会社くびになった俺 転生する
「ああ、君、だめだ」
「え?」
絶望が頭を襲う。だめだ、と言う文字が頭に台風のように回り続ける。
「あの正解言うね?今すぐ変わるっていうのが正解だから。現場にお戻りください」
え?そうなの?人って簡単に変われるの?と言う思考が頭をよぎった。しかしそんなことはどうでも良かった。
「あ・・・あの!!が、頑張りますので・・・・」
「現場にお戻りください」
「あ・・あの・・・!!!!!」
「現場にお戻りください!!!!!!!!!」
解雇にされた。もうお先真っ暗だ。何もかもが闇の中だ。視界に光が見えない。その後、何人か俺にこれからのことを話してきた。だが、俺の瞳には何も映らない。そいつらが何を言っているのかも分からない。
コンビニでおにぎりを買った。もう、俺には何もない。頭も悪いし、大学もいっていない、唯一、受け入れてくれた会社でさえ。俺を見捨てた。俺がわるいのか?俺が悪いんだろうな、接客業なのにまともに人と話せやしない。人と話していても、お前、何言ってんの?
と話が通じないと言うことも多い。
そうだ、俺が全て悪い。そうなんだろう。だれかが言ってたな。他人からの評価が全てだって。そうだ、他人がダメだと判断したんだ。自分がどう思おうが、他人がダメだと言ったらダメなんだ。青でも赤って言われれば赤になるんだ。
もうだめだ、俺は改めてそう思った。
「お前、なんで変わろうとしないんだよ!!」
うるさい・・・
「自分が情けないと思わないのか!?」
うるさい・・・
「お前、分かっているのか?自分がダメな奴だって」
「そんなの分かってんだよ!!!!!!!!!!!」
そんな俺の叫び声が街に木霊す。
「おれがダメなことくらい、俺が一番よくわかってんだよ!!!!でも、どうしようもなかったんだ!!今まで、他人と関わっていても、全く他人が何考えているか分からないし、もちろんあいつらだって俺のこと、一つも理解してくれないゴミ共だ!!ダメなんだ!!すべてが!!もう無理なんだ!!」
街の中で何を言っているんだ。俺は、我に返った。すると、その時、俺の周りで何か空間が歪むような感覚に陥った。
「街の中でおれは何を・・・」
そう言って、顔を上げる。すると、町の様子がおかしい、ひとけが無いのだ。路地裏に回ったわけでもないのに、人が歩いていない。更に、周りを見渡す。そこには、まるで廃墟のように蜘蛛の巣がかかっているような古びた建物がいっぱいある。
「なんだ、これは・・・・・・」
俺は、戸惑う。当たり前だ、誰だってこんな状況になったら戸惑う。
「げひひひ」
汚い、笑い声がする。俺は振り向く。
そこには、いかにも不良です。と言うような、モヒカンの髪型をした男たちがいた。
「おっさんよぉ、良い身なりしてんなぁ」
そう言って、男たちは、ナイフを舌で舐めながら、持ち始めた。
俺は、もちろん、驚いた。こんな、頭のおかしい連中が町中にいたのか?
すると次の瞬間
「おっさんよぉ、かねぇ、よこせよぉぉおおおおおお!!!!」
そう言うと、男たちは、グジャア、グジャアと見たことも無い化け物に変身した。
「ひいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」
俺は、すぐに逃げた。町中でこんな奴らが暴れているのに、他の奴らは何をしているんだ。
そう思い、俺は、無我夢中で逃げ出した。しかし、それが、間違いだった。
「!!? 行き止まり!?」
行き止まりに合ってしまった。なんてことだ、後ろを振り返ると、男たち、いや、化け物が近づいてきている。「おっさ~ん」と言いながら、すこしづつ近づいてくる。
「あ、ああ、あああ」
俺は、その場から動けない。
すると、突然、バッと俺の目の前に人が現れた。
「大丈夫!?」
みると、金髪の、髪が長い美少女が俺の前の前に現れた。あまりの美しさに俺は見とれた。
評価をくださるとうれしいです!!!
この作品以外にも書いているので、是非そちらの方も見てくれると更にうれしいです。