第137部 亜衣音改造計画……女子会だよ?……
私たちが女子会をするからと、海斗くんをお座敷から追い出した。ま~これはこれでいいかもしれない。でもね、お部屋を海斗くんに使わせたんだ。全くあれに気づかずにだよ、超~恥ずかしい。
1971年7月20日
*)パジャマパーティだよ、
お昼を過ぎても私は自室でお休みの宣告を受けていた。夕食の準備段階に入って藍に起こされたんだ。何の事はない、お財布亜衣音にされただけだった。実はね、藍の愛による計らいだったんだ!
だってお母さんはポイとお財布を渡してくれたのは良いのだけれどもね、藍からほぼ空っぽと言われて、もう最悪よ。アメリカでのお小遣いが用意出来ない。
その前に銀行で両替……って、気にも掛けていなかったな。
そんな先の事ではないわ。目先の夕食の買い出しよ、藍に海斗くんを付けたのはいいとして、さらに双子を付けたんだ。
「貴女たち、自宅経由でお買い物に行ってね。藍と海斗くんも連れて行く事。それ から、それとなくお婆ちゃんに藍を擦り付けて頂戴。」
「はい教祖さま。必ずや食材は確保してきます。」
「うん冷蔵庫もあせるのよね、分っていますよね!」
「はい、あせって来ます。」
あせる、あら探ししなさいよ、という意味だ。これをお婆ちゃんの目の前で行えば結果、
「おやおや、大変だね~。全部持って行っていいよ。」
「いえ、それがまだ足りないのです。」
「おや藍ちゃん。そこに沙霧さんのお財布持っているよね、もしかして足りないのかしら?」
「はい、今晩も全員が泊まりますし、明日の朝食のパンさえも無いのです。」
「おやおやまぁまぁ、それは大変だね~。いったい嫁は何をしているのかね~。」
「わ~……お婆ちゃん。ありがとうございます。」
「藍ちゃん。幾らだったの?」x2
「うん、一万円だよ、お菓子もたくさん買えるよ。」
「そうだね、良かったね。」
「亜衣音はお婆ちゃんの同情を誘うのが上手すぎだろう。」
「海斗……見なかった事よ、分かる?」
こんな女の子たちを見て呆れる海斗。この後の荷物持ちが~……と言いながらべそ掻いて帰ってきた。
留守番の私は、美保と未来それに智子と眞澄、忘れるところだった、夕霧の五人を面倒をみる。できっこないよ。外で遊んでいろ、と言っても暑いから出て行こうとはしないのよ。ゴロゴロして扇風機の風でスカートを揺らすことしか出来ない、ぐ~たらばかりだったわ。
「なにも、全員で私の部屋に来なくてもいいのにな。」
「きゃ~涼しい……谷渡り……。」
「も~ハシタナイ。何処に谷が在るのよ。」
「胸……だよ?」
「ギャバ……!」
「亜衣音ちゃん、知らないんだね。」
「そ、そうよ、そんな破廉恥な事知りません。」
「あんた、垂れ乳なんだ!」
「おい美保、言って良いことと悪い事があるよね、ブラ、まだ乾いてないし、あんただって乳首……立ってるわよ!」
「いや~ん、欣二郎さんに怒られる~ぅ。」
薄い布きれの半袖のシャツ。これって男ものの肌着と同じよね。幾分か揺れるほどにゆったりしているし。
「ぶらぶらさせて、未来は大きいからいいよね!」
「そうね夕霧さん。秘密を知りました。無いのですってね!」
「亜衣音ちゃんから聞いたんだね、あのメス豚目~……。」
「亜衣音ちゃん、十房も無いでしょう。」
「ブタだから在るわよ、きっとね!」
女だけだと会話がえげつないのよね、大地。
「バコ~ン、」
「ギャバ!」
「よくも私の秘密をバラしてくれたな~。」
「委員長、いいん……キャハ、あは、キャハ……もう勘弁して揉まないでよ~。」
「ほ~らたくさん出て来たよ、ブラからパットがこんなにも……。」
「うわ~、ひふみよーい……十~も!」
「だって澪お姉さまのブラだから大きいのよ、詰め物は必要でしょうが……ぎゃ~……。」
悪ふざけ、絶賛進行中! の処に澪お姉さまが気を利かせてやってきた。
「あんたたち、賑やかでいいわね。」
「あ、澪お姉さま……。」
「ご飯くらいは炊いてあげます。二度では済まないよね。」
「多分、四回は炊くかな。」
「そうよね~一つは炊いて持ってくるよ、旦那も連れてね。二人の面倒をみているのですよ、それ位はいいですよね?」
私の妹たちは澪お姉さまに押しつけてしまい、今になっても起きて来ないお母さん。飲み過ぎだよね~。
でも本当はね、お爺ちゃんから大地のこと、私の事を説明されていたんだよ。私とお父さんは蚊帳の外ですって、問題起きないといいよね。
「タイムワープ!」
「わ~パジャマパーティだよ、うんと騒ぐわよ!」
で、夜更けになって、終了……。
「みんな、お休み~……。」
「俺、目の前にブラ下がるモノで、眠れないんですが……。」
「藍、起きてる?」
「うん亜衣音ちゃん、なにかな。」
「別になんでもないよ、今日は楽しかった、ありがとう、」
「いいよ、うんとお昼寝していて良かったね。」
「藍ちゃんのお陰だね。」
「プ~ン、チク、パチっ!」
「やられた~、痒いよ。」
「足を蚊帳に当てるからだよ。」
「ううん、人数が多くて蚊帳に収まらないのよ。もう蚊取り線香が消えているのかな。」
「そうね、明日は旅行の準備で忙しいよね。」
「うん、昼には荷物纏めて集合よね、それから飛行場へ移動して、ホントにアメリカの飛行機に乗れるのか心配だわ。」
「何でもビザが間に合わないので、密入国になるんだって、お爺ちゃんが言ってたよ。これってやばいよね。」
「向こうで逮捕されて強制送還かしら!」
「だよね。元、警視総監がいるからいいんじゃないの?」
「それ、なんだか似てる。そうかん……だよ?」
「あ、ホントだ。うける~、」
「お父様もクラスメイトたちの家を回って大変だったんだよね。」
「でも誰もね、両親が反対して旅行にやらないんだって。残念だよ。」
「そうなんだ、でもどうして私たちがアメリカに行けるのよ。」
「うん、そこだよ、なんでも……人質だと言ったそうよ。」
「で、お金を出せとも、言ってたら……笑える~。」
「言っているわよ、だって旅行費用なんてお父さんが出せる訳ないでしょうが、 家は大家族で貧乏なのだから。」
「お爺ちゃんはどうなのよ、幾らでもお金は出せる、と豪語されていたわよ。本当かどうかは不明ね。」
「多分、私の義足の手術代が~……と、悲鳴じみた声を聞いたわ。きっと私、高いのよね。日本では手術の技術が無いとかどうとか。」
「そうね……、」
「藍、藍……?」
「……。」
翌朝の早く三浦珠子が訪ねてきた。背中には旅行の荷物が入っていると思われる大きなリュックサックが背負われていた。
「先生、連れて行って下さい家出してきました。旅費は少ないからバイトして返済致します。」
「三浦……珠子さんだよね、」
「はい、」
「少し顔が分らなかったよ、ごめんな。」
「いいえ、ヘアピンが可愛いでしょう?」
「いや、ピアスというんだ。耳と鼻。鼻だけは外して欲しいな。」
「ダメですか?」
「お父様……隠し子さんですか。」
「藍ちゃん来たよ。一緒に連れて行ってよね。」
「……チーン。やだ~珠子じゃん。」
「どうかしら、アメリカの最先端の衣装で来たんだよ。」
「うん最高だよ。でも随分と大胆だよね。耳にはまだ空きがあるよね。」
「旅費が欲しかったから友達に売りつけてきたわ。少し残念だったけどいいもん。私も行きたい。」
「お父様、行けますよね。」
「あぁ大丈夫だ。でもな、その鼻輪が気になってな。」
「そうね、アメリカで行方不明にならないようにと、自分なりの配慮でしょう? 珠子さん。」
「いやよ、リングに紐つけるなんて。」
「お!……ゆで、」
「大きい体育の先生、おはようございます。」
「なんだい家出かいな。上がりなよ。あいつらも直ぐに起こしてやる。」
「はい、」
「カムイコロさん、その、珠子がなんで、ゆで、と呼ばれるのですか?」
「藍、気にするな。そのうち分るさ。」
「そうです……か~、分るかな。」
「藍、俺には卵焼きよりもゆで卵で頼む。」
「はいはい、ハードボイルドですね。」
「……いいだろう?」
「可笑しな……あ”、、、、、ゆで珠子!」
「バカ、藍……、」
「ごめんごめん。笑うから勘弁してね!」
「ヤよ、バカ、藍……、」
その後の朝食に、カムイコロさんと珠子にゆで卵を出す藍ちゃん。怒った珠子は殻のままを藍に投げつけていた。
「イタッ、なにするのよ。」
「殻を割りたかっただけだよ、お陰で殻が剥けそうだわ。」
でも、そんな騒動があってもね、誰もゆで珠子! なんて考えも出来ていないんだよ。みんなはもうアメリカに行きたい一心だよね。
家には珠子、藍、それに私以外は、朝食後直ぐに自宅へ走って帰る。
「みんな、しっかりな~。」
「お父さん、送らなくて良かったの?」
「あ……気がつかなかったよ。いいだろ、夜の出発だから間に合うさ。」
「も~お父さん!」
「沙霧先生、鏡台をお借りします。」
「はい、いいわよ。」
珠子……ド派手な珠子に変身したよ。大人しいと思っていた珠子がケバケバしい程に変身していた。これは何処で人生観が変わったのだろうか。
「珠子、その衣装……。」
「ゴスペル、いいでしょう、えへへ・・・。」
う~お爺ちゃんが悪いのよ、珠子、お願いだから正気に戻ってよ。さっぽろ雪祭りでゴスペルの味をしめたのだろうね、悔しいけれども似合ってるよ、珠子!
「珠子、可愛いくなったな。」
「はい、クマ先生。」
「お父さん、私のお願い、出来ているよね。」
「ポラロイドで良かったかい?」
「うん十分よ。向こうで入院中の私が、妹たちの顔を見て過ごすんだ。」
「そうだね、良い考えだよ。母親と双子の写真だが、良く似ている。」
「私にだよね?」
「母親にだよ。亜衣音は似ていない。」
三組の妹たちの写真。これを見て痛みを我慢するんだよ、大地。
駄女の駄文ですみません。




