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人狼と少女 垣根の上を翔ぶ女 亜依音  作者: 冬忍 金銀花
第八章 あれもこれも穏やかな幕間(まくあい)

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第83部 杉田家の女四人姉妹の秘宝と文化祭の混乱


 1970年11月6~8日


*)桜花祭……始まる


 明日からは三日間が文化祭で賑わう。昨日からは授業もお休みで生徒全員が文化祭の準備を始めて、方々から槌音や笑い声、謝る言葉に歌声も聞えてくる。


 我が馬術部の出し物のバザーの商品の価格設定でお父さん=教頭先生の部屋にお邪魔した。段ボール箱の七個を開封して全部を床に並べて行くのだが、ここで未来が恐ろしい勢いで「待った!」を掛けてきた。



「可笑しいな~段ボール箱は封をしていたよねお父さん。」

「済まない昨日中身を確認させて貰ったよ。それな昨日、箱にネズミが入っていたようでガサゴソと音がしていたんでな。」

「それで見つかった?」

「いいや逃げられたよ。それにしても沙霧の奴、随分と貯め込んでいたのだな。」

「そうね、澪お姉さまの分も在りますよ。」

「するとなんだ。綾香と彩香の分も在るのだよな。」

「う~ん分んない。全部を床に並べるから見てて。」

「アハハハ……いいぞ。」


 私は先発隊の未来と立花の双子の四人で来ているが、時期に藍と一年生の二人が合流する予定だ。美歩と大地の二人は来ないが美歩の理由は判るけれどもね?


 私は部長だ、偉いのだ!


「みんな、これが明日からのバザーの商品よ。適当でいいから値段を決めてからまた金額別に箱に仕舞うからねヨロピク!」

「へ~何が有るのかな。」

「これね全部がお母さんたちの趣味のガラクタ品だよ。未来ちゃん。」

「亜衣音、幾らから始めるのよ。」


 眼をランランと輝かせて箱を開け始める面々に開封そうそうに未来が待ったを掛けてきた。


「あ~あのね……亜衣音ちゃん。」

「なぁに? 未来! とても良い物があったかな。」


「これ……全部私が買い取るからさ、お願い亜衣音ちゃんと双子、部屋から出て行ってくれないかな。」


「どうしてよ未来ちゃん。」

「私、欲しいの……全部買い取るわ。お金は明日持ってくるからさ、お願い、バザーには出さないでね?」

「そうね一番楽が出来ていいかな!」

「ありがとう亜衣音ちゃん今から金額を出します。五月蠅いと集中出来ないからさ、ね?」



 未来が今から金額を出すから皆は出て行ってくれないかなと言うので、いいよと言いながら部屋を出た所で一年生と藍に出会った。


「藍、今日はもう終わりになったわ。バザーの商品はね未来ちゃんが全部を買い取ると言って聞かないのよ。」

「へ~いいじゃん。だったらバザー会場に張り付いている必要もなくなったね。」

「あ~そうよね。思いっきり遊べそうね。」

「だね!」



 勿論、ここは教頭先生のタヌキ部屋だからにしてお父さんも居る訳だ。だが知らぬ顔を決め込んでいる様子は、それが返って不気味でもあるから訊くにも憚はばかられた「やな感じ!」だからだ。学校としての文化祭は生徒の自主性の尊重だからだろうが、完全なるお小遣いゲットのバザーだからか。下手に口をだせば部活費に充てろ、と言われそうで怖いのかもしれない。顧問だし。



 未来は私たちを追い出したらほくそ笑む。


「うっひゃっひゃ! これで私はお金持ちになれるわ。うっひゃっひゃ! 」

「チョ~ッと相談があるのだが、いいかな。」



 さて、二人になったお父さんと未来なのだが、お父さんは未来が破顔する時を待っていた。


 未来の顔が最大に破れた顔になった時にお父さんが声を掛ける。お父さんにしてみれば娘の交友関係には神経を使っている。藍の件があるし、双子もまた未知数なのだから。未来は、「お嬢様でオタクの明るい神様!」という評価を下している。明るい神様とは名字そのものだ。



「はい? なんでしょうか。」

「未来ちゃん。亜衣音の親としては大変申しにくいのだがこれらのバザーの商品を、その、高い金額で買っては頂けないだろうか。私からのお礼としては校長への学費の免除の依頼しか出来ないがどうだろうか。」


「先生。既に学費免除は頂いておりますが、理由はまだお聞きしておりませんでした。」

「亜衣音の事で色々と迷惑を掛けているからね。」

「だけでしょうか?」

「いや~実はその代金を使い道を考えたので、それで相談出来ないかと、」


「先生。そのお金の使い道次第ですわ。勿論こんなお宝は私にしか評価が出来ません。だから先生も惜しげも無く出されるのかと思っていますがどうなんでしょうか。」


「すまない、実は藍ちゃんの生活費に充てさせて貰いたいのだ。私だって家族が多くなってしまってな、それに馬の維持費も嵩んでいる。正直なところ俺にも藍ちゃんの生活費に回せる予算が無い、どうだろうか。」


「まぁ先生……とても嬉しいです藍は私の親友です。私はもしかしたら藍が学校を辞退するのではないかと常々心配しておりました、藍の為に私も父に頼んでみて最大限を引っ張ってきます。」


「あ~助かるよ。」

「いいえ、私のお金でないのが少し心苦しいでしょうか。」

「いや~学費免除も同じだよ。全部亜衣音の国体優勝のトロフィーと賞状を引き替えにして校長を説得したからね。それで校長室へ献上させたんだが実は俺も偉くはないんだよね。」


「まぁ、先生ったら可笑しいですわ……。」

「ありがとう。後で運ばせてもいいがどうする。」

「はい、直ぐに私が車を手配いたします。」




 ¥百万円也! 私と大地の二人は六十万円になったのだが物言いが付く。お父さんの方針により藍ちゃんの生活費に回る事に決まった。段々と落ち込む藍の成績は当初は十位以内が、心配が重なっているのか今では百を遙かに越える数字だそうだ。今では私が上だぞと威張れないのがもどかしい。



 百以下の成績にはあまり意味が無いし二百位以下だったら本人が落ち込む。やる気を無くすといけないからとお父さんが提案して九十九位までしか発表されなくなった。下位の成績は学生本人が判るのだからもうどうでもいいと言えばどうでもいいのだな。


 これって「亜衣音の為にとてもいい方法を考えたよ!」とお父さんが言ってたやつだよね。でも一学年に二百七十人も在籍しているのに九十九位までしか発表されなくなったとしても、それこそ意味がないような気もするよね。そこは通知表を見て項垂れて泣けなのだろう。この学校は進学校で有名な方だ。


 若しかしたらお父さん、逆転の発想を考えたのではなかろうか。番付に載りたければ勉強しろ、きっとこれだと思うな。百位以下は俺は・私はいったいどこいら辺にいるのか気になるし、次回は頑張ろうと発奮してくれればいいのだから。


 Aから順に成績が良いのかと考えたらどうも違うようなのだな。六クラスの最低はどうもBクラスのようで、一番はDクラスなのだが私的にはCクラスの成績しかない。理解出来ない。五十位から九十九位までは僅差なのだから逆転劇はいつもの事か。



「藍ちゃんこれだけお金が有れば卒業が出来るだろう、だから頑張ってくれないか。卒業になればきっと花が開くよ。」

「先生~……ありがとうございます。そして皆さんもありがとう。」


「よ~し、だったらお祝いに藍の奢りでアンミツよ!」

「バコ~ン!」x7


 私はこの場の全員から叩かれてしまった。お父さんは藍に何をさせたいのか全然予想も出来なかった。お母さんや澪お姉さまにはお父さんが三万円を払って納得させていた。理由はこっそりとホロお婆さまから聞いていた。そう、お婆さまが巫女の力で未来に跳んで孫達に買い与えていたからだ。勿論、自分たちで購入した数が多いのだろうが、十五年先の未来で使えるお金は物価の違いで簡単には買えなかったはず。そこをお父さんが攻めたらしいのだ。


「そうなんだね、母娘の血は濃いものだね!」by亜衣音


 しかしお父さんは抜けているんだよね、お母さんたちが僅か三万円で身を引く筈が無いと考え切れていなかった事だ。柳の下に二匹目のドジョウがいるのだから、それはお母さんだった。



「亜衣音、この前の族からの上がりを少し分けてくれないか!」

「え~どうしてよ理由はなに。もしかして……デートなの?」

「秋葉原で……人形を買いたい。お前そっくりな物を見つけた。」

「私が……? もしかして裸に出来る着せ替え人形……。」

「うっ…………。」

「ふ~ん夜が寂しいんだ、」



「藍からの……お願いね、下の事は内緒だからね? ウフ……!」


 馬術部の皆には好きなモノが一つ贈られた。これに反応したのが大地と藍なのだが藍だけは違った。お父さんの読みが当たったらしい。若しくは指導があったのかもしれない。他にもバザーの商品で見つけたモノが多数あったのだ。


 これにより藍はアクションフィギュアを考案して大学進学に併せて会社を? 創ってしまった。大学ではサークル活動でも考案させて……自分のモノとした。



 さてさて今度は私の母の姉妹の事になる。時は文化祭の初日の朝で自宅の居間が舞台になる。お母さん姉妹の考えと私と父の話がずれていたんだな。



「亜衣音。今日のバザー会場は出来ているよね、澪も張り切っているのよね。」

「お母さん忘れていたの? バザーの商品はもう売り切れて開催は無いよ。それにお父さんからは三万円の配当金が出たでしょうが。」

「それ、どういう事よ。」

「未来が全部買い取る事になったのよ、そこはお話しましたが。」



 この会話を聞いたお父さんが慌てだした。


「亜衣音、沙霧と澪さんがバザー会場を手伝うのは本当か!」

「えぇ一人ずつしか出来ないから交替でするからと言ってました。」

「沙霧、そうなのかい。」

「えぇそうです、とても楽しみにしているんですよ。残りは私と澪で売りますが亜衣音もお手伝いをお願いね。」

「お母さん。もしかしてまだバザーの商品があるの?」

「そうよ、まだ妹たちの分が在るのよ。これも直ぐに完売かな。でも未来ちゃんには売らないからね。」

「へ~そうなんだ。きっと未来は驚くだろうね、お父さん。」

「そうだな……。」

「あ~そうだ沙霧。澪さんを呼んで来てはくれぬか。バザーの商品の代金の件だがまた相談がある。」

「いいわよ楽しみだな、ワクワク……。」

「あ~~沙霧。俺も行く。」

「そうね亜衣音ちゃん、娘をよろしく!」

「え~妹だよね。」

「どっちだって同じじゃん!」


 私が知らない処でバザーの商品の代金の、お母さん姉妹の取り分が決まっていったのだ。前回と同じ各三万円だそうでお父さんから事情を聞いた姉妹は、自分らの取り分を確保したいが為にバザーに期待を掛けるのだが……。売り上げ目標は最低でも七万だそうだ。


 いざバザーを開催たら商品を見た未来が動かなくなった。これに困ったのが初日担当のお母さん。


 この品物を見た未来は「後日の支払いでお願い、全部売って下さい。」と懇願していたが、もうお金は無い。無論今朝の百万で父からは打ち切りにされているから、数体の人形を買って後はもう指を咥えるしかなかった。しかし藍にはタンマリとお金が有るからとさすがに躊躇していたら、お母さんは十円にしてくれた。


「これ、お幾らでしょうか。」

「貴女、藍ちゃんね。そうね、十円でいいわよ。……未来ちゃんはダーメ。」

「うぐぅ~。」

「妹の真似をしてもダメだからね、四十円でいいわよ。」

「買った! 全部で五百分を頂戴。」

「はいはい毎度~あり~。」


 でも未来はまだまだ買いたそうにしている。私がうっかり口を滑らせると軍鶏シャモのようにくちばしで突くが如く、私の財布を狙いだした。軍鶏=ニワトリの種類


「これはシシャモを買う代金だからね、ダメなのよ。」

「シシャモならば家から沢山持ってくる。だからお金を貸して下さい。」

「え~ダメだよ。大地のお小遣いも含んでいるし、大地のお夜食代もあるし、私のお小遣いのアンミツ代も必要だよね。」


「私アンミツ食べなくても平気だから。お夜食も我慢するわ。」

「でも大地は育ち盛りで夕食だけでは足りないのよね。」

「亜衣音ちゃん……お願い?」

「うぐぅ~。」

「分った、もう頼まないもん!」


 未来はそう言って校庭のグラウンドの方向へ走っていった。


「ママがこんな物を売るから悪いのよね。どぉ? 久しぶりの文化祭、面白いかな。」

「うん凄く楽しい。だってお母さんの時は戦争だったでしょう? だから物は無くてね未来に跳んで集めていたのよね。」

「それで購入資金はお給与で足りたのかな。」

「それがね、クソジジイがお給与を少なく出すのもだから足りなくて苦労したわよね。」

「へ~それで内職してたんだね。」

「そうね世直しだから私が……正義なのよ。アハハ……あ~来たわよ。」

「え?……え、大地が未来に手を繋がれているわ、未来め~!」

「亜衣音……怖いわよ。それよりも亜衣音、妊娠三ヶ月なの? さっき聞いたわよどうなの?」

「え、あ、あれね、ウソです。だって美歩が大地に色仕掛けで迫るから逃げ口上でした。」

「あら残念ね。孫が欲しかったわ。来たよ逃げるの?」

「亜衣音ちゃんさ、私がなんなのよ。」

「美歩の事よ。」

「大地くんを連れてきたわ。さ、大地くんお願い。」

「亜衣音、未来にお金を貸してやらないのかい?」

「だっていつ戻ってくるか分らないのよ。大地も空腹でいいのかしら。」

「良くは無い。だが少しは貸してやれよ。な?」

「ヤダ! でも大地がどうしてでもと言うのならばいいわよ。幾らでしょうか。」

「うん五千円で!」

「それだけね、いいわよ……はい。」

「亜衣音、俺は曳き馬に逃げる。ま~頑張れよ。」

「うん大地も?……え、……お母さん。え、え、え、」


「亜衣音、あんた幾ら財布に入っているのよ。見せなさい。」

「これは部のお金です、お母さん。」

「ほ~馬術部のお金は穣さんが管理していますよね、それがどうしてかな?」

「う……昔の家計の残りです。だって毎月のお小遣いは少ないですのも、大地の夜食だって必要でしょう?」

「そうね月々は少ないかな、でも……んまぁ、四万と五千円も……!」

「未来……ばか!」

「亜衣音……ガンバ。」


「これはこの前の暴走族から頂きました。だって差し出してくれたのよ、くれたのよ。」

「二度も言うのね、あ~母娘の血筋かしら。もう二度としないと約束なさい。」

「はいお母さん。もう二度と致しません。」

「そう……良かった。……未来ちゃん。これ使っていいわよ。」

「わ~ありがとうございます。亜衣音さんのお母さん。」

「み、み、未来。だめ~大地との約束が出来なくなるよ。たこ焼きとね、」

「ほほう……デートですか……いいですね~。」

「だって、未来ちゃん。」

「おばさん全部叩はたいて買いますのでよろしくお願いします。」

「えぇいいわよ。そうね……半分とこの四点でいいかな。」

「はい喜んで~!」

「まぁまぁ現金だこと。」

「はいありがとうございました。おばさま!」

「亜衣音。何処行くの?」

「大地の処よ、なんで?」

「バザーの商品を売って頂戴、お給金ははずむよ。」

「え、ホンと!……喜んで~。」

「四万でいいわね。」

「うん、……?うん?……?」

「お母さんはタクシーで帰るわ。」

「全部売っておくね。」

「頼んだよ。」


 その後も未来はどこからともなくお金を借りてはバザーの商品を買い足していて、お昼には無くなってしまった。


「未来~この前からよくもよくも……もう困って笑うしかないわね。」

「ウフフごめんなさい。キッチリお返しいたします。」

「もういいわよお母さんもそのつもりなのよ。でも私の五千円は持ち逃げされて少し不愉快だよね。」

「若くて素敵なお母さん。羨ましいな~。」

「未来ありがとう。」


 私は何だかスッキリとした気分になった。


「亜衣音ちゃんはお母さんから上手く喝上げされたわね。」

「あ!……そうよね、いいわよ母娘だもの。」

「するとお母さんは喝上げの常習犯だったのかしら。」

「え?……そうかもしれないね、アハハ~、」



 グラウンドでは馬の二頭で曳き馬をしている。立花の双子が馬の曳き役で大地は台に乗って上手に女生徒らを馬に乗せていた。すると美歩は会計なのだろうか。しかし馬術部としては小学生やそれ以下を考えての曳き馬なのだが、どうして小さい子供が居ないのだ……。平日のお昼前でした。


 美保のエプロン姿が好評らしい。立てロールの髪型が砕けて長い髪をふんわりとさせている。それにスカートのベルトの部分を三回も巻き込んでミニスカートにしているんだよ、加えて可愛いエプロン姿……学校の男子を虜にしたらしい。お化粧は薄めになったしピンクのリップクリームが効果を出しているだな。



「ねぇ未来。美歩は一段と可愛くなってきたようだね。」

「褒めすぎじゃないかしら。」

「いいのよこれ位は……リップサービスなんだからさ。」


「そうね、あのツンとしていた生徒会会長の時よりも綺麗になったわ。」

「それよ意味が判らなかったけど、美保は裏ボス的な実質の生徒会会長なんだって?」

「あ~偶に呼ばれる生徒会の会長呼ばわりよね、どうも会長が美保に頭が上がらなかったらしくて、知る人ぞ知る笑い話になってたみたいよ。」

「あ~なるほどね~やっと意味が判ったわ。だからお父さんも生徒会を辞めてどうたらと言っていたんだね。」

「そうか~立花のお父さんが生徒会で頑張るように発破をかけていたんだね。」

「だって噂では美保が主席の座を勝ち取っていたんでしょう? だったら尚更よ。」

「噂よね、実は私が主席だったらしいのよね。」

「うんうんうそよね。」

「杉田先生から聞いたモン、間違い無いモン。」

「うんうんそうよね。」

「……?」


「それであの男の子は誰かな。少し格好いい人。」

「あれが美歩の許嫁なのよ、親が決めても美歩は気にも留めていないみたいね。あれでは問題が起きないかな、だって大地くんに鞍替えでしょうが。」

「大丈夫っしょ、大地は強いからね。」


 八州連合の欣ちゃんが来ていた。美歩に言い寄って……次は大地に挑む。


「あ~ちょと大地くんを掴んでいるわよ、亜衣音。」

「そうだね、行こうか。」

「あ~投げられた!」

「わ~凄いな~、」

「でも大丈夫かな。」

「馬から落ちた程度よ気にしないでいいわ。あの欣ちゃんはもう大地の子分だよね。」

「うっ……そ……!」


 眼を大きくして未来が呟いていた。あっという間だからか喧嘩にも見えていなので騒ぎにもならない。


「あ~い、音ちゃん。あの人は土下座して居るわ……。」

「うん急ごう。」


 私が駆けつけて大地に訊く。


「大地、何しているのよ。」

「あ、良いところに来たな。お前が好きだとよ。」

「え?……ウソ!」

「亜衣音さま、どうか関東八州連合のボスになって下さい。お願いします。」

「亜衣音ちゃんなっておしまいよ。わ~ボスだよ凄いな~!」

「美歩なにを言うのよ、嫌ですよ。」

「ボス!」

「え、……えぇ~!?」



「大地、お手!」

「ワン!」

「大地、たこ焼きを二パック。」

「ワン!」

「大地、二つだよ。分るよね。」

「ワン!」

「だ~い・ち!」

「ワン、ワン。」

「良い子・良い子。」

「ク~・ワン!」

「大地、デートは終わりよ。」


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