表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人狼と少女 垣根の上を翔ぶ女 亜依音  作者: 冬忍 金銀花
第二章 親子(父と娘)……

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/417

第20部 中間試験……


 1968年5月25日(昭和43年)東京都  


*)成績順位表、は裏側だった?


 私はクロの死で周りが見えていなかった。そんな私を父は許してくれていたのだが、それは大きな理由があったのだ。赤っ恥になるであろう私の****だ。


「あれはもうすぐ壁にぶつかるだろうが、経験させないといけないだろうな。身を以て笑って苦しみやがれ!」


 と言う事だった。私の大きな壁は目の前にあって見えていなかった。


 後日談になるが、父さんに結果の成績順位を教えたら笑いながらそう言われてしまった。最後に付け加えられた一言が、


「ジトメで睨まれたら、何も言えなくなったんだよな。」

「う……そうだったんだ。」


 そうなんだ全部私が悪いと決まっていますアハハ……だ! 笑い飛ばしちゃえ性悪亜衣音。



 さ~お話の始まりよ。


 いよいよ試験開始初日になりチャイムが無っても来ない先生。


「みなさ~ん席に着いて下さい。え~と、遅れてごめんなさいね。」

「起立、礼、着席。」

「職員室で試験用紙を落としてしまったの、それで裏表と逆さまを揃えていました。試験時間もその分長くとりますから皆さん、初めての中間考査ですね、頑張って!」


 クラスの全員が緊張した面持ちで静かにしている。


「では後ろに回してちょうだい。名前の記入漏れは減点百だからね。」

「え”~!!」


 次の試験はもちろんの事、五分遅れの開始となった。あまり無いだろうが恐らくこういうハプニングもあったのも事実だ、いやあったからこうやって書いたのだと思う。



 前日のことだ。


 クラスの男子が昨日黒板に書いていた時間割があって一日に三科目の教科が書かれてあった。その男子は自慢げに宣言していたのである。


「みんな~この時間割で、物理と化学が並んでいるがこれだよ試験勉強がやりにくくはないかな。」

「そうよね、頭がこんがらがるよね。」

「だったら全員の総意という事で試験の時間割の変更を頼んでくる、いいか~。」

「さんせ~い、異議無し~。」

「じゃぁ言ってくる。」


 その男子は見事に時間割の変更を勝ち取ってきたのだった。一方……私は、


「今の宣言はなによ未来ちゃん。」


 不意に私の脳裏に過る不気味な、あることが頭を過ぎっていた、ウソよね……まさか。ここぞとばかりに袖を捲って私に綺麗な顔を近づけてくるから……思わず身を引いた、あ~これは鳥肌ものよ未来の顔が怖いわよ。


「ねぇ亜衣音ちゃんさ、試験勉強は出来たかな、心配しているんだよ。」

「み、未来、ち、近いわ、な~にが勉強よ、ま、毎日しています。が、」

「明日から試験なのよ、でも貴女は……なに暢気に悲しんでいるのかしらね。」

「し・け・ん?……ほぇぇ??」


「亜衣音は大物よ、この藍が保証してもいいわ。」


「そう、中間考査ですが本当に勉強したのかな。」

「ううん全然、すっかり忘れていたわ。どうしよう、」

「どうしようって、今晩は徹夜だね、いや終わるまで毎日よね!」

「うぐ~……そうなるのよね、明日の朝は四十歳の肌かな。」

「そうね、廊下の曲がり角かしら。明日はまだ二十五歳位で済みそうね。」

「だったら亜衣音ちゃん、試験が終われば肌年齢が五十歳なの?」

「イヤダ~……、」


 若い女の子には老化とかまだ縁の無いお話よ、プニプニでお肌も白くて張りもあるんだからね。


 私は母の仏壇の件からクロの死の件で頭がいっぱいだった。そんな私に気遣いそしてジュースをたかる級友たち。試験の事は全員がだよ、悲しんでいる私も当然知っているとばかり思っていたという。


「それって当たり前でしょうが、亜衣音さんはバカなのかしら。」

「藍ちゃん、それって酷い言い方よね。いいわよバカで十分。」


 私は友達とこうやって言い合える事に喜びを感じていた。だから喫茶店へ呼び出しを受けても、バカだと罵られても怒る事はない。未だに中学の時のように体育館の裏には呼び出しを受けていない、まだ新学期でもあるしイジメは出ていない。



 猛烈に勉強はした……天命を待つのみだわ、試験途中で悟るのは放棄したようなものよね。


 魔の三日間が終わった。私は必死になる姿を見られて大いに笑われて、途中は何度も応援の言葉を父から貰っていた。私だってお化粧が移らないように腕まくりしながら……寝ていたわよ。


「いいぞいいぞ、明日も昼の弁当は無しでいいぞ。」

「今日も夕食は俺が作るな! 特異だからな!」

「どうだい……その姿だったら大いに笑えそうだ、ワハハハ……。」


 父はお刺身とビールばかりを帰りに買ってきては飲んでいた。私を純粋にからかっている父には酒の肴にされていた気分だ。


「う~何だか私、バカにされた気分だわ。」

「そうかワハハハ……今晩も雑煮ざこにだ、すまないな。」

「ううん、いいのよ。私こそ何も家事をしないでごめんなさい。」

「いや~若かった頃を思い出すな~。」


 父の特異料理は勘弁して欲しい。雑煮……通称を「ざこに」と私は名付けた。本当は常夜鍋とも言う。鍋は洗わずに具と差し水だけで毎日の鍋料理を作る。これは食べてみると……とても美味しいのもだった。スープの色はあまり綺麗とはいかない、かなり濁りきっている。


 これが父さんの博多で学んだ独身料理らしい。ずぼら料理を覚えたのは母を亡くした後、同僚と飲みに行けないから必然的に覚えたものだろうね。若い女の子を部屋に引っ張って来ようとは考えなかったのかな、この甲斐性無しめ!


「お皿とお箸とコップを洗えば後は寝るだけだものね、父さん。」

「亜衣音、笑っているが何が面白いんだ?」

「ううん、私に妹か弟がどうして出来なかったのか……だよ。」

「知るか……勉強しろ。」


 パパが再婚さえしてくれたらさ、もっと早く東京に出て来られたかもしれないのよね、パ~パ。


 1960年代にはスーパーマーケットも沢山出来ていた。父は主に魚売り場に直行する癖が出来ていて博多の新鮮魚市場で味をしめたらしい。博多ではあちらこちらに個人経営のお魚屋さんが在ったと教えてくれた。


 私は野菜売り場から回るのだが、父と回れば籠に入るのはいつもお刺身だった。


「今日はお婆ちゃんと同じく佃島です!」

「なんでぃ……。俺への皮肉かよ。」


「豆腐は?」

「そうですね……いいよ。」

「納豆!」


 私は何も言わずに挽き割りの納豆を籠に入れる、父さんの顔を見るのも何だか馬鹿らしく思えたからだ。それで佃煮を買い忘れていたしこれは父に誘導されたとも言えそうだ。


 何だか父よりも私が偉かった。お父さん、見切り品のお刺身パック見つけたよ。ここのおじさんは私を見たら貼ってくれるんだよ! ……50円引き? ……。


「それって、ほぼ只だろうが!」



「亜衣音、俺って高級官僚だぜ? 知っているよな。」

「お父さん。お給料は高いようだけどさ、お父さんの給料袋は私がハサミで切るよ、『チョキン、チョキン!』とね。」

「なぜだ、どうして!」

「もしもだよ、お母さんがひょっこりと産まれてきたらどうするの?」

「?……?」

「貯金しておこうよ。」

「へ!」


 お母さんが産まれる訳ないのにお父さんは驚いてみせたのだ。ママの想い出を一瞬間だけだろうが私に被せてしまったのだろうね。多分「子共ががひょっこりと産まれてきたらどうするの?」だろうか。



 そして……


 中間試験の結果が職員室の廊下に貼り出される。授業中に貼られたのだが直ぐに黒山が出来るというもの。私もおっかなびっくりで見に行くも全学年を掲示するから混雑は当然だ。しかし、どうして職員室のガラス戸に貼られるのだろうか。


 そこはしてやったりの藍ちゃんとそれに続く立花の姉妹と未来ちゃん。勿論その間には数人の名前が書き込まれている。


「藍ちゃん、すご~い、三位だよね!」

「もち、入学前から頑張ったのよね。」

「それっていつからなの?」

「未来が参考書を送ってくれた時に決まっているよ。」

「ふ~ん、中二の時になるのね。でもすご~い!」


「未来……あんたも凄かったのね、本ばかり読んで勉強はしない人だと思っていたのに、ないよ十二位とかウソよね。」

「ふふ~ん、これが現実よ、それに双子も私に追随しているから凄いと思うよ?」

「亜衣音ちゃん……フフ~ン、」x2

「煩い、黙れ。」



 それから藍と未来の会話に私が入る。するとこうなる。


「亜衣音、何処(、、)かしら。」

「私はさっきから横に居るよ。」

「ねぇ亜衣音ちゃんは……何処よ欄外なの?」

「……だろうね。」


「可笑しい、この一年生の成績順はどう見たって可笑しい。」そう言い出したのが藍である。私の名前が記入漏れだと言い出した。51位からの私たちのクラスの名前だけが書いては無かった。番号の氏名が所々空欄だったのだから。他のクラスはちゃんと名前と順位は書いてあるのよね~変だわ。


「藍ちゃん。私は成績が悪かったのよ、ここは50位までだから私は欄外よ。」

「いいえ、納得がいきません。先公に直談判よ、戦争よ。」

「未来~藍を止めてくれないかな。私は恥ずかしいよ。」

「亜衣音ちゃん、名前は書いたよね。」

「うん間違いなく書いたよ。でもね回答は殆ど書けていない……。」

「えぇ? ……なんだって!」


 口ごもる私に容赦なく口撃が降り注ぐから勘弁して欲しい。女の子はどうして在る事無いことを捜索して創作して操作して話す事が出来るものだろうか、意味がイッチョン分らん。


 私以外の四人は、三位から二十位に入っていた。なのに私は……あぁ~、


「いや、ダメ。……待って!」


 と、私は意気込む藍にすがって止めようとするも、双子が私を引き留めてくれるし未来は笑っているしで、なんなよ~私の友達は~。


「失礼いたします。杉田先生にお尋ねしたい事があって来ました。」

「なんだ、どうした。成績が良かったな雨宮。おめでとう。」

「先生、この亜衣音は名前を書いていなかったのでしょうか。」

「あぁ白川か、丁度よかった。呼び出しを掛けようかと考えていたところだが、なんだ自分から出てきたな。」

「私は藍に連れられて来ただけです。私は場外(、、)でいいです。」


「ハハハ……場外とはとてもいい響きだ。白川の成績はほれ、廊下に貼り出してあるぞ。」

「先生、冗談はお顔でけになさって下さい。亜衣音さんの名前がありません。」

「なんだ明神それはな……ここからハッキリと見えるぞ、どうだ!」


 杉田先生は時々間を空けながら意味不明な事を言っていた。そして先生に言われるままに廊下の張り紙に目をやったら? 職員室から廊下の窓ガラスを見てみると……、


「うぎゃ~!……51位からの名前が書いてある……そして私は……は80位!」

「そうだ白川、お前は学年TOPだっただろが、それがどうしたんだ。」

「えぇ!! 先生、それって本当でしたの?」


 と、驚くのは雨宮藍だ。未来も声こそ出さないが目が丸くなっていた。私は、


「杉田先生……お顔が笑っていますわ、それにTOPとかに縁はありません。」


「なんだ、心配事が出来たのかな。」

「いいえ母が死んだとか言えません。」

「なぁに~~~!!」


「先生、声が大きいですよ。先生たちが見てあります。」

「どうして言わないのだ、俺は気が付かなかったぞ。」


「先生、私が代わって申し上げます。死んだのは故郷の愛馬です。その馬の名前が………、」

「分ったからもういい帰れ! そう言えば父子家庭だったか、俺はまんまと騙されたのだな。」

「亜衣音が失礼しました……。」


 中学では私に家庭教師が居たから良い成績が取れたのだと思う。高校では色々と感情面が出て来たので気もそぞろで勉強に身が入らなかったかな。勉強にも精神面が落ち着いていないと実は結ばないようだ。そういう意味ではクロの存在は大きかったのだと思う。明子さんと未来姉ちゃんの家庭教師もか。



 職員室では、


「杉田先生、私には札幌の母が死んだと言いましたよ。本当なのでしょうかねぇ、真顔で言うので私はなんと答えていいのか迷いました。」

「あ、それは十年前の事ですよ。」

「えぇ、ウソだったんですね。」


「お互い大変ですね。」x2


「あ、あ~失敗した。俺は白川に言いたい事があったのを忘れたな~。」

「ま~ドジな先生、それで要件とは何ですか。」


 杉田先生は私について何処まで知っているのよ、普通はすんなりと十年前とか言えないよね? それにそれに……ちゃんと失踪宣言と合致しているし。



 私は270人中80位だった。


 杉田先生は51位からのクラスの生徒に事情を漏れなく聞くために、裏技の裏側を利用したという。1-A、それは六クラスでは平均点が二位よりも10点は差をつけていたらしい。成績順の用紙の裏側、やはり場外だろう。


 そんな怪しい成績順の掲示に他の先生から大笑いを受けていた。一年生の英語の答案用紙だけが返却が遅れていた。目を皿のようにした二人の女性が詳しく採点をしていたというが、これは誰も知らないことだ。木之本先生ではないから。


 この学校は、どこか、狂っている!




 そして、そうして……期末試験の成績発表となった。


「わ~私、最低だわ~!……125位なんてあり得ない!?」


 顔で笑って心では……ウキウキだったのだ。帰省の文字が頭をよぎるからだが。


「わ~あり得ない。あんた! ここまで落ちぶれたのね。」

「藍、亜衣音さんはまだまだ百番は下げる事が出来ますよ。」

「未来……酷い言い方!

「亜衣音ちゃん。夏休みは寂しいのだけれども里帰りを楽しんできて!」

「ありがと~未来。おみやげ持ってくるね。」

「それで明日は終業式だよね。」


「そんなの知らな~い、もう飛行機だもん!」

「実は……私も……なんだ。」

「え”~~~~~~!!!」x4


 未来と碧と翠の三人が口を大きく開いて驚いているが、実は私がもっと大きく驚いてしまったんだよね。碧と翠の二人は生活費を稼がねばならないので何処にも行けないと悲しい顔をするし、未来は……秋葉原の三文字が待っているからと、これまたウキウキしている様子だったかな。


 誤字の修行式を訂正した事だし次章へ行くわ。因みに学年の順位表は普通に掲示されていたからね、裏に書かれてあったとかは無いから。あ~でもでも全員は書かれていなかったはずよね、全員の順位を書かれたらドンゴジリは惨めだよね~。最低、それは通知表に記載されているから……秘密。奇跡の一番は確かに一度だけだが存在していた一年生、後は本ばかりを読むので↓↓↓↓矢印になった。どうして夏休み明けの試験で一番が取れたのは謎ですね、他がとち狂っていたからか? 亜衣音にも一番を上げちゃおうね。


 第10部から第20部までは、ぱっぱかと書き上げました。少し違和感もあります

ので後日修正いたします。

 2007年10月ぶりにラノベを19巻まで買いました。これで二作品目になりま

す。読み出したら止まらない性格です。本の文字が思いのほか小さいので読めま

せん……。


 昔むかし、JRで降りるはずの駅で降り損ねて一番家の近い駅で降りるも、バス

はもうありません。そんな田舎に住んでおります。JRは途中下車しませんとバス

が無いのですよ。 本に夢中だったのです。おかしいですね!


 暑い季節になりました。熱中症にはご用心を!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ