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1-1 グォース海岸上陸戦 2

 アルデ軍が戦場に到着するまでの間、三人はそれぞれ必要と思うことを済まし、覚悟を決めると、通信機を前にでんっ、と構えた。

 孫考は手元の書類を見るが、帝王国軍のデータは少なかった。本来なら海岸のやぐらに配置された兵士から十分な報告が届いていいと言うのに、彼らは自分たちの命がちょいと危うくなったと見るや、早々と雲隠れしたらしい。

 十分な役目を果たさない奴らには、まったくいらいらさせられる。名前は疑島と呉山と言ったか。

 孫考は束の間、眉間に皺を寄せたが、すぐにいつもの眠たげな顔に戻った。


『申し上げます。こちらフレーズン三号。敵が上陸を始めました!』


 代わりに送った偵察ザーベオンから報告が入る。高空から上陸の様子を偵察しているのだ。


『帝王国軍メントクアが上陸!』


 三人の間を緊張が駆け抜けた。半魚人型ザーベオンのメントクア。帝王国の主力戦闘ザーベオンだ。


『帝王国軍ショットスコープも上陸!』


 サソリ型のショットスコープ。砲撃支援を得意とするが、格闘戦もできる強者。やっこさんがた、メントクアとショットスコープをぞろぞろ上陸させやがった。本気で戦争をおっぱじめる気か。可能ならアルデを破り、ジュベロ大陸を支配下に置いて、世界征服を成し遂げようというのだろう。


 だが、足りない。確かに、メントクアもショットスコ-プ手強い敵だ。だが、アルデを破るにはもっと強いザーベオンがいる。

 もっと、でっかくて、強くて、育てるのにも動かすのにもバカに金を食う、重量級のザーベオンの気配がないのだ。


「連中、大型ザーベオンは連れて来ていないのか?」

「船に積み込み忘れたんじゃないの?」


 三人は推論を口にした。偵察のフレーズンが、なおも機械的に報告する。


『申し上げます。目の前に帝王国軍バズレガーが現れました』


 始祖鳥型ザーベオンのバズレガー。空棲ザーベオンも抜かりなく揃えてきたか。

 と、報告に雑音が混じった。


『申し上げます。撃たれました。三秒後に墜落します』


 ドガーン!


『ぎゃー!』

『フレーズン三号は消滅しました』


 最後の報告は、コンピューターによる合成音声の声だった。


「はいはい、ご苦労さん」


 孫考はさっと兵をねぎらい、通信のチャンネルを切り替えた。


「紀の軍は、どこにいる?」

『こちら紀。グレイラー隊はすでにグォース海岸に到着しました。これより戦闘ザーベオンを展開します』


 よし、紀は素早く動いた。敵は大軍だが、紀が野戦築城して敵の進撃を止めさえすれば、こちらは内地から援軍をひねり出せる。対して、帝王国軍が援軍を送るには海を越えなきゃいけない。

 時間をかけて押しまくり、やつらが海にぼちゃんと落ちればこちらの勝利だ。

 多くの陸棲ザーベオンは泳げない。鉄でできている。


 さあ、戦争の始まりだ。



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