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人狼と少女 垣根の上を翔ぶ女 亜依音  作者: 冬忍 金銀花
第十三章 リフレイン……可逆の籠絆(ろうはん)

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第211部 プロローグ ……二十九年前

 全ては架空の物語ですが、一部は事実に即して書いております。実名は変更すべきなのか……?


 1942年9月20日 日本・東京

 


*)二十九年前


 此処に一人の男がいる。名前は「井上史朗」という道楽息子で所謂、大企業の御曹司だ。今は元御曹司と言う方が正しい。


 家業は父親が満州に出て事業を始めて、一代で複合の大企業へとのし上がっただけの成金とも言える。運も味方したからか、鉄鋼、造船、鉄道、デパート、建設、最後は金融で大儲けをしていた。日本軍の上層部に忖度して袖を伸ばし、挙げ句は日本という国家にも触手を伸ばして成功していた。


 日本は第二次世界大戦前から国家よりも陸軍の方が権力を持っていた。これが不幸の始まりなのだが、当時としては陸軍に意見申す事はほぼタブーだった。



 現日本首相が陸軍の出身だった事も良かったのだろう。満州のインフラ整備を一手に受注していて、軍の御用達の直前まで話が進んでいたという。


 家業は親父と一郎、次郎、三郎の四人で順調に行えていたからか、井上史朗としてはぶらつくだけで良かったという。微妙に名前が上の三人と違っているから出自はどうなんだろうか。


 この男は東京大学をほぼ主席に近い成績で卒業していた。ドイツ語にも堪能でいた所為か、それと大学時代のサークルの写真部の所為なのかは定かではないが、放蕩癖が強い性格でヨーロッパへと写真撮影の旅行に出たのだった。


 ドイツでは日本人という事で、それも日本国の推薦もあってか自由気ままに写真撮影の旅行が出来ていた。飄々とした性格もあるのか、ヨーロッパでは敵対する人物にも遭遇しなかった。


 翻って言い方を変えればバカ扱いなのかもしれないが、それが功を奏したとも言えた。いやいや東大の首席級なのだからそれが作戦だと解釈すべきだろう。


 戦争報道カメラマンという入れ知恵をした男がいて、危険を押して戦場を歩いき色々な街や村までも写真に収めていた。勿論、東欧ばかりではなくて北欧にも足を伸ばしながら。


 旅費や写真に関する出費は勿論のこと、生活費に到るまで親父に電話一つでお金を援助されている。


 いや~何とも羨ましい男だろうか……。洋行で多くの人々と接して知見を広げて、ドイツ軍の上層部にも顔が利いて戦争の行方にも詳しい人物となっていたのだ。


 ドイツ軍の上層部に連れられて各地を巡り、そこで見聞きした事を写真に収めて新聞社への売り込みも出来ていた。


 在る日、ポーランドの村で遭遇した男の写真撮影をしていた。日本人の捕虜だったからか、それとも何かが気になったのか、数日に亘って撮影を行っていた。モンゴル系の女も居たというから恐らくは女房だろうか。


 日本人の捕虜はとても大きいな男だった……とか。



 1945年9月、ドイツ軍も敗退してので故郷の日本の東京へと帰る事となった。それも、とても残念ながら捕虜扱いだったとか。膨大な写真類は勿論GHQへの貢ぎ物と化していた。


 膨大な写真類は勿論GHQへの貢ぎ物……が、マッカーサーの目に留まり井上史朗の人物照会が日本国へとなされた。捕虜として帰国した井上史朗が日の目を見ることに繋がったのだ。



 日本も敗戦に伴い満州から多くの復員らに混じって家族も帰国していた。それも殆どが無一文という有り様でだ。ここでの家族はさして重要ではないから登場しない。東京に戻れば本社も存続していて、それなりの資金も在ったはずなのにそれらはGHQによって接収されたとか。何でもこんな日本寄りの危険な母体の産業を生かしておいては危険だと判断されてしまった。


 所謂、財閥解体に遭った形だが没収とはあんまりだったらしい。親と兄貴らの四人は、そう拘留されてしまいそのままにされたらしいのだ。井上史朗にとって体のいい人質にされたのだ。



 井上史朗の心は怒り心頭に発す……、GHQ、いやアメリカを目の敵にして何れは一矢報いてやろうと心に決めた。敗戦を認めない日本陸軍も同じようにアメリカを目の敵にする人物も少なからず存在していた。石井四郎陸軍軍医中将がその最たる人物で、整形手術をして逃亡を図って未だに逮捕されていないのだ。


 蛇の道は蛇……井上史朗とこの石井四郎が運悪く繋がってしまった。



*)井上史朗……


 この男は頭脳明晰、外国語は数カ国語を話す事ができる人物だ。おまけにドイツに関する知識も膨大だと評価された。誰に……そうGHQの総統にだ。


 マッカーサーは暇閑ひまひまに合わせて井上史朗の写真の内容を尋問していて、その才覚が認識されたとか。唯一ポーランドの大男の写真はドイツに隠しておいたので、このパイプ野郎の目に触れることはなかった。



「井上史朗、お前を俺の秘書に任命しする。仕事の内容は日本と俺との橋渡し役だ。なに通訳が主な仕事だから簡単だろう。」

「いえ、私には荷が重すぎです。」

「お前には親父と兄貴らがいるな……、」

「はい、有り難く仕事の任命を受けます。」

「それでいい。給料は……月に百万を出そう。」


 百万とか簡単に出るのが可笑しい……親父の財産が流用されたとか。この事実も知ってしまった井上史朗は、


(この男の顔面を殴ってトレードマークのパイプを口に押し込んでやる!)と、心に誓って溜飲を下げた。


 GHQの本部に勤務しているのだからアメリカの機密事項も手に取るように判るのだった。目下の仕事と言えば戦争戦犯を見つけて逮捕する事と、日本を統治する手段を検討する事だとか。またマー君の地方遠征にも通訳の仕事で必然的に同行させられていた。


 アメリカのCIAは日本の内閣……自民党へ裏工作を仕掛けていた。自民党に活動資金を提供し、GHQの質問に対しての回答をも用意していたとか。当時の総理大臣は一年間隔で代っていく。極めつけはタヌキの吉田茂が重鎮か!


 この吉田茂とマッカーサーの共通事項で馬が合ったとか、ヘビースモーカーの縁がその共通点とか?……眼が点になりそうだ。パイプと葉巻とは似たり寄ったりか。



 CIAは今で言う処の……統一教会? 的な働きをしていたのだろうか。アメリカが自民党を日本の政治舞台へと引き上げたのだ。こんな裏話が井上史朗には手に取るように耳に目に入るのだった。腹を空かせながら口にパンを咥えて、足でネタを見つける新聞記者の情報とは雲泥の差である。


 手、耳、目、腹、口、足、まだ何かを追加出来ないだろうかと思案したが、ネタ切れか、もう出て来ない。「俺の首が掛かっているから必死になって、」を挿入すれば……首もあったわ~。眉間に皺を寄せて額に汗してもいいだろうか。眉間と額も出て来たな~。重たいカバンを持つから腕が痛い……腕も出て来たよ。ゴメンナサイ。




 石井四郎陸軍軍医中将……は、人体実験のエキスパートの軍医だ。実験の材料は人狼……人狼兵の増産だったのだ。人狼の巫女VS石井四郎陸軍軍医中将の直接の戦いはなくて、ハバロフスクの愚計で戦いは行われていた。アメリカにも飛び火した人狼兵との戦いは東北で一応の終結をみてはいるのだが。



 まだ石井四郎が生きているし、その人狼の種を確保する作戦の頭脳が井上史朗だから始末に負えない。井上史朗には弟が居て名前が井上五郎という……。嘘!



 石井と井上の計画が見事に合致して黒の組織が結成される。


 1971年、今ではGHQからも公務員からも退職して立派な初老の紳士となっている井上史朗。黒の組織では謂わば組織の幹部だ、いや社長だ。石井四郎は会長というところか。人当たりはとてもいいのだが見せる目つきは凍えそうに寒い、鋭い目つきをしている。ポーカーフェイスにも劣らない顔からは何も考えられない位だ。井上史朗の部下は七つの顔を持つ藍の親父と母親と、黒服のサングラス軍団だ。他にも幹部はいるが今はまだ判らない。


 すみません、いつも楽しみにされてあるだろうと勝手に思い込んでおります。


 連日暑い日が続きますので疲れて寝ております。夏バテしないようにと仕事優先で来ましたが、お天気に左右される事から今では……やはり寝ております。少し書きためておいたものを三分割にてUP!


 毎年毎年、どうしてか水害が発生しております。私も一度災難に遭いました。いや~大変だったですね。 皆さまに幸あらん事を!

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