第76部 学校……動乱
*)美歩のピンチ……学校のピンチ?
「亜衣音ちゃん、ごめんなさい。」
「え”!」
「私の心は大地さんをお見かけした事によりこんなにも乱れております。このままでは私の心は湖の波紋のように広がってゆき澄む事がありません……。」(済みませんの語源に当る意味です)
「私に一蹶不振なんてあり得ませんわよ。」(一度の失敗で挫折すること)
「ヤ、やめろ~俺は亜衣音一筋だ~。」
「いやよ、美歩やめて~……お願い大地は私のものよ、もう離れて頂戴よ。」
「ヤダ!」
「うぐぅ~。」
「バコ~ン!」
私は美歩の勢いに呑まれてしまって美歩を止める事が出来なかった。大地は声では嫌がっているのに身体が拒否していないのよね、バカ大地が! とうとう大地の口は美歩の口で覆われてしまった。私は美歩を叩けずに大地を叩いたのには、私の大地への嫉妬よね。悪い美歩を叩けばいいのに女って複雑だよね。
私は涙目を通り越して泣き出してしまった。
「大地のバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカバカ。」
「亜衣音さん、疲れましたか?」
「うぐぅ~……美歩、あんた私に喧嘩売ってんの? コロされても知らないよ。」
「はい、いいえ、決してそんな事はありませ。ですが一生の思い出を頂きました。ありがとうございます。まだお願いがあるのですが私は処女ですのでせめて女になって死にたいと、つい思いつきで、その、お芝居をさせて頂きました。」
「やっぱ、芝居だったのね、それに大地が目的だったと。」
「はい、校舎の前庭で貴方たちの騒動が起き出してそれで大地さんを意識しだして、いつも見張っていましたら、その、もう大地さんを好きになってしまって、だから、」
「大地のバカ。私をピエロにする気なの? もう嫌い!」
「亜衣音、落ち着けよ。俺だってどうしたらいいのか判らん。」
「言い切るな! バカ大地、アホ大地。ハッキリと美歩を拒否しなさいよ。もう今晩は覚悟しなさいよね。」
「……ゴメン。」
「亜衣音さん私を殴って下さい。この顔はもうどうでもいいのです。私の身勝手にお二人を巻き込んで……済みません。エ~ン……、」
美歩が意味深な事を言い出して泣き出してしまう。処女喪失とか私には理解が及ばない。同情しても大地は貸せないよ!
「美歩、これを飲んで、美味しいわよ。半分に薄めたから大丈夫よ。」
「なんですか、これは、」
「先に飲みなさい。きっと心が晴れやかになる魔法の水です。飲んだらベッドの上でお休みなさい。」
「そうですか……味が判りません。ゴクゴクゴク・・・。グピ~、」
「うぃ……っ!」・・・「キュ~!」
「ねぇ大地。このお嬢さんは誰でも良かったのかな。美歩を助けに来たおじさん以外の若い男だったらね。」
「そう言えばお義父さんの事を『おじさんは嫌いよ、来ないで』と言ってお義父さんを拒否していたな。」
「やはりね、どうしてなのかな。普通の女子高生はおじさんを好きだよね、お小遣いを沢山貰えるから。」
「おい亜衣音さんは援交擁護派かよ、これはこれで問題発言だぜ。」
「私もお小遣いが欲しいよ!」
「亜衣音、これに何を飲ませた。」
「これね半分に薄めた消毒液だよ、金額が高いから美味しいと思ったのよね。」
「半分?……ブランデー以上のアルコールだぜ、どうする。」
「いいわよこれ位は、事後処置もお父さんに丸投げね。」
「おい亜衣音。逃げようぜ、もうじき親が来る頃だろう。さもないと俺らがコロされるよ。」
「ピヒャラホラ、ピヒャラホラ、ピヒャラホラ、」
「大地、もう大量で来たみたい。どうしようか。」
「ピヒャラホラ、ピヒャラホラ、ピヒャラホラ、」
校庭に数台のバイクが走り込んできて、あの独特の警報音を鳴らしてグラウンドを走行しだしていた。これはどう見たって美保の保護者ではないよね、美保にお兄ちゃんが居るなんて聞いてもいないしさ。
「関東九州連合かよ、シャレにならないぜ。美歩は銀地郎のスケかよ、」
「思うに違うよ、きっとあの日にたまたま攫われたとか!」
「よせよ攫われたとか縁起でもね~ぜ。もうこうなったら警察沙汰だな。」
「ピヒャラホラ、ピヒャラホラ、ピヒャラホラ、」
「ピヒャラホラ、ピヒャラホラ、ピヒャラホラ、」
「こら~美歩という女を連れてこい、ここに居るのは判っているんだ、早く出しやがれ!」
「ピヒャラホラ、ピヒャラホラ、ピヒャラホラ、」
「もう五月蠅いわね、喋るか鳴らすかどちらかにしてよね。」
「亜衣音ちゃん。」x4
「亜衣音先輩。」x2
「なによ、どうしたのよ。」
「それがね野郎たちがバットを持って美歩さんを探しています。先生は警察に連絡をしたからと言って、もう逃げているしどうしますか。」
「皆も逃げよう、美歩は……部員なのよね置いては行けないね。大地、抱っこしてもいいから逃げようか。」
「……そうしよう。」
大地は逃げる道筋を考えているようで返事が瞬時に返ってこなかった。大地は大きく眼を見開いて、
「学校の塀を越えて……北東に一キロは走るぞ。」
「うん判ったわ、貴女たちも早く教室へ戻りさい。ここに居たら怖いお兄さまが殴り込んで来るわよ。」
この時点で校舎のあちらこちらで窓ガラスが割れる音が多数聞こえる。今回は私の所為じゃないからね、断じて違うんだからね。
「早くしよう、学校のピンチよ壊れてしまう。」
「お前らは~ここで寝ていろ。」
「はい、でも多過ぎですよね。」
「重なって寝てろ、人数は半分になる。」
「そんな事出来ません。」
「大地先輩。気を付けて下さい。」x2
「私には無いのかな。」
「亜衣音さま、」x2
「亜衣音、」x2
「ケッ、バカバカしい。」
ここは一階の保健室で私たちの三人は窓から出て行って、身を隠す様にして庭木と校舎の間を抜けて走った。「先輩、ガンバ!」と言う応援はもう聞こえない。グラウンドではまだバイクが走っているし、それから道路に出たら車は十台以上が駐車しているのが見える。……やばいよ、大地。
「亜衣音、人数がどれだけか判らないぜ、逃げ切れる自信はないよ。」
「ピヒャラホラ、ピヒャラホラ、ピヒャラホラ、」
「ピヒャラホラ、ピヒャラホラ、ピヒャラホラ、」
「アハハハ……そうかも知れない。北東に向かうのよね。」
「急ごう……警察署が在る。」
私たちは学校から出て北に向かう直線道路で敢えなく見つかってしまい、私は世田谷桜公園へ逃げ込む提案をした。
「大地、逃げて。私はこの公園で追っ手を防いで見せる。大きな魔法は遣えないけれども逃げるのには有効かもしれないよ。ね、そうしよう。」
「そうだな、俺も車やバイクが増えたら逃げ切れないよ。」
「大地、」
「うん、亜衣音。上手く逃げろよ。」
私はまた道路に戻って見えるように走り、大地は東の道を選んで走った様子だ。
「美歩はスマートだから、走るのはこんな感じかな。」
追ってくる男としたら逃げる女がターゲットになる。美女を見つけたら追うに決まっているはず。私は後ろをチラホラ振り向いて走るがもう疲れて走れない。どうしよう……。
「こうなったら公園よ、また隠れるのよ。」
私は先に見えてきた公園を目指して走り、どうか犬の糞がありませんように……そして薮に飛び込む。
「エアー・ドライヴ!」「ガサガサ……ドン、イテ!」
私は上手く隠れたと思うがどうしても大地が気になる。気になりだしたらもう止まらない。
「大地、大地見つかっていないよね。大地、一キロ先は遠いよね、いくら何でも大地でも重い女を抱えて走れないよね。」
「大地~~~!!」
「おい、ここだ、この薮の中だ!」
「ボス! 見つけました。」
「あ、ドジった。見つけて貰ったわよね。」
「おい、ここだ。お前は向こうへ回れ……、」
「いいぞ~追い出せ!」
「おう、こいつか……違うぞ。」
「ヒヒ~ン!……ブルル……。」「ブフッ!」
「ギャ~馬だ~馬が出てきた~、」
「逃げろ~、」
「クロ、少しだけ蹴散らすよ。」
「ブフッ!」 「ブヒヒ~ン!……ブルル……。」
「逃げろ~、」x7
「クロ、あの男を追って、捕まえるわよ。」
「ブフッ!」 「ヒヒ~ン!……ブルル……。」
「ありがとうクロ。次は大地を追って!」
「ブヒ・・!」
「もう、クロ真面目に!」
「ブ!」
「クロ、跳んで、大地の処よ!」
「逃げろ~、」x4
「シャラシイ……、バコ~ン!」 「ギョエ!」x3
「へへ~ンだ……。」
私は必死に逃げる大地の前に出る事が出来て良かった。
「良かった大地。見つけた。」
「おう、待っていたぜ。なんだこの不細工は。」
「これはたぶんボスだよ捕まえてきたのね、後でお仕置きしてあげるの。」
「亜衣音、趣味が悪いぜ。」
「ふ~んだ!」
「ここでは隠れては居れないからクロで突っ切る。」
「大地、今クロに乗せるね。」
「エアー・ドライヴ!」
私は両手を開いて大きく上に伸ばして叫んだ。すると強い風が大地と美歩の周りに纏わり付いてゆっくりと二人を持ち上げる。
「エアー・シュート! 乗れたわね。クロお願いね。」
「ブフッ!」
「クロ、行くぞ!」
「ヒヒ~ン!……ブルル……。」
「間に合って良かった、私は不細工な改造車を可愛くしてあげるね。」
私は色白で無表情の、鬼夜叉の仮面のような顔を作って、
「エアー・ショット!」
私は右腕を伸ばして叫ぶと空気弾のような攻撃だ。これで前の二台はお釈迦になった。
「エアー・イン・パクト!」
私は左腕を前に向けて叫んで、突風の攻撃でお釈迦の二台が大きく吹き飛ぶ。
「エアー・ショット!」
私は右腕を伸ばして叫んで、中程の二台を吹き飛ばしてお釈迦にさせた。
「エアー・ドライヴ !」
私は両手を上に挙げた最大の風魔法だ。私の上に強い風が渦巻き、それから腕を前に倒した。横向きの竜巻になって残りの車を全部をお釈迦にしてしまった。
「うわ~どうしよう。私も逮捕されちゃうね。……逃げよっと!」
「これならば最速で走れるわ……エアー・ドライヴ、」
そうこうしている内にパトカーのサイレンが多数聞こえて来て、そうして無事に私は学校に帰る事はできたの……でも大地の無事がとても気になる。
「道路交通法違反です署に来て下さい。乗馬に二人乗りも違反対象です!」
「も~あり得ない。」
道路のスクラップ車は回収されて伸びている暴走族の男も回収されたもよう。学校でもたもたしたバイクは押収され男たちは逃げてしまった。
「亜衣音ちゃん無事で良かった。」
「なんとかね、沢山学校が壊されたね。」
「亜衣音、怪我は無いよね。」
「大丈夫よ、でも走り過ぎてもう立てないかも。」
「おら~お前らベッドを空けんかい!」
未来は一年生を怒鳴ってベッドから追い出し、眞澄はヒィ~と言いながら起き上がって私にベッドを譲ってくれた。こんなドスの利いた声は初めてよ……誰のキャラかしら。
「未来、キャラが変ったの?」
「そうかも知れないな。」
「亜衣音ちゃん、未来は脱走して亜衣音ちゃんを追いかけて行ったのよね。でもね直ぐにエヘヘ……と笑って帰ってきたわ。」
「心配してくれたんだ未来ちゃんは……嬉しい。アンミツ食べに行こうか!」
「いいわね、うん行こうか。」
「さんせ~い!」x5
未来の事だからラノベを書くその取材感覚だとは思う、でも言わないでおくからね。
「大地くんと美歩の二人はどうなったのよ。」
「大地は道路交通法違反で逮捕ね、美歩は未成年飲酒で補導かな!」
「え~そんな~ウソでしょう?」
「もう学校は臨時休校よね、部室へ行こうか。」
「うん、行く!」x6
「あ、待って! 捕まえたボスの折檻が先よ。事情とやらを聞出すのよ。」
「うんうん、」x6
私たち女の子の七人で男を囲んで嬲りモノにしてしまった。「女男女」という漢字が無いのはどうしてか。そうして事情を聞いて、後はまた美歩にチョッカイを出させない約束で解放してやった。眞澄は女の子の七人にとうとう含まれてしまった。
「女のケツ断力は最高よ! 七個も揃えば最凶かしら?」
裁縫の得意な未来は男をモヒカン刈りにしていたし、一年生は何やらモフモフとしていたな。何をかな~! 藍ちゃんだけは引き気味だったが双子ちゃんが一番ボコボコと叩いていた。
私? 私はなんだろうね、秘密。
「さ、*****入ったわ!!」
「え~亜衣音ちゃん、それはいいのかな~。」




