第53部 人狼……田中 大地
今回はとてもHなシーンです、説明書きという無粋な行は入れませんでした。会話が殆どです。大地くんは落ちました……亜衣音の勝利です。
私は夜中にモゾモゾとホロお婆さまに服を脱がされていて、それに同じく大地もだった。その服は何処へ……。
*)全力全快な私は
「……亜衣音さん?……。」
「ねぇ大地、キスしようか、」
「ふん……?」
「だから、キス。大地が寝覚めたらキスするの!」
「あ、ここはどこだ、俺は誰かな、君は……わ~なぜ俺はお前と寝ているのだ、アワアワ・まワ・っワ・ぱワ・だ!……。」
「大地、もう泡を噴かないでくれるかな、……大地?」
「亜衣音、どうやら大地くんはまた気を失ったようじゃな。(狸じゃな)」
「ホロお婆さま。まだそこに居らしたのですね、もう恥ずいですよ。」
「ホ~ッホッホ~、直ぐに起きるじゃろ。うんとがんじがらめに抱いておけ。さもないと……。」
「さもないと、なによ。」
「恥ずかしゅうて逃げ出すじゃろな。」
「うんそうする、こ~ギュ~ッと、ね!」
「苦しいよ亜衣音さん。……柔らかい。」
「もう亜衣音でいいわよ。親も公認だからね。私達、喜んで、夫婦になったのよ、うん、大地は嬉しい?」
「え? なにそれ、俺は知らない、お前は嫁か! アワワアワワ……。」
「そうよ、私はとても嬉しいわよ。」
「亜衣音、大地くんを立たせておやり。もう傷はすっかり治っているよ。」
「だって寝たきりの危篤で、明日には死ぬとか言ってませんでしたかね。」
「おや、そうじゃったかのう覚えておらぬわい。ホ~ッホ、ホ。ワシは寝る。」
「お婆ちゃん違うよ、澪お姉さまだよ。」
「なんじゃ澪霧か、ほんまやな。」
「亜衣音ちゃん。起き・た・か・かな~……あ・あ・あ・あ~。」
「はい先ほど起きました。大地も良くなっています。」
「亜衣音ちゃん。そのう……裸ですよ……。」
「え!……いや~ん、大地、見ていたわよね。」
「はい、胸もモミモミしてました。」
「澪霧も知っているだろう。巫女の夫の成り立ちは、な、」
「それ位知っています、が……初めて見ました。本当に直ぐに治るものですね。」
「恐らくはギリギリに助けられたのだろうて、先生が言っていたな~。」
「まぁお婆ちゃんったら自分で言うから可笑しい。」
「あ~そうだ、お婆ちゃんはお仕事の時間ですよ。亜衣音ちゃんの両親にはごまかしておきますから、怒られない内に逃げて下さい。後は私が看病の必要は無いのだけれども、メンタルな部分で補足しておきますよ。」
「そうかえ、よろしく頼む。あ、あ、亜衣音。娘っこにはよろしく言っておくよ。安心しな。」
「お婆ちゃんには無理だよ、だっていい加減だしね。」
「亜衣音、何か言ったか!」
「いいえ。もう知~らない。」
「亜衣音……早く服着ろよ。」
「うん、そこで見ていてね。」
「こ~ら亜衣音ちゃん。大地くんをからかわないのよ。ウブで弱いのだから。服はお母さんのネグリジェを持ってきているわ、着るよね。」
「あは~その前に、……大地、だ~い好きよ!」
「うぎゃ~澪霧さんだじげで~!」
「ウフフフ、か~わいい!」
「ねぇ澪お姉さま。明子姉さんには判らないよね。だって巫女ではなしからさ。」
「そうね~怪我が治っているのならば、教えてもいいかな。」
「なんだよ俺を誰に会わせる気だよ。学校に行くよ。」
「大地くんはまだ入院です、亜衣音ちゃんから離れたら大地くんは生きていけなくなるよ。もしも大地くんが死んだらね、亜衣音ちゃんは自殺するかもよ。」
「俺が自殺したいくらいだ。なんでこいつと夫婦なんだよ、可笑しいぞ。」
「ふふ。大地くん。君はもう私達と家族になったから、亜衣音ちゃんと同居、いいえ同室だよ。家においで?」
「……それ、どういう意味だよ、俺にも家は在る。」
「大地くん、真面目なお話よ。貴方は亜衣音ちゃんの輸血で今は生きているのよ。昨日の夜に緊急輸血をしてね、大地くんを治したの。だから亜衣音ちゃんの血が大地くんの血と交わるまでは、亜衣音ちゃんの巫女の力の加護を受ける必要があるのよ。今は理解できないでしょうが、これが事実で現実なの。」
「いや、そう言われても判りません。」
「亜衣音、やっておやり。」
「うん、これで…判る……からね。」
「うぎゃ~イテ~。」
「お前、俺を殺す気か!……噛みつくな~。」
「ほら見て、もう傷が治っている。これが私の巫女の力なの。私と最低でも十日間は過ごさないと、また傷口が開いて重傷になるらしいわ。」
「大地くん立ってみて。この鏡に後ろ姿を見てみるといいわよ。刺された事は覚えているわよね、その傷はどこかな。」
「うぎゃ俺も裸かよ、判っていたが恥ずかしいよ。本当ですね、……もう痕もありません。」
「亜衣音ちゃん、今だよ。」
「うん、大地、愛してる。」
「う……ん、俺もだよ。キスしていいか。」
「勿論よ、先に澪お姉さまを追い出してね。」
「はいはい、また来ます。」
「澪お姉さま、ありがとうございます。」
二人きりの病室になった。表の札は『面会謝絶』澪お姉さまが掛けていく。
「大地、私を怒って、嫌われてもいいわ。でも私を信じて欲しい。」
「なにを言っている、俺がなんだというのだい。」
「大地。大地は私と同じ『人狼』になった、いいえ私が『人狼』にしてしまった。許して貰わなくもいいの、嫌いになってくれてもいい。大地は『人狼』にされたのよ。ねぇ大地……私を怒って!」
「亜衣音『人狼』ってなんだい。怪我しても死なないのか、この俺が……か、それはあり得ない。俺……は、どうすれば……。」
「大地、ごめんなさい……。」
「亜衣音、俺……、」
「なぁに大地。」
「腹減った!」
「うぐぅ~大地のバカ!」
「コンコンコン。」
母が来た。
*)亜衣音を貴方の妻にして下さい
母は無言で大地の前に跪いた。というのか正座した。
「どうか、亜衣音を貴方の妻にして下さい。お願いします。」
と、言うなりぺこりと頭を下げた。私は未だに服を着ないで裸だったが、私も直ぐに母と同じく正座して、
「大地、私を大地の妻にして下さい。」
と言うなり同じくペコリと頭を下げた。母は私の裸を見ても怪訝な顔はしないで堂々としていた。だから私は少しも恥ずかしいとは感じなかった。
「いえ、そのう……亜衣音さんが言っていた事は本当ですか、でも私にはその資格は有りません。私には家族はありませんし身よりも有りませんので、亜衣音さんにはその……俺なんかふさわしくありません。どうか他の人を探して下さい。」
「いいえ、この子がしでかした事とはいえ、大地くんを『人狼』にしてしまう選択をしてしました。これは家族の総意でございます。どうかお許し下さい。」
「どしてこうなったのでしょうか。先ほどは冗談だとは思いましたが、危篤とか言われました。」
「えぇ恐らくは事実だと思います。大地くんが流した血が多すぎて、脳に血が不足していたと聞きました。ですから良くて昏睡、最悪で死亡という、過酷な言葉で先生から聞かされた時にはもう、どうしたらいいのかご両親になんとお詫びを申してよいのやら、と思い悩んでおりました。」
「それで私を死なせない為に亜衣音さんの血を輸血して、『人狼』にしてしまったと言われるのでしょうか。」
「はいそうです。それ以外には私達が救われる道がありませんでした。これは大地くんを救うという意味とは大きくかけ離れた、私ども家族のエゴでございますので、ほか謝ることしか出来なくて心苦しくて……。」
「ですが亜衣音さんを手伝ったのは私で、怪我も私から望んで受けたような不注意です。お母さんから謝られる事はありません。」
「大地お願い、両親は許してあげて、怒られるのは私だけでいいから。私、大地に恩返しと罪滅ぼしをしたい、ううん、どうかさせて下さい、お願い。」
「私はこうやって生きています。死んではいませんので謝辞だけは受け取りますが、そのう~家族とか夫婦とかは勘弁して下さい。」
「亜衣音、澪からは聞いていますよね。」
「はいお母さん。私からも説明は致しましたが、こうも現実離れというのか、信じてもらっていませんでした、お母さんごめんなさい。」
「まぁ可笑しな子。亜衣音は私の娘ですよ。それに大地くんから綾香と彩香を助けて頂いたのも事実。亜衣音、」
「はい……なんでしょうか。」
「やってお仕舞い!!」
「え~!!……いいの?」
「いいのです。二人の着替えは紙袋にありますが持って帰ります。食事は後ほど……に!」
「え~亜衣音さんのお母さま、それはあんまりですよ。私は身分が低い下民の息子です。からかわないで下さいませんか。」
「人狼はもっと低い身分ですよ。だからお願いします。亜衣音を嫁に貰って下さい。」
「あの~お母さまも、そのう~人狼なのでしょうか。」
「はい家族は皆、巫女という人狼です。穣さんと白川の両親は違いますし、明子は不明ですが産まれた双子は間違いなく巫女として呪いを受けて誕生いたしました。どうか亜衣音を嫌いにならないで下さい、これは家族みんなの願いで御座います。」
「それでさっきも言いましたが、私には身よりがありません。多分そうですよね、お父さんが教頭先生ですから家を調べてありますよね。」
「大地。私は知らないよ初めて聞いたのだよ。皆は知らないよ。」
「大地くんどうか私達と一緒に暮らして下さい、お願いします。」
「……えぇよろしくお願いします。でいいのかな。」
「うんそれでいいのよ。大地、私は嬉しいよ。」
「お義母さん服を下さい。もう恥ずかしくて、それに亜衣音さんの胸も沢山拝見いたしました。」
「まぁ亜衣音はなかなかやるわね、見直したわ。」
「お母さん。服……。」
「あ、これ、これは茶菓子だけ……なのよ。直ぐに澪が持ってきます。買い物は済んだと思いますよ。」
「お母さんご飯……。」
「あご飯よね、直ぐに用意します。大地くんはもうペコリンですよね。さっきからお腹が鳴っていますから。」
「いや~母の私はどうしまひょ、恥ずかしくなりました。亜衣音ちゃんお風呂に入って下さい。もう三日にはなるでしょう?」
「クンクン、そうだね大地、入ろう!」
「どうして恥ずかしいから、そのお風呂になるのですか、私は一人で入ります。」
「亜衣音、入院中だけですよ、いいですか!」
「はい頑張ります。」
「亜衣音さん、どういう意味でしょうかぁ~、」
「こういう意味です、大地、Hしよう!」
「うふふふ……。今晩は初夜だね、ガンバ!」
「んな訳……あるか~~~……!!」




