第195部 マイケルズ”bike……
1972年9月19日
*)藍ちゃんのカモ?
「ただいま~。」
どうしてか朝帰りのソフィアが帰ってきた。ソフィアも変だが文章も変だ。そんなソフィアを認めている私も変だろう。今まで親が知らなかったのも変であるがこれはスルーして頂こうか。
「あんた、今日もパパ活だったの?」
「違うよ、今日は交番だった!」
「え”・・・。」x3
「?・・・。」
マイケルだけが理解不能。
土曜日の夜だったせいか、ソフィアの夜遊びが見付かり補導されたらしい。んで、私のお父さんが居なかった訳に繋がった。身元引受人として父が赴いた訳だが。あの元警視総監の息子だというので直ぐに引き渡しは終わった、引き渡しだけは。後はソフィアへのお説教というか一応の人としての行いを説教されたと言うのだろう。
それが物語る。ムスッとしたお父さんが声も無く台所へ入ってきた。なにも言わずにコーヒーを出してくれた藍ちゃん……ありがとうございます。
「お父さん。」
「あぁ、なに大した事ではないさ。な~ソフィアちゃん。」
「はい、すみませんでした。」
「ソフィア……あんた、ま~た夜の街に出ていたんだね。そんなに簡単に社長が見付かる事はないわよ。」
「だ~ってあの人は何時もここに居るからと言っていたんだもん。」
「で、何処だったのよ……その場所とは。」
「分らないよ、だって知らないもの。」
ま、初めての海外でなにも知らずに私たち家族に付いて来た田舎娘。ピンサロも分らないだろう。恐らくバーという事はないわね、だって補導されたというからにはね、お父さん。
「この子も生活費が必要なのだよ、言い出せないのも理解してやれ。」
「お父さんごめんなさい。私が悪かったです。ソフィアにも心配掛けてしまってほら、マイケルも謝りなさい。」
「?……お義父さん、すみませんでした。今後は働いてお金を入れます。」
多分、私の両親にここで生活させて頂くものだから、いくらかのお金を払うという意味だろう。私と違って大人だし男だし夫だし、ね、マイケル。
「あ、私も働いてお金を入れます。」
「ソフィアはまだ子供だしいいよ。先に語学の勉強をやればいい。」
ソフィアは確かに十六歳ほどの子供なのだが、容姿は二十歳を過ぎたように見える。私がソフィアの年齢を教えているから、父からしては子供扱いなだけだろう。
眼が顔ほどにモノを言う……藍ちゃんの出番が来た~!! キラリと光る怪しげな目つき。
「お父さん。ソフィアちゃんを私にくだ、預けて下さい。私の工房で働いて貰えれば一度に全部片付きます。どうでしょうか。」
「ソフィア、そうさせて貰いなさい。パパ活は今は良いけれども、そ」
「ごら”亜衣音、なんば言よるか!」
「ウキャ、」
「ソフィアちゃん、それでもいいならば俺も藍ちゃんに頼んでみるよ。」
「はい、何でもします。」
「お父さん。私がお昼の外国語スクールの費用は出しますので、学校へは行かせて下さい。」
「藍ちゃんそれでもいいのならばいいよ。俺だって助かるしな。」
藍はソフィアに向かって給与の内容を説明しているが、全部が藍よりの内容だ。これは酷いと思うが口出しが出来ない女工哀史だよ。午前に外国語スクールに行って午後からは工場で針子の仕事。で、帰宅は夜が遅い藍と一緒に帰宅する。
おいおい外国語スクールの費用って月に二万円もしないよね、それに月々の給与がお小遣い程度ってどれだけ搾取したいのか。ソフィアの生活はいったい誰が出すというのか。口を滑っても言えない事柄だよね、藍ちゃん。
「お給与はお小遣い程度だからね、それでもいいわよね?」
「はい、とても助かります。」
「藍ちゃん親の私からもお願いするよ。なに生活費は亜衣音が出すさ、な~……亜衣音?」
藍ちゃんがお父さんに頼み込んでいる。お父さんは視線を藍から私に移して突き刺すのよね~、堪りませんわ。
「わ、私の方を見ないでくださいよお父さん。勿論ですわよ。」
そう言って私はシュンと萎縮してしまった。私とお父さんに交互に視線を送るマイケルも最後には私と同じポーズをとる。大きな男が冴えないな~。
「おはよございます。」
「は~い、あら婦警さん。」
「家族会議の時間だけでも子供さんのお相手をいたしますわ。」
家の交番で警備を担当されてある婦警さんが気を利かせて来てくれた。藍ちゃんが応対に出て、それから委員長にバトンタッチしていた。ブスくれる委員、きっとマイケルを見ていたかったんだと思う。(いいわよ委員長、レンタルしてもね。)
それから無口なお母さんも交えてソフィアとマイケルの仕事が決まった。二人は藍ちゃんのカモだったのか。
お母さんが無口になったのは私がお母さんの前に一千ドルを置いたからだった。眼は飯台の上の札束に釘付けといった処か。「たかだか二十枚が札束だとは笑わせてくれるじゃないのよ。」母の目はそう語っているようだった。
夕食が亀万の出前だったら怒るからね。
その後で私はマイケルを自室に引っ張り込む。勿論委員長へのレンタルの事ではなくて、当面の生活費についてであるが。
「マイケル。焼き鳥のお母さんに連絡して頂戴、早く送金して貰わなくては。」
「あ、そうだね、ソフィアの到着の連絡もしていなかったか。」
そう言えばマフィアたちから巻き上げたお金が幾らあったかな。それにマイケルの仕事が幾ら稼いでいたかも知らないや。
「ねぇマイケル。幾らあるのよ、」
「多分百まん……ドルかな。で、でも手持ちはなにも無いぞ!」
「なんだ百ドルか。」
私はドジだから百ドルと聞き違えてって、ハッキリとマイケルが発音しなくて百万ドルとは思わなかった。知っていたらこんなにも卑屈にならなくてよかったのにな~ディスマス、リサ。
「あ~い、う、きゃ、きゃ・・(ママは馬鹿だからね~)。」x2
「ま~ありがとう。」
百ドルとはまた少なすぎるとも思わなかったから本当にドジだった。もっとも、ソフィアの母が使い込みをしていなければいいのだがどうだろうか。私だって多分一万ドルは預けていたと思いたい。
「早く送金を頼みましょうよ、マイケル。」
「でも口座が無いよ、先に住民投票だ。」
マイケルの日本が未だに怪しいのだ、住民票でしょうが。
結果、行き着いた先が早く役所へ行かなくちゃ、だった。後でソフィアに話したら、
「あんな親に連絡は要りません。ですが私にもお金をくれるように言って下さい。手切れ金も貰っていません。」
と言うのだった。この子は母親を恨んではいないと思うのだがな~、違ったの? そもそもソフィアにお母さんは居るのだろうか。焼き鳥屋はお婆ちゃんだよね?
三日三晩の宴会が開かれ、今晩の主役は誰だろうか。遠征の徹兄さんが帰宅。これか! でも冴えない徹兄さんだった。
*)競馬で6400万円的中も“巨額徴税”
徹兄さんとクロが走った競馬に澪お姉さんが六百万もの大金を賭けていたらしいのだ。で、見事に命中したはいいが配当金を受けるには住所や氏名が必要だったらしくて、澪お姉さんは素直に名前を書いた……。これが昨年の事で本人はすっかりと忘れていた。
あ~これが子供たちの教育資金だ~っと言っていた訳が分った。でも、国、税務署は見逃してはくれなかった。納税の申告が無かったので税務署は一方的に税金の引き直しをして追徴納税の納付書を送りつけてきた……らしい。それも徹兄さんが所属する会社にだ。これでは言い逃れが出来ない、または、八百長疑惑で捜査しますよ~という脅しも兼ねているのだとか。
夫が走って妻が掛け金を賭けた……疑惑が向けられない方がおかしいものだ。そんな事があっての帰宅なのだが、家族らは少しも徹兄さんが変だとは気づきもしないのよ、それって私の事が原因なのだよね。
皆は今宵もお酒が、亀万の出前が~って喜んでいた。冴えない徹兄さんは益々に持って言えない雰囲気を家族が作っていた。でも、さすがは澪お姉さん、妻の目は節穴ではなかった。宴も進んだ中頃か!
「徹さん、どうかしたの?」
「あぁ実はな、税務署からこれが送られてきた。払えと言うのだが澪は出せるかな。俺は持ち合わせが無いし、第一知らない納付書なんだがな。」
その細い納付書が澪お姉さんの前に出された。みるみると顔色があせていく女が一人出来上がる。
「これ、知りません。」
「そうは言ってもな、これが会社に送られてきたから間違いはないのだよ。澪……去年俺に賭けて儲かったって言っていたよな?」
「あ、あれは確かに儲かりました。賭けた金額は六百円。」
「で、この一桁いや五桁の数字にはほど遠いと考えるが、幾ら稼いだ。」
「う~六千円です。わずかですよね。」
「万が抜けているのか……四桁も抜かしていたなんてな。払ってくれるよな、払えない時は八百長疑惑で捜査が入るがいいのか。俺はムショ行きだぜ。」
「税務署ですか?」
「税ムショ? 違うだろう。逮捕されて労働させたれて、おまけに馬にも乗れなくなるだろうが……あ、あぁ?」
この場の全員が澪お姉さんに視線を送る、お金を頂戴という視線だが。
「うわ~こんな事になるなんて知りませんでした~。」
と言いながら泣いてしまった澪お姉さんは可哀想だよ。これでは顔を向けられないよ。「可愛そう」にも語源があるから調べてみて。
だが他の家族は金をくれという視線を送っていると思っていたら違った。澪お姉さんが抱いている心心に視線が落ちていた。勿論、望にもだ。
「それ、後で話したらいいよ、徹兄さん。」
「あ、そうだね、場が乱れてしまったか。すまなんだ。」
「ママ~……。」x2
と、可愛い愛娘の泉美と水琴が声を掛けている。
「あ、ごめんなさい。何でもないのよ。まだ半分も残っているからね。」
「え”~……。」x?
やっぱり訂正、皆は金を欲しているようだ。なにせ大家族だから生活資金が何時も欠乏していたから。
まだ半分残っているとはいえ、三千万は国税のみの金額。これに都の住民税も加わる事に気がつかない黒川家の夫婦。……もう詰んだ。
これで済むという事は無かった。今度は藍ちゃんが顔を蒼くしてきた。
「澪お姉さま、出資金は直ぐにはお返しが出来ません。年末、今年の年末まではご容赦下さい。」
「え”~……。」x?
これはどういう意味があるのか、マイケルの仕事に対しては給金が払えないから年末まで待って欲しいという事だ。でも藍ちゃんは、
「亜衣音ちゃん、二人の給金は払えますよ。失礼です。」
「ご、ごめんなさい。心配かけます。」
「徹兄さん、その支払いはいつまでに済ませるのですか?」
「マイケルくん。回答書があるからそれに何時まで払います、と書いて送ればいいのだよ。でもな~、」
「遅いと延滞金が掛かってしまうのですね。それ、俺が用立てしますからここはしょげないでお酒を飲みましょう。」
うんうと言って喜ぶのは、何時ものメンバー桜子お婆さまにホロお婆さま、と一番はカムイコロさんだろうか。智治お爺ちゃんは阿部元教授と飲みたいらしいしね。
「亜衣音ちゃん、亀万に電話していいかしら!」
「も~お母さんまでも、いいわよ好きにすれば!」
「バコ~ン!」「グワ……イテ!」「バコ~ン!」「グワ……イテ!」
「バコ~ン!」「グワ……イテ!」「バコ~ン!」「グワ……イテ!」
こうやって日曜日の夜は更けていく。明日は役所に行って、それから国際電話をするのがもっとも重要な案件となった。
送金が出来たとは言うが違法性のある送金で私の口座に、私の口座に二億円が振り込まれたのだった。税務署はごまかせるのだろうか。ソフィアには約三百万が送られてきた。焼き鳥屋のお婆ちゃんの手間賃がそれ位だとマイケルから聞いたから、手間賃を巻き上げるという意味のこのお金はソフィアに贈られたもの。送金に関わる手数料は全額をあのお婆ちゃんが持ってくれたんだ。
それから私は「天使様。」の扱いになるし多大なお金が両親に吸い上げられた。主にお母さんからだった。
私の方は隣接する家を札束ではたいて買い上げる。あ、マイケルの仕事がだよ。そこに豪邸を建てたのだ。一階は店舗としてマイケルの仕事場が出来た。世界のバイクを販売するのだとか。藍にも出資してお針子さんを多数雇用、年末までには出資金の配当が百万も頂いたわ。併せて藍の製作会社も作ってしまった。
お家賃はお幾らにしようかな~。
澪お姉さんへも出資金の配当と併せて二倍ものお金が払われた……らしい。
一番喜んだのがマイケル。ひま暇には器用な手仕事でミニバイクを作っていたが藍に見初められて? 今ではミニチュアのモデルを作らされている。何をって? バイクのミニチュアでボルトやナット、それにくず鉄を集めて器用に作っていた。本業はそっちのけである。じきにロボット制作になったりして思う壺に嵌め込まれたマイケル。
で、マイケルズ”bikeというお店が作られて、販売は主に私の役目であった。だって亭主は子供の様にバイクを乗り回して遊んでいたからね。でも繁盛しているんだよ。
可愛い奥さんが売れっ子になる程にね? 子供を抱っこにおんぶして前と後ろから暖められるから、寒い外みたいな店舗でも何ら問題もなく行えた。
同情される事はなかったようだ、だってバイクは五十万からその十倍もの五百万とか最高で一千五百万円でハーレーダビッドソンを販売するのだもの。冷やかしを受けながら上手に売りさばいていくのに同情は要らないよ。
最後の好景気に沸く日本ではバイクは飛ぶように売れた。一年過ぎた辺りからは逆に中古バイクとして買い上げるのだから、こちらが同情したくなったよ。
「従業員へボーナスを出すのに金が~……。」
「この金無しめ!」
「で、お幾らに?」
「三百万ね、有り難く思いなさいよね。」
こうなると客商売でも、どちらが客か分らないよね。ハーレーダビッドソンを買い取る店が在るからと、悪い意味でも「マイケルズ”bike」の名前が売れた。今までが高くて手が出せない者に受けて、お安い中古バイクも飛ぶように売れていった。
もう年末になるが、色んな意味でもお祝いがお題目に挙がって騒がしい。何処からでもなく、あのお爺ちゃんが帰ってきた。私を見つめるお爺ちゃん。色んな事が無事に終えられたのは、お爺ちゃんのお陰だったりして。
でも、私を見て喜んでくれて、「お帰り、無事でよかった。」と、他には何も言わないあたり、大概の事は調べて知っていたのだろう。マイケルにも小言は言わないしね。大柄のマイケルにも怖がらないお爺ちゃん。大人と幼児のように離れた背の高さなのには、おかしささえこみ上げてくる。
そんなお爺ちゃんにマイケルを紹介て、お爺ちゃんからは相好を崩された。もうべた褒めだった。何か裏があるのよね、この妖怪ジジィ……には。
「バコ~ン!」「グワ……イテ!」
「なんだよ、いきなり叩く事はないだろう。」
「良かったね!」
「あぁそうだな。爺さんも優しくて嬉しいよ。」
私はお酒臭くなったお座敷から台所へ避難した。当然、マイケルが抱いている理沙も受け取ってである。
「うるさいとは言え、我が家は落ち着くな~。」
私だって急に女社長に仕立てられている。マイケルは従業員で良いというのだ。そうしないと私には所得が無いから家に居づらいのかと、マイケルが考えた事なのだ。マイケル自体は藍ちゃんからの報酬があるのだから。あの駄作がお金になる方が変だよ。
マイケル。その考えは変だよ、今はもう自分の家が在るのだから。他にも変と言うか、事実としては受け入れられない事があるが、読者の皆さまにはお許しを頂いていると信じます。たった二ヶ月で豪邸が建ったなんてあり得ませんものね。それにハーレーダビッドソンの輸入から販売だって二ヶ月では不可能よね。
宴会後になって何時ものように二人にお乳を上げていたら、六人の子らが私の周りに集まりだした。お乳を上げているのが珍しいのかと思いきや、どうやらこれは違うような?
「ママ、ディスマス。」
確かに私にはそう聞こえた。はっきりではないのだがディスマスの名前を言ったようだ。小さな子が、それも上手く話せない子供がである。
「はい、ディスマスですよ。可愛いでしょう。」
「リサ、カワイイ。」
「うん、ありがとう。理沙と一緒にみんなで可愛がってよね。」
「ウン、ママ……、」
そんな意味不明な言葉を言いながら、子供たちが私たち三人を取り囲んでくれた。六人が順番にひと言を言うのだ。それからだよ、急に私の意識が跳んだのは。
「ママ、」
「コレ、」
「カラ、」
「モトノ、」
「セカイ、」
「モドス。」
「え”……なに言うのよ、あれ、あれれ……?」
私はすぐさま意識を失った。
「え”?……なに言うのよ、元の世界って何がだよ。」
昨夜、そう言った覚えがある、翌日の朝だった。起きたら横にはマイケルとソフィ
アが付き添っていた。そのソフィアが若い。
「亜衣音、いったいどうしたと言うんだい。」
「分らないわよ。」
「頭、大丈夫か。」
「ソフィア……あんた、」
「ありす、元の時間に戻ったようですよ。亜衣音さんと呼びますね。」
そこには確かに中学生の時の姿でソフィアが座っていた。ならばマイケルは? ウキョ~……あの自動車のナンパ野郎の姿だった。全く変わってもいないのだが急にそう思っただけだよ。
「マイケル、あんた……嫌いよ。」
「おいおい亜衣音、そりゃ~ないよ。」
「二人は?」
「お義母さんがみてくれているよ、それよりも気分はどうだい。」
「うん、別に変化は無いかな。私も若くなっているとか。」
「ないない、」x2
「そうなんだ、でもどうしてかな。」
「起きれるなら顔を洗っておいでよ。なんなら付いて行くぞ。」
「いいわよ一人で歩けます。」
ややふらついて洗面台に到着して、鏡には確かに前の若い高校生の顔が在った。
「え~元に戻ってるじゃんか。記憶も残っているわね、あの二人はウソを言ったとか意味が分らない。」
「マイケル。私、元に戻っているよ。」
「いや亜衣音は変わらないと思うが何かが変わったようだな。俺には理解は出来ない。」
「亜衣音さん、分らないのはマイケルさんだけですよ。」
「そう……なんだ。」
子供たちの六人の巫女の力が合わさって元の時間軸に戻された。そうなのだ平行世界から元に戻ったようだ。周りの世界が一瞬にして私を受け入れたのだろうか。おかしな事を何の疑問にも思わずに、今までの事のように認識しているのかな。実に不思議だよ。
二つの世界が合さった事で次元に歪みとか生じないのかな。
私一人が狐につままれたような気分だな。昨日までも事はそのままが事実として存在しているのだとか。色々と訊いてはみたが家族は私が今見ている変化が無いと言うのだ。でもソフィアはどうも私の眷属のようだからか、この変化は理解している。
家族にはず~っと私が居る日常が続いているのだとか。訊いていたら私が変人扱いにされそうだったから、渋々疑問を残したままこの件は終わらせる。
ギリシアから私が無事に帰られるようにと、子供たちが魔法を遣ってくれたのかとも考えられる。亜衣音の不思議な国のありす……幸せな私が終わる事になった。
公園の妖精 鏡の妖精 家の妖精 風の妖精 迷いの妖精 光の妖精 たち。六人の精霊さんって、実はこの子らだったとしか思えない。




