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アビスシステム  崩れゆく常識、積み重なる異常  作者: 鷹鴉
一章 人智を越えた未知足り得る世界

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6話 人類の夢、無限のエネルギー その2

「他に!他に襲われない方法ってあるか?!」


白銀が3分時計を付けている腕を突き出し、コアに質問した。


「もう手遅れかもしれませんが、襲われている原因である異常。その保持を合法化する方法があります」


手遅れなら、望みは薄そうだな。


「異常保持を許可する許可証があれば、襲われることは無くなるかと思われます。しかし、異常を保持する為に必要な許可証ですが、現在許可証発行の発行ができる施設との通信が途絶しています」

「……あーあ」


どうしようも無いな。小型ロボットを破壊しながら進み、動力室に続く通路までの距離は約50mを切った。ただ、あと少しだがロボットが邪魔で中々進めない。


「ん?」


急に上からヒューという音、が…………


?!


「上だ!3分時計を!」

「上……ふぇ?!1/5倍速!」


良かった。3分時計のクールタイムが終わっていて。上空からは、さっき俺等に向かって落とされていたのと同じ、大量の爆弾らしき物が落とされてい、た…………?


「…………対時間不可逆シールドって、物体にも付けることもできたんだ…………いや、ロボットも物体か」


落とされている爆弾は遅くならなかった。確実という訳では無いが、白銀が呟いている通り、あの爆弾は対時間不可逆シールドを展開している可能性が高い。


このままだと足を取られ続けるな……仕方ない。


「全員、強行突破!」


俺の大声と同時に、ロボットに足止めされている常盤が動いた。抱えている白銀と、シールドを張ってくれているコアを掴んで自身の前に持っていき、常盤は少しだけ屈んで全力で走り出した。


コアのシールドは常盤に掴まれた時点で消失した。俺も小型ロボットは全て無視して強引に進む。俺達が全力で進んでいると、爆弾がほぼ同時に3つ着弾した。


その爆弾から想像を絶するほどの爆破と爆風を生み、

周囲にいた小型ロボットはおろか、人間である俺等を吹き飛ばした。しかし、吹き飛ばされたお陰で通路までの時間を短縮できた。


必要以上吹き飛ばされない為に、地面に突き刺さっている瓦礫を掴み、常盤も続いて近くの瓦礫を掴み耐えた。


それから数舜にも満たないほどの時間が過ぎた時、爆風が凪いだ。上空からは今の爆弾よりも、さらに多くの爆弾が落下していた。


その瞬間を狙い、次の爆弾が着弾する前に、目的の通路のそばに近寄る。


「ここで合ってるか?!」

「そこで合っています!」


そうか、これが。


俺はさっきまでこれを廊下のような物だと思っていたが、見る限りは廊下というより穴に近い。ほとんど縦穴だった。


底の見えぬ高さに少しだけ足をすくませていると、片腕に白銀とコアを抱えた常盤が俺の手を握った。


「行くよ!」

「えっちょっ…………!」

「どうなってもワタシは知らないぞー!」


…………常盤の行動に、多少なりと驚かれたことは合ったが、まさかこんなことをするとは…………常盤は俺の手を引き、そのまま穴の中に落下した。






もう、叫び声を出すことすら面倒になった。常盤に手を引かれ落下してから、光すら見えなくなってから、大体約5秒近くが経過した。


いつまで落ちるんだ?と思っていると、急に体がフワッとし、それからゆっくりと穴の底に降りた。


「反重力機構を起動しました」


コアがそう言った。


デルメントルトを支えていると言っていた反重力機構。それをコアが使ったのか。


「コアすごーい!」


常盤が軽く手を叩きながらコアを賞賛した。そう言っているあたり、完全なる無策、考え無しで飛び込んだのだろう。


まぁ、あのまま飛び込めていなかったらあの爆弾で死んでいた。どちらにせよ、結果オーライだな。

「今のが反重力機構……今の落下を相殺……?いや、緩和が正しいか。ワタシ含めて3人の落下を緩和か…………もしやコアがずっと浮遊しているのは、内部に反重力機構があったから…………?3人では無く、1人に縛れば自由に空中を飛ぶことも可能に…………」


俺の側で白銀がブツブツと1人で呟いていると、コアが独り言を呟く白銀の側に近寄った。


「申し訳ありませんが、ボクの反重力機構は小型な上、空中を移動するには出力不足ですので、荒起様が仰った事項は、ボクの能力だけでは実現不可能です」

「そうなのか…………」


白銀が少しばかり残念そうな顔をしながら項垂れた。それを横目に、俺は懐中電灯を取り出し真っ暗な周囲を照らす。周囲は先程のような廊下だったが、地上と繋がっていたせいか結構ボロボロだった。


地面には灰色の粉が積もり、この場所に降り立ったせいか、少しばかり灰色の粉が舞い上がっていた。取り敢えず、少しこの場所の探索を――――


「またか……」

「新條君!」


俺が1歩踏み出した瞬間、急に足元が抜けて落下した。今の場所のボロボロ具合から考えると、ロボットはいれど、直す者はおらず長年の放置で劣化したのだろう。


だから地面が脆くなり、その下に落下した。そんなことを考えていると、さっきみたいに体がフワッとして、常盤と白銀がいる場所から、さらに落下した空間の地面に降り立った。


「申し訳ございません。ボクとしたことが、床の耐久性を侮ってしまいました。反重力機構で外傷は無いはずですが、大丈夫でしょうか?」


「……大丈夫だ。それにしても、上に比べて、ここは案外綺麗だな」


またさらに落下した場所は、今までで1番綺麗で、今までで1番機械的な空間だった。


「…………行く予定はありませんでしたが……」

達観した様子のコアが、すぐ側にいる俺が微かに聞こえるほどの小声を出すと、上に空いた穴から、俺とコアを眺める常盤と白銀に向かって声を張り上げた。


「ご主人様!荒起様!ボクにやることができたので、そこから降りてもらってもよろしいでしょうか?!」


今の声が聞こえたのか、常盤が白銀を抱え、迷い無く穴に飛び降りた。2人はフワッとしながらゆっくりと落下し、ゆっくりと着地した。


「それで、ここは?」


着地すると、常盤が開口一番そう言った。


「ここは、情報保管室です。デルメントルトの全ての情報を管理、保存しています。最重要機密な情報がある為、本来なら、ここに警護がいるはずですが…………今の事態に駆り出されていると思われます」


それは、色々と危なかったな。こんな場所に落ちてしまったが、警護がいなかったのが不幸中の幸いか……


しかし、全ての情報か。


この未来都市の情報なら、こちらにとって有用な情報も探せばあるのだろう。だが、こんな状況でそんなことをする時間が無い。素通りして動力室に向かうしか…………


「それで、やることって?」

「はい。ボクはこの情報保管室でやることがあります。それは、ボクと研究員に関する情報を調べ閲覧することです。ロックされている記憶データを、外部からなら知れると思いまして」


成程……無理に同じ媒体を使用せずとも、別の媒体を見つけて使用すれば済むのか。


「それに、ここの情報を全てコピーし、ボクの中に保存すれば、ご主人様達の役に立てると思いまして」


コアがそう言った。


そうか。人間なら時間が掛かるが、機械ならデータとしてアップロードできる。


「ワタシとしては文句は無いけど、どれくらい時間が掛かる?」

「長くても約2分ほどで完了します」


そこまで時間は掛からないのか。


「そういえば、新條君はコアの提案に賛成?」


常盤が俺の隣に近寄り、小声で話しかけて来た。


「賛成だ。断る理由が無いからな」

「そうなんだ。コア!新條君からの許可も貰ったよー!」


俺の隣で、常盤が少しばかり大きな声を出しながら、今のことを伝えた。

「ありがとうございます。情報保管室のデータを全てコピーしますので、少々お待ち下さい」

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