ソフラン
「オラオラぁ!かかったこいやぁ!!」
予選開始直後から縦横無尽に駆け回りながら他の参加者を圧倒するゴウ。
己の四肢だけで自分より年増の参加者達をなぎ倒す。
「ふんっ!」
ヒロはというとゴウを視界に収めつつ、離れすぎない距離を保ちながら寄ってくる参加者達を次々に相手をする。
ブテナロック王国軍第10支部所属であるゴウとヒロにとって一介の冒険者や武闘家などはほとんど相手にならないのであった。
「はんっ!まだまだ!オラァ!」
開始15分。
2000人いた参加者は100人にまで絞られていた。
「はっはっは!頑張るねぇ!若いの!!」
ジャラジャラ
「ん?なんだー?オッサン?」
「ゴウ。気をつけて。今までは雑魚ばかりだったけどここまで残ってるヤツは注意が必要だよ」
「まぁそんな警戒するなよ。気楽に行こうぜ。気楽に、な!!!」
ビュッ!ジャラララ〜!!
「うおっ!あぶねぇ!」
ヒュンっ
「ゴウ!大丈夫?!」
「あぁ!かすりもしてねぇよ!」
「おおっ今のを避けるかね!なかなか骨があるねぇ!さぁ!もっと行くよぉっ!ふんっふんっ!」
ジャラララ〜!!
ゴウとヒロの目の前に現れた男はモーニングスターを自在に操り、矢継ぎ早に攻撃を繰り返す。
ヒュンッ
「そんなもんかすりもしねーよ!」
当たれば一撃で致命傷を負いそうな攻撃を危ぶむ事なく華麗に避けていくゴウ。
しかし避けるだけで中々反撃に転じることが出来ずにいた。
「ふんふんふんふんっ!ほらほらほらほらっどうしたぁ!」
ビュッ!ジャラララ!
「チッ!ウザーな、こんな鉄球を軽々振り回すなんてどんな馬鹿力だよ!」
「僕。完全にシカトされてる?」
蚊帳の外だったヒロは自らも戦闘に加わる為にこの日初めて自身の武器を手にする。
「聖霊器降臨」
そう呟いたヒロ。
突如辺り一面を眩い光が差し込む。
ピカーっっ
ヒュンヒュンヒュンヒュンッ
光がやむとそこにはトンファーを持ったヒロ。
ヒロの華奢な身体には不釣り合いな程の馬鹿でかい1メートルはあろうかというトンファーがじんわりと輝きを放ちながらヒロの両手に収まっていた。
「僕、完全に舐められてる!!」
「おい!ヒロ!!!こんなとこで!!」
「な、なんだぁー?!」
シュッ
パキーーンっ!
トンファーを手にしたヒロは風の如き速さでモーニングスターを砕き、相手の鳩尾に一撃を入れた。
ドゴッ!
「ゴフッ」
ドサッ
モーニングスターの男は反応することも出来ず、なす術なく倒れた。
「おいヒロ!聖霊器は使わないって決めてただろ!」
「ふんっこいつが僕を舐めてんのが悪いんだ」
「チッ!いつもいい子ちゃんぶってるくせになんなんだよ、、」
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決勝トーナメントが行われる予定の会場では予選会場の様子を映像で映し出している。
その映像を見ながら決勝トーナメント進出者を予想するのが楽しいのだ。
「オイオイオイオイ!」
「なんだよあれ!」
「えええええぇーーー!!!」
「ざわざわざわ」
「あのモーニングスター使い、ソフランだろ?!」
「ソフランが一撃だと?!」
「「「あのガキ何もんだーーーーー?!?!」」」
決勝トーナメント会場は突如現れた華奢な青年の話題で持ちきりとなる。
「やはり。あの力は危険だ。早いとこ回収しなければ…」
その男はモニターを見ながら右目をさすりながら呟く。




