があると!!!」

 大きく息を吸い、声を張り上げたアイナさんの声が頭に響いた。姫様は一度びくりと、肩が跳ね上がり、こちらを向いた。

「…ファナ…アイナ…さっきぶりだね…」

 最後に姫様と顔を合わせたのは五日前…意を決して声を出さないといけないのだが…声が出ない。必要ないと拒絶の言葉を言われたらと考えると怖くて…私は…何もできなかった…


 …ファナの手は震えていた。私に対するその目は私に突き刺さり、胸を抉った。…私はこの目を知っている。魔法を覚えてただった頃…私は身辺の世話していたアイナ以外のメイドの一人を燃やした。そのとき、そいつがしていた目と同じ…あのときは何も感じなかった…でも、今はどうしてこうも胸が痛むんだろう…

「あ…」

 目から溢れ落ちたのは生まれて間もない頃にしか流したことのない…涙だった…

 急に走り出したファナは、私に向かって飛び、抱きついてきた

「姫様…もっと私達を頼っていいんですよ…姫様が自分を追い込むのを見てられないです…姫様が壊れてしまいそうで…怖いです…」

 あ…あぁ…ファナは…私を心配してたんだ…あの目は…そういう…

 ファナの魔力とその流れが感じる…

「ファナ…砕き方を教えて…いや、手を貸して…ほんの少しでいい…」

「…わかりました」

 サラッ…と砂が崩れるような音を立てて、魔石は崩れ去った…


ーー矢を三本纏めたら折れないってなんて話になぞらえて、この日のことを例えようと思ったが、ファナは矢というより丸太であろう。でも、二本の丸太は相当なことがないと折れることないと考えたため、これが最適なのだろう。

 久しぶりに付けた日記を閉じて、眠りにつくことにした。

最後まで読んでいただきありがとうございます。忙しい数日間が続き、やっと投稿したのですが、また忙しくなってしまうため、ゆっくりと執筆することになります。ですが、二日以内には投稿したいなと思っています。

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