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人狼と少女 垣根の上を翔ぶ女 亜依音  作者: 冬忍 金銀花
第十三章 番外編  人狼と少女 亜衣音……β世界線

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第177部 怪奇現象?……妖精さんたちが見える


*)怪奇現象?……

 

 お腹の子にも運動をさせる為に、私は小さな教会のある公園で日課の散歩を楽しんでいる。


 ここは本当に夢の国の様な感じがするんだよ。小さな子供が……そうね二歳とか三歳の女の子らが、ママゴト遊びをするような感じかな。女ってこんな小さい時から家族という意味を遊びで勉強する、そう考えたら家庭は女が守るお城のような感じかしらね。


「ようし、私も家庭を守るぞ~!」


 公園内をクルクルしながら見て回る。毎日通ってという頻度ではなかったんだが自宅はほぼ完成したのだし、これからは毎日通ってもいいわよね、マイケル。



「さ、帰ろうか私の……マイケルの赤ちゃん!」


 自宅……家、持ち家、なんという心地良い響きだこと。二階では大きな鼾が響いて来るのか! ここは三階の私のお部屋へ行って遠い景色に目をやるんだ。


 青い空に煌めく碧い海。一月にしては珍しく快晴のお天気を迎えた。ここは東京と違いお日様が中々出ないのである。緯度は東京とさほど変わらないが、東北は福島県が同じ緯度になる。生まれ故郷の北海道……寒いだろうね。


「今日はお日様が出ているからベランダに出て……あれ? 植木鉢の位置が変わっているわね。」


 プランターで観葉植物なんていう贅沢も嬉しいものだ。で、何があるのかと言うとね、ハーブなんだ。言葉の響きがいいペパーミントなんだよ。これをお料理に使うと臭いがごまかせちゃうのが好き。すっかりとプランターが動いた理由を考えるのを忘れてしまう。これはお天気が悪いのよ、決して私がノータリンじゃないから

ね。


「この子を上手に育てるにはね、地植えがいいのは分るがそれだけは絶対にしたらダメなんだよ。」


 この地は雨が少ないからペパーミントはそんなには繁殖しないとは思うのだけれどもね、近所の奥さんが言ってありました。年長者の意見は素直に聞くべし!


「これね、お肉の臭い消しに丁度いいのよね、お宅でも植えてみなさいよ。」

「わ~良い香り、早速庭に植えてみます。」

「あ、貴女は素人さんだったわね、この植物だけは地植えにしたらいけまへん。必ずベランダでプランター栽培にしなさいよ。」


「はい、夫の臭い消しにも使えたりして……。」

「あっ……இ……。」

「良い考えだと思いますが?」


「うちの主人と同じですわ……!」

「இ……。」

(これは禁句なのね。)


「あ、入浴剤としての利用方法でしょう? サマンサさん。」

「え、あ、そうね、そうなのよ、お陰で主人はいつも若いままですのよ!」

「まぁ……可笑しい。」


 早速お風呂で試してみたんだよ。沢山頂いたし、直ぐに大きくなって増えるから捨てる感覚で利用しなさいっても言われたからね。


「お風呂、お風呂、今日のお風呂はハーブ風呂! わ~い、楽しいな!」


 ハーブを摘んだだけで清涼な香りか漂ってくる、本当に心も落ち着きそうだわ。今宵が楽しみ。


「マイケル。先にお風呂へどうぞ。」

「ありがたい、今日は疲れたよ。」

「はいご苦労様でした、私も入るからね。」

「そうか、待っているぞ。」


 なにも一緒に入るとはひと言も言っておりませんよ、後で入りますとだけ。だけどマイケルは根性が座っている、出て来ないのだ。心配になってお風呂を覗いたらあらま~椅子に座って私を待っていたとか、も~バカじゃろか!


 お風呂からはペパーミントの良い香りが……していない。どうしてかしら。


「ねぇマイケル。お風呂にペパーミントを入れていたのよね食べてしまったの?」

「お浸しにはならんから食べないよ。それ以前にパペーミントとか無かったぞ。」

「え、ウソ! お風呂にお湯を張るときに入れておきました。でも変ですね、その強い香りも残っていないなんてね。」

「今から入れるんだろう? 貴陽で豊かな……。」

「あ、それね私のお尻だったとは知りませんでした。もう一緒には入りません。」

「え~それはないよ、ありすさま!」

「直ぐに持って参ります。」


 そうしてペパーミントを改めてお風呂に入れた。湯上がりのマイケルからいい匂いが漂ってきた。


「もう良かったの?……ビール出しますか?」

「お、嬉しいね~頼みます。」



 これはね、私もお風呂に入ればマイケルから漂うハーブの香りが分らなくなるからよ、だから敢て一緒に入らないという選択だよ。


「は~い、アンチョビ。」

「ハーブの香りの効用ってなんだ。」

「知りません、今度聞いておきます。」


 性欲剤とか、性抑罪とか? なんだろうね。マイケルはビール飲んで寝ちゃった。せっかくのハーブの香りをアンチョビで台無しにしてしまった。お休みのキスが? お魚臭くて台無し~。




 はい、一つ目の怪奇現象をお話いたしました。で、マイケルが二つ目を話してくれるのよね、なんだろう。


 宵のうちは過ぎて今は二十二時になったあたりかな。マイケルがね不思議な事を言い出したの、少し自分の耳を疑ったな。



「なぁありす。さっきの話で何が怪奇現象なのか分らなかったぞい。」


 ここよここ、どうして私の話したことが理解出来ないのかと耳を疑ったんだよ。




「え~、だってベランダのプランターが動いていたし、マイケルにハーブの香りがするお風呂に入れたくてペパーミントを束にして湯船に入れたのよ。それが全部消えていたのです~、分かりましかた!」


「あ~それな、きっとありすの思い違いでプランターをずらしたのを忘れた。それと風呂だがやはり何処かに置き忘れただけだろう。」

「マイケルが食べていないのならば……謎だよね。だって私、恍惚の人ではありませんです~。」

「いや、ありすの勘違い、これにて一件落着!」

「ぶ~だ、アホ、死ね!」

「え~やだよ、まだ子供の顔も見ていない。」

「アンチョビに毒をいれました、直ぐに寝て下さい。」


 柱時計が二十二時の音を鳴らしている。夜に聞く時計の音はどことなく薄気味悪いのだと思う。ネジを定期的に巻いて駆動させる時計だ。ネジを巻くのはおおよそが子供の仕事だと決まっている。


「ボーン、ボーン・・・・、」

「もう寝る時間だな、丁度良い。面白い事を思い出した。どうだ、聞くか!」

「ふん、私にホラー系は効きません。どうせマイケルの作り話だからね。」

「聞く前から拒否かよ。で、今日思い出したことだがな、」

「ふんふん、それで、」


「この家をありすが見つけたよな、あの道路を覚えているかい。」

「んなもの、裏の細い道だよ。今も在るわよ。」

「何処に在るんだい。裏と言われても向こうの道路に面した家が在るだけだろう。ありすが言う処の奥様の家がそうだろう?」


「え~と、奥様はリーゼさんでしたか、そうですねいつも塀越しにお話して……あれ? そう言えば変ですね。確かに右だの左だのと言われてこの家に到着しました。そうですよ、その裏口の門から入って表に出たのですよね。」

「そうだよ思い出したかい。俺もその後に確認に行ったが家と家を繋ぐ人が歩ける通路しかなかったんだぜ。な、可笑しいだろう?」

「えぇ確かに。私も覚えていますので何処の誰かのように否定はいたしません。」

「俺は他人様たにんさまか、随分な言いようだな。」

「まだ役所、行ってないし、どうしようかな~。」

「ま~たありすの悪いところがでたよ。いい加減にしろよ。」

「はい、ごめんなさい。で、二人で夢見ていたとかあり得ないわね。」


「だな、俺は寝る。」

「う~怖いよ……。」

「一緒に寝たらまた泣くから今晩も一人で寝ろ!」

「うん、キスして……ア~ン、チョビッとでいいからさ!」

「俺の口から、アンチョビが出ているのか!」

「ウフフフ……。イワシの匂いがしてるし、」


♥ 宵のうち……今は使わないで、夜のはじめ頃という言い回しで十八〜二十一時頃をさしているのよ。これだとさすがに気分が出ないな。



 翌日私はお隣の奥さんに報告したら、


「ねぇリンダさん、この家の裏に細い道があるのですが、ご存じでしょうか?」


「いいえ知りませんわ、それよりもマイケルさんの奥様、」

「やだ~、マイケルの奥様だなんて!」

「実はですね、この住まいは幽霊が出るのをご存じ無く購入されたのですか?」


「いや~知りませんよ、で、出るのですか?」

「はい、小さな女の子の霊だそうですよ。」

「……?……霊?」

「はい、幽霊が!」


「出ません、失礼しちゃいました!」

「……?」


 最後の会話は通じなかった。直ぐにマイケルに報告よ!



「マイケル、マイケル。この家は幽霊の噂があるのですって、どうよ驚いたかしら。」

「あぁ驚き物だよ、ありすがバカで洗脳されやすいのだと初めてしったよ。」

「ギャボ! うそよね?」

「あぁウソだろう。」

「そう……良かったわ。」

「いや、俺の家に幽霊がでるのがウソだと言ったんだ。ありすを弁護したのじゃないんだな。」

「ギョボ!」

「お、新しいギャグかい?」

「もう……ギャグ子は寝ます!」


 色々と話したいのに気分が乗らないらしいマイケル。疲れたと言っていたからさ、本当に眠たいのだろうね。私はマイケルにべ~して三階へ移動した。


「ポコン!」

「何か落ちたような音がしたけど気のせい年のせいよね、おやすみなさい。」


 今日は沢山散歩していて私だって疲れたのよね、直ぐに寝たわ。


「ポコン!」

「あ~やっぱり眠れない、どうしてなのよ。それにベランダにネズミでも居るのかしらね。う~やだ!」



「ボ~ン、ボ~ン、……。」


 大きな柱時計が二十四時の鐘を突く。十二回もだよ。それからどこからともなく幼女の声も聞こえてきた。


「ウフフフ……、」「アハハ……、」

「う~やだ、マイケルに追い出されたから独りは怖いよ!」

「ねぇねぇ……麻生亡よ!」

「ウキャ~~まだあの人は生きてお出でです!」

「ねぇ……遊ぼうよ!」


「やだ、私、死んでないよ、」

「ウフフフ……、アハハ……、」

「ボ~ン、ボ~ン、……。」


「ヤダヤダヤダ・・・、怖い、本当に幽霊が出るなんてあり得ないわね。」

「ねぇ……遊ぼうよ! ウフフフ……、アハハ……、」

「ギャシャン!」


「え、なに、なによ。」

「ギャシャン!」

「私の電動オモチャが動き出した!」

「ギュォン、ギュ~ォン。」


「キャ~……マイケル~う~う~、」

「ドバッ、バタ~ン!」


 私は恐ろしくてドアを勢いよく開けて飛び出す。勿論、後方の肌寒い感触を振り払う為にこれまた勢いよくドアを閉めたのだった。


「ドタドタ・・・、」

「バァン! ドタドタ・・マイケル~~~ぅ。」

「ありす、どうした。顔が無いぞ!」

「え……うぎゃ~・・・。」

「バタン・キュー……チーン!」


「おいおい死ぬのは早いぞ、どうしたんだい。」

「出たの、出たのよ、その幽霊がよ、私怖い、マイケル見てきて、いやダメ、ここに居て下さい。」

「なにこんがらがって、俺はどうしたらいいのだい。」

「う~私怖いから寝ないで抱っこしていてよ、お願いよ。」

「ありすは怖いもの知らずだとさっき聞いたよな。あの事はこれまたウソなのか本当は臆病で俺にしがみつきたいだけだろう!」

「う~違います、三階は本当に幽霊が住んでいたのでしゅ。」



「で、この後はどうする?」


「もう真夜中だし、この話は直ぐにでも更新しましょうね?」


「ウフフフ……、アハハ……、」

「ボ~ン、ボ~ン、……。」

「ねぇ……遊ぼうよ! ウフフフ……、アハハ……、」


「ウフフフ……、アハハ……、」

「ボ~ン、ボ~ン、……。」

「ねぇ……遊ぼうよ! ウフフフ……、アハハ……、」


「ウフフフ……、アハハ……、」

「ボ~ン、ボ~ン、……。」

「ねぇ……遊ぼうよ! ウフフフ……、アハハ……、」


「ウフフフ……、アハハ……、」

「ボ~ン、ボ~ン、……。」

「ねぇ……遊ぼうよ! ウフフフ……、アハハ……、」


「ウフフフ……、アハハ……、」

「ボ~ン、ボ~ン、……。」

「ねぇ……遊ぼうよ! ウフフフ……、アハハ……、」


「うわっ……鳥肌が、チキン、チキン!」

「うぎゃ~……うぎゃ~……。」x2


 私たちはようやく眠りに就かされたのだった。別名、気絶したとも言う。


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