第134部 亜衣音改造計画……カエルの足計画……
1971年7月20日
*)渡米に向けて……二人の選考だよ
それは……私の奇跡、奇跡が起こるのよね、大地。
「あぁそうだとも。亜衣音の奇跡だろうぜ……。」
人数なんて関係ないのよねお爺ちゃん。だってフェリーフライト、回送の飛行機利用だよね? ここを押し通す両親だった。さっぽろ雪祭りで多大な負担を掛けた旅行だったから、ここはひとつ再度の旅行で前の事件の帳消しを……と言うのが理由だった。
「グッジョブだよ、お父さん!」
お話は放課後の喫茶店に遡る。女子高生の早い登場に喫茶店のマスターが喜んでいるよ。それで手元の受注伝票が二枚とは、いや~実に手際がいいな。
私はお爺ちゃんから言われた通りにね、学校が終わってから喫茶店で私の義足が出来たからまたアメリカに行く事。それに藍と海斗以外に二人を同行させる事が出来ると説明したんだ。その二人の枠を巡ってお話は決裂だよ、夜にはね場所を変えての枠の争奪戦……戦争だよ。友達同士で喧嘩はよろしくないわ。
「あ……お父さん!」
「おう迎えに来た。で、どうだい二人は決まったか。」
「お父さん聞いてよ。決まるはずは無いよ。」
「そうだろうな~、クソジジイが何を考えて合計四人を連れて行くのか、俺にだって理解出来ない。」
「それにね、海斗くん。藍ちゃんは付き添いだからいいと言うのよ。でも俺が行くのはよ、どうも……と言うのよね。」
「なんだ、一人で行くのが気が引けるのだね。」
「そうです、お父様!」
「ギャビ……海斗まで、なんてこと言うのよ、」
「ダメかな、亜衣音ちゃん、」
「ダメですよ。私の旦那ではありませんからね。」
「海斗、デコピンをご希望かしらね。」
「いや~勘弁、ユウ、」
「私も反対です、お父様って、まるで息子気取りよね、全力で阻止します。」
「委員長! 頑張ってね。」
「真河川謝意……。」
「それ、その変換……読めるかな。」
「あらあら夕霧さんもど田舎の出身でしたのね、」
「藍ちゃん。もう喧嘩を売らないでよ、もう御弁当の件だけで十分です。」
「そこのへたれ、売られた喧嘩は買わないわよ。」
「私、大人です。バカには付き合いません。」
「うわ~夕霧さん、藍ちゃん。喧嘩はよそうね?」
「あんな田舎人は渡米は無理です。」
「なによ、あんたが優先枠を利用して、ほざくな!」
「亜衣音ちゃん、ユウと行けば私は喧嘩になるから、私かユウか、選んでよね。」
「それは藍ちゃんが優先だよ。でもね海斗くんのお守り役が必要よね。」
「海斗くんは大人ですので一人ででも大丈夫よね?……海斗さん?」
「俺に振らないでくれ。こうも女って面倒なんだよな。」
「え”~何ですって……?」x9
海斗くんは女の子の全員を敵に回したようで、地雷を踏んだよね。
お父さんの顔が段々と険しくなり、ついにはコメカミに特大の#の模様が浮き上がった。
「こら、お前たち。」
「ひゃ、」x9
「家に帰ろうか。車が待っているよ。」
喫茶店の前には車が三台も駐車している。お爺ちゃんと欽次郎さんだ。こうなると踏んでいたお爺ちゃんだよ、女の子で遊んで楽しんでいやがるのかよ。
自宅へ移動だよ、
自宅に着けば直ぐに保護者への連絡だね、お母さん。こんな時は母親に連絡させるのが一番お得。男親が娘さんを家に泊まらせます、なんて言えばね、『いいえ迎えにいきます。』と言うに決まってるよね、お父さん!
こんな時はね母親の柔らかい口調がいいんだよ。相手の警戒も解けるし場合によっては……喜んでいるかも? 知れないよね。
「亜衣音ちゃんさ、何を想像しているのよ。」
「あ~……委員長、ご両親がね、娘が居ないとね、淋し~~とね!」
「違うよね、Hが出来て喜ぶと言いたいのよね、」
「ギャビ……どうして分ったのよ。」
「あんた……バカだからよ。」
「ご両親は、とても若いと聞きました。まだ三十五歳でしょう?」
「うん学生結婚でね、十八歳だったんだよって、どうして知ってる訳!」
「高校生……で?」
「そうなんよね、二人とも実直過ぎたのよ。若気の至りかしらね。」
私の身の上を委員長にただ被せて話しただけなんだけれどもね、当りだったとは。
「へ~……ただ単に当てズッポウで言っただけだよ。誰も家庭の事情は知らないと聞いているよ。」
「うぎゃ……! あんたと同じかな? だって沙霧先生はまだ二十代にしか見えないのが不思議よね。」
「二十八引く十七歳は……九歳で私が生まれたんだよ。」
「あんた、卵から生まれたのよね、へ~知らなかったわ~ドン引きするわ。」
「なによ委員長! うるさい、黙れ!」
「や~い恐竜……トカゲ、は虫類……亀かな?」
「うぎゃ~……藍、これ何とかして頂戴。」
「ほ~ら言わんこっちゃない。亜衣音ちゃんも同じなんだね、安心したよ。これでこの女は除外だと決定ね。」
「こらこら藍ちゃん。仮にも友達でしょうがそんな事は言わないの。」
「はい、お母様。」
「みんな、ご両親の了解は頂きました。明日の昼までゆっくりして頂戴。あ、夕霧さん、お部屋までいいかしら。」
「はい、なんでしょうか、お母様!」
「ギャバ……委員長までお母様と呼んではダメです。」
「いいでしょう? 亜衣音様!」
急に自宅が騒がしくなったので起きてきたカムイコロさんが、
「お~~~これは女の子が、たっくさん! 賑やかでいいや。」
「はい、体育の元先生、お邪魔しています。」
「……してま~す。」x6
「亜衣音、これはなんの騒ぎだい。」
「はい、残りの二人の渡米枠の争奪戦です。」
「そうか、俺も行けるから楽しみだわい。」
破顔のお爺ちゃん、亀万に寄ってからお婆ちゃんまで連れて来たよ。今晩は大きな寿司桶が幾つ届くのかな?
「亜衣音、私の奢りだからね、」
「うん、お婆ちゃん。お財布にされたんだね。」
「ジジイも嬉しいんだよ、時期に孫の喜ぶ顔が見られるからね。」
「うん、ありがとう。私も義足が着くのを楽しみにしているよ。」
お父さんからの質問ね、
「あ~……亜衣音。ジジイからは説明が無いのかい?」
「うん、まだ何も聞かされていないよ。今は同行する友達選びだね。」
「そうかそうさね、渡米が楽しみだね……。」
お爺ちゃんから渡米する目的と同行させる者が、お父さんと藍ちゃん。それにカムイコロさんだと報告された。滅多に帰国しなかったお爺ちゃん、なんだかねとても懐かしく思えたんだよ、大地。
「もうすぐ会えるさ、」
「え~私の義足と会えるのよ、楽しみだよ、大地。」
綻んだ笑顔のお爺ちゃんが続きを言っている。
「あ、あ~それでな、あと二人は同行出来るのだが、どうしたもんかね。何だか大いにもめているそうだが。」
「親父、さっぽろ雪祭りでは全員に怖い思いをさせているんだ、全員を連れていけや。」
「穣……予算が足りないよ。お前が出すか!」
「う……お金で済むのでしたら出しますよ。ね~沙霧……?」
「お母さんなら夕霧さんとお話中だよ。呼んで来てよ藍ちゃん。」
「あ、あ、あ、そうか、直ぐに戻るさ、呼ばなくていいよ。」
夕霧さんとお母さんはなにをお話しているのか、想像は出来るが本当かどうかは分らない。
異様に燥いでしまった私は熱を出してしまった。学校が終わってからの五時間、こんなに続く体力は無いのよ。直ぐにカムイコロさんが私を抱き上げてお部屋に連れていってくれたんだ。
「大人しく寝ていろ!」
「うん、大人し・音なし。」
「ケッ、バカ言ってろ! お寿司に唐辛子を掛けて持ってきてやるよ。」
「それ、藍ちゃんだからね。」
「知ってる。お前にも味わわせてやりたいのさ。」
「ギャバ!」
あ~藍のお砂糖と塩、それに赤くなるほどの唐辛子、カムちゃんだったんだね。無事で良かった!




