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29話 マジックドレイン


「マスター! ついに頼まれていた研究ツリー、達成しました!」

「お! 本当か! さすがはイストワーリアだ! ありがとうな!」


 俺はある日、そんな嬉しい知らせでたたき起こされた。

 研究ツリーが進んだということは、設置できる設備が増えたということだ。

 これでなんとか勇者パーティーにも対抗できそうだな。


「間に合うか不安だったが、よくやってくれた」

「えへへー! マスターに褒められました!」


 イストワーリアは嬉しそうに俺を抱きしめてなでなでする。

 俺が今回どうしても使いたかったアイテムは、かなり研究ポイントを要したからな。

 定期的に余ったDPを研究Pに変えていたとはいえ、かなり時間がかかった。


「それじゃあ、さっそく使用してみるか!」

「はい! 私も楽しみです!」


 俺はダンジョンメニューから【特殊設備】の項目をひらく。



――――――――――――――――

マナドレイン 20000DP

――――――――――――――――



「ふっふっふ……これがチート級の最終兵器だ!」

「これは……どういう効果があるんですか?」


「マナドレイン、それは文字通り、魔力を吸い取るトラップだ」

「えええ!? すごいです! そんなものが!」


 マナドレインは、一度発動させれば、ダンジョン内すべてに効果のある特殊トラップだ。

 まあパッシブトラップとでもいえばいいのかもしれない。

 ただ、ダンジョンが広くなるにつれ、運用DPも大きくなる。

 だからなるべく序盤に取るのがセオリーだ。

 しかし、序盤にとるとなるとかなり研究をすすめなければならないので、難しいバランスである。


「これさえあれば、大賢者エルーナの魔法も怖くない」


 いくら賢者級の魔法でも、魔力がなければ発動できないからな。

 それに、そもそもそんな大きな魔法は消耗が大きいはずだ。

 毒の沼で足止めしているうちに、あいつらの魔力はゼロになるだろうな。


「我ながら悪魔的発想のコンボだ」

「すごいですマスター! まさかこんな裏技があったなんて!」

「まあな、俺も何回か【ダンジョンズ】をクリアするうちに気づいた項目だ」


 だが、それだけでは少し不安だ。

 マナドレインはじわじわと魔力を吸い取る効果しかない。

 つまり速攻で突破されようものなら、その意味がなくなる。


「念のためにあいつも召喚しておくか……」



――――――――――――――

マジックバット 600DP

――――――――――――――



 マジックバットはまあ、吸血コウモリの魔力版だ。

 こいつらは見た目は普通のコウモリだが、血のかわりに魔力を吸い取る。


「こいつらをダンジョン中に設置!」


 俺は余ったDPをすべてつかう勢いで、マジックバットを召喚した。


「キーキーキーキー!」


 コウモリたちはダンジョンの暗闇に、消えていった。

 しかし、なかなかうるさいな……。

 居住区の近くの階層には来ないように設定しておかなきゃな……。


「よし、これであいつらの魔力はすっからかん作戦完了だ!」

「完ぺきな作戦ですね、マスター!」


 まあ、そうなることを祈ろう……。

 俺は一度、ギルティアに殺されているが、二度もやられるつもりはない。

 それに今度は、俺だけの命じゃなく、護るべきものがある!


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スライムすら倒せない無能と罵られた俺のスキルが《確定レアドロップ》だった件。ようやく倒せた初めての一匹がきっかけで、ハクスラの連鎖が止まらない!世界最速で世界最強の勇者を追い抜きます。
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