プロローグ
これは、運命に打ち勝つ男の話――。
冤罪に、不遇に、逆境に、強敵に……。
それらすべてに打ち勝ち、跳ねのける。
その先に待つものとは……?
◇
「ユノン・ユズリィーハ! 薄汚い魔族め! 俺はお前を追放――いや、討伐する! なぜならこの俺様が真の勇者だからだ! 悪は滅びるべし! うおおおおおお!」
そう言って剣を向けてきたのは、俺の幼馴染でありパーティーメンバーでもあるギルティア・カストールだった。
「ちょっと待て、誤解だ! 俺は魔族じゃないし、皆に危害を加えるつもりもない。本当だ。信じてくれ!」
俺はあわてて、自分に向けられたあらぬ疑いを否定する。
実際、殺されるようなことは、なにもしていない。
身勝手な決め付けで殺されるなんて、理不尽すぎる。
「うるさい! 誰がお前の言うことを信じると思う? 闇スキル使いの変態ヤロウめ! 今まで俺たちをよくも騙してくれたな! 死ねえええええ!」
こうして俺、ユノン・ユズリィーハは16という若さで死ぬことになる。
クソ迷惑野郎――ギルティア・カストールの勝手な思い違いのせいで……。
のちに俺は、理不尽な運命を覆し、このギルティアへ復讐を果たすことになる――。
俺はダンジョンのボスとなり、究極のダンジョンを作り上げる。
そして魔王や可愛い部下たちと共に、クソったれな運命に、復讐するのだ。
ギルティアは、俺以上の苦しみを受けることになる。
だがそもそも、なんでこんなことになったのか?
まずはそれから、話す必要がある――。
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