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人狼と少女 垣根の上を翔ぶ女 亜依音  作者: 冬忍 金銀花
第九章 私の……巫女の力が無くなる日

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第123部 狂気の大地と……ひかる……


 1971年1月29日


*)二人のゆくえ……


 朝食を終えて皆はホテルのラウンジに集まりだした。理由は一目瞭然なのだ。テレビのニュースを見ていた。


「おい、何だよ、雪像や豹象が壊されたのかよ。」

「動物園じゃね、氷像だよ、バカか!」

「あれが言ったんだ、動物が壊された、と。」

「俺は氷像の動物が壊された、と言ったぞ。」

「へ~……そうかな、本当に……?」

「う……そうだよ。」


 馬鹿な男子生徒だとは思うが、巫山戯ふざけ合う姿が犬みたいで可愛いと感じた。


「黒猫……にゃん!」

「あ~誰かな、今の言葉……。」

「はい、未来みくであります。」

「バレた……にゃん!」


 でもお父さんがテレビのニュースを食い入るように見ていた。こんな父の姿は初めてのことだ。何時もはニュースを聞きながら新聞のニュースを読んでいるのよね。変かな、変だよね。そのお父さんがねお爺ちゃんに相談しているよ。


「親父、今日はどうするよ。」

「今日は中止しても良いが、付近の警備を更に強化させようか。」

「あ、親父! 黒のメイド服はどうしたんだい。」

「ワシが秋葉原で買っておいた、どうだ、これぞ時代の最先端だ。」


「朝からバカ言わないで下さい、お義父さん。」

「沙霧、今日は特に注意して欲しい。あの雪像や氷像は狙撃の練習だろう。警察官も増やしてもらうか。」

「私服よりも制服でお願いします。見て判らないのでしたら配備の意味が薄れてしまいますわ。」


「なんだ、お爺ちゃんが犯人なんだね。」

「亜衣音、聞こえておったか、耳がいいのだな。」

「お爺ちゃんと同じだよ、悪口は直ぐに聞こえてさ、都合が悪い事は聞こえないのよね。」

「あ~れは、ばぁ様だよ。ワシではない。」

「ほら、目の前で言っても聞こえないよね?」


「親父、警察庁でも評判だったらしいよな。」

「知らないよ、聞こえていないんだからな。」


 誰彼からの攻撃でもスルリと躱すお爺ちゃん。まだまだ耄碌もうろくしていないね。


「やかましい。」


 他人の腹の声も聞き分ける魔法の力を持つお爺ちゃん。これだから警察庁の最高まで行けたんだね。


「んな訳あるか!」

「うん、至極、ごもっとも。」


 会話が成り立つ。


「お爺ちゃん。今日の警備は五十人なのね。」

「亜衣音……どうしてそれを!」

「聞こえたよ、さっきの電話で指示していたよね。S.W.A.T. が、どうだの、と。」

「ホッホッホー、アメリカのドラマの話題が口に出たまでだ。」

「へ~、、、そうなんだ、」

「当たり前だ、」

「警察と話す事ではないよね?」

「……。」


 お爺ちゃんは黙り込む。孫が狙撃されるのかも知れないのだと、緊張のあまりに私の声も聞こえないらしい。


 ケブラー繊維で編まれた特注品のダンス衣装、一着が幾らしたのよね、特許で元を取る皮算用ならいいけれども。


「亜衣音、そこまで知ってて、なおダンスに行くのか!」

「うん踊りたいよ、お母さんたちのようにね、凄く派手にね。」

「沙霧~孫には勝てない。今日と明日は踊らせる。」


「私たちには無いのですか? その毛むくじゃらの衣装は……。」

「お前たちは、それ、そこの防寒着で十分じゃ。脚は勘弁してくれ。」

「まぁ、お義父さんったら、」


「お母さんたちの衣装も、その特許品で作られているわよ、そうでしょう? お爺ちゃん。」


「年寄りだと思って、若い亜衣音にも引けは取りません。こんな分厚い防弾服なんて着られませんわ。」


 親子三代の会話を遮る、一人の女性が現れた。夕霧さんだ。



「亜衣音ちゃん、大地くんとひかるちゃんが居ないわよ。」

「え?……ホント?」

「そうだよ、ウソ言ってどうなるのよ。」

「あ、そう言えば昨晩は何回? 転んだのか聞くのを忘れていたわ。」

「おい亜衣音、大地も知ってしまったんじゃろか!?」

「お父さん。もしそうならば、昨日から狙われていたとか、……どうしよう。

 心配だわ。」

「ワシが探させる、心配するな。」


「で、夕霧さん、いつから居ないのか分るか。」

「朝食の後からだと思います。あの時までは見ていました。」

「そうか、俺らも探しに行くか。」

「私も行く!」

「亜衣音はダメだ、ダンスの前までホテルに居てくれないか。」

「……だって、大地は自分が的にされるようにと、出て行ったのでしょう?」

「いいや逆で、犯人を捜して殺すのだろう。ひかるちゃんが付いて行ったのは、多分、後追いかもしれないぞ。」

「だったらひかるちゃんが危ないわ。」

「そうじゃのう、脂で弾は防ぐ事は出来ないだろう。」


「お爺ちゃん……叩いてもいいかな。」

「いや、冗談は言っとらん。あの女はピストルでは死なん。じゃがライフルとなると、もう無理じゃ。」

「え”……ひかる、本当に巫女なみの力持っているんだ。」

「あぁもちろんだとも、裸にして確認させた。」

「お爺ちゃん、ひかるちゃんを裸にしたの?」

「お前もそうだったろうが、身体測定、ジャスト九十……。」


「ギャバ!」「バッコ~ン……。」「ぎゃ~、、、。」「チーン、、、。」


 母乳を出していたから大きくなったのよ、本当は……八十五よ!



「ねぇ~、昨日の大地くんとひかるちゃんを見た人は居るかな。」

「夕霧さん、私、見ていません。」

「私も見ていませんわ。」

「あ、私も、」x?


 大地、昨日から何処に行ったのよ、とても心配だよ、大地。


 ダンス前に現れた二人は、


「あ、そうか心配かけたな。落ちた焼き鳥を食って二人でゲリして雪隠にこもっていた。見てみろ、ひかるの痩せた姿を!」


「ギャバ!」「バッコ~ン……。」「ぎゃ~、、、。」「チーン、、、。」


「そうだったか、皆、着替えに行ってくれないか。」

「は~い、」x37



「親父、……、」


「あぁ後で二人にも見張りを付けてやる。」

「頼むぞ、親父、」

「任せろ、穣。」


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