第108部 ダイヤの呪いの意味……
第106部 美保の……両親の急襲…… に、捻挫の治療風景を挿入しました。こんな事でも、外出先で捻挫した時に治療が出来ます。覚えておいて、実際に我が子が捻挫した時には、是非ともご利用下さい。冷たい感じがなくなれば交換になります。
昨日の出来事が、普通に戻った日。
私も普通に戻りました。ですが、記憶は欠けた部分がたくさんありまして~。七人の巫女たちは、美保以外の全員が無事に帰宅させられていた。お父さんが娘さんを送っていき、平身低頭して謝っていたらしい。立花の双子はお爺ちゃん家に越して来ている。
うん、とても良かった。でもお爺ちゃんは近い内に博多へ行くという。
美保の家からのお年玉は嘘である。何も届いてはいない。
1971年1月5日
*)六芒星……
少しは二日酔いも収まっただろうか……麻美お母様。大事なお話がカムイコロさんより未だに聞けていないのだ。カムイコロさんが麻美さんが来たら話すと、約束してくれた私の出来事。早く聞きたいのに聞かせては頂けないでいる。
それもこれも全部麻美さんが悪い。初日はカンカンに怒ってくれたし、二日目はそれこそ二日酔いで今のこの体たらくだ。誰が買ってきたのか鬼ころしという日本酒の銘柄。焼酎にもあって、主にお爺ちゃんとお父さんが飲んでいた。
「嫁殺しとか無いよね。大地。」
「あぁ無かったよ。でも大地の恵みというのは在ったぞ。」
きっとお料理が美味しかったので、あんなお酒でも美味しく飲めたのだろう。私からみたら、お酒なんて全部が、「あんなお酒」という評価になってしまうのだが。こんな感想を大地に話したら、
「そりゃ~お前が悪い。だいたいな、日本酒の歴史は2000年位前にさかのぼり巫女の「口噛みノ酒」が起源発祥で……、」
「大地、もういいよ。聞きたくも無いわよ。う~頭、いた!」
「お前も麻美さんと同じか。」
「そうね~、そのようね。ま~だ飲まされた酒が腹に残っている感じがしてさ気分が悪いわね。」
ここまで大晦日の出来事を大地に話しても、大地からは何も言わない、話も聞かない素振りなのよね、もう~あったまきちゃう。
「あ、あの酒、俺が買ってきたんだ。何だかさ、名前が気に入ったからね。」
「バ~カ、」
「なにを~!」
「べ~だ!」
「あらあら仲が良いのですね。」
「どこが、」x2
「ほら、そういうところですよ。」
「違うわよ、」x2
「うふふふ……。」
澪お姉さまは通り過ぎざまに私たちをからかっていく。まだまだ新婚で熱々の家族だ。私としても羨ましい限りだ。そんな思いで大地をみると、
「も~大地、だらしない。」
こういう反応にしかならない。もう倦怠期かしら。
「お前、生理か!」
「ばこ~ん……。」
「除夜の鐘かよ、」
「うるさい、黙れ!」
次に叩く素振りで大地は逃げていく。大地の先には美保が待ち構えていて直ぐに捕獲されている。
「大地、お布団を持ってきなさい。」
「はい……。」
大地は美保に使われ出している。澪お姉さまが私をからかった意味が理解できたかな。
きっと馬事公苑から徹さんが帰ってきたからで、さっきは表に出迎えに行っていたのかな。きっと二階から道路を眺めていたのだろう、もう昔のお母さんみたいだな、こんなことは双子ならばあり得るのかもしれないな。
う~焼けるよ、澪おねーちゃん。
玄関から入ってきた二人。徹さんは自宅に寄らなかったのか、いつもの騎士の服の出で立ちだった。私を見つけては一直線に歩いてくる。私は大地のお布団干しを邪魔していたのだけれども、名前を呼ばれて直ぐに理解した。
「は~い、お兄さま。」
「……大地くん、美保ちゃん、一緒に。」
「あいよ、」「はいな。」
「三人とも居たんだね。今日、クロと雷神を看てきたよ。元気そうだった。喜んでもいいそうだ。」
「ありがとうございます徹さん。獣医さんはその手の人だと聞いているし、間違いないよね。」
「だって、明さんだもの。」
「あ~、その手があった。だったら昨日から行って貰えば良かったな。」
「なにを言っている初日から看てもらっていたぞ。……亜衣音さん?」
「大地……怒るよ。」
「ごめん亜衣音、言うのを忘れていた。空港から直で看に行って貰ったよ。」
大地はそう言うなりに一目散に逃げていくのは私のパンチが怖いらしい。まだ力が十分に戻ってもいないのだから、物干し竿に手を掛けたままだ。
「きゃ~、」
と、今度は美保も同じく大地の下へ駆けていく。
「美保……、あんたたち、私に内緒にしていたのね。」
もう私は物干し竿を掴んで投げていた。だが物干し竿は「バタン、」という音を立てて足下に横たわるだけだった。この物干しは途中で添え木をして紐できつく? 結んであるのだが、
「大地、この部分は何なの?」
「あ、それ、俺が走り高飛びをしていてさ、失敗して折った所。」
「ふ~ん、力が余っているのね。今晩は少し分けて貰おうかしら。」
「きゃ~、亜衣音ちゃん。大胆!」
「美保……、」
私は周りを気にして一気に顔が紅潮したのだった。
「誰も聞いていないよね。」
周りは聴いても聞こえぬふりが上手いこと、なんというのか。徹さんまでもが横を向いていたが、澪お姉さまはクスクスと後ろを向いて笑っている、そう肩が少し震えていたものね。
「みんな、聞こえているわよ、亜衣音ちゃん。」
私は両手で顔を覆ってその場にしゃがみ込む。
「うぐぅ~~、」
あははと笑う美保と大地。徹さんは必死らしい……こらえていた。
「徹さん。ドクターは帰しましたがよろしかったでしょうか?」
「はい明さん。今日もありがとうございました。」
「亜衣音ちゃん、クロと雷神はもう大丈夫だからね。明日にでも面会謝絶はなくなると思うよ。」
「はい、ありがとうございます。」x3
三人が三人ともお礼を言ったので、それぞれが顔を見合って笑いだした。
「ぐ~っ、」
「亜衣音だろうが、」
「うん、安心したらお腹が空いちゃったかも。」
と、同時にホロお婆さまが昼食の案内に台所から出てきた。また座敷に食事を用意したという。因みに朝食はみんなが勝手気ままに済ませている。それに付いているお母さんが一番大変なのだ。娘を二人も抱っこしているしね。
もう双子を一度に抱けるのは限界だろう。次は私が母親の代わりになるのだね。
私は人狼の巫女の特異点らしい。普通は巫女の娘は二人までらしいのだが、
私の母は三人の娘を産んでいる。
赤、黒、緑、白、紫、青、ピンク、濃緑、琥珀、ダイヤの宝石を受け継ぐ十人の巫女達のうち、琥珀が宿命と言うか定めを終えた。それと新しいダイヤを引き継ぐ私だ。
赤、黒、緑、白、紫、青、ピンク、濃緑の八個の宝石に対して七人の巫女が現れたのだ。残る八人目巫女が何処にいるのだろうか。琥珀は最初から異色だと考えられていたのは、これは私を守るという役割だけだったようだ。
「大地、リハビリに付き合いなさいよね。」
「そうだね、一緒に走るのは久しぶりか。」
昨日の事はその私が先祖返りした事実は誰も話してくれなかった。いわば私に内緒である。七人の巫女たちは寝ている私に、罵詈雑言を浴びせて散々と言葉責めにしていたとか、もうあり得ない。
大地と欽次郎さんもその場に寝ていたから、やはりそのような事は知らない。
私は走りながらダイヤの呪いを考えてみたが全く分からない。恐らくは世襲制の代替わり的なものだけだろう。つい先日まで寝ていた私だ、身体は未だにひ弱そのもの。ランニング中に足がもつれて転んでしまう。
「おい、どうした。大丈夫か。」
「うん平気だよ。多摩川のタマちゃんを探していたんだ。」
「アザラシか、あれは俺が捕まえて食っておいた。二年前だな。」
「わ~多摩川の名物のタマちゃんだよ?」
「俺には食い物がなくてな、それで食った。」
ここは年末の闘争の跡地。まだまだ地面が抉れたままなのはお正月だものね。赤のコーンが置かれたままなのよ。
「おりゃ~、この~~~、」
大きな叫び声が聞こえてきた。聞き覚えのあるカムイコロさんが、ホロコロスでスクラップと格闘していた。それで、そ~っと覗いてみたら、今は熊の力がないので苛ついていたようだ。
「ほ~っほっほ~、」
ホロお婆さまも居た。カムイコロさんを見て笑っている。
「ヒグマや、ここはワシの出番じゃ、どいておれ。」
「そこ違う、もっと右、行き過ぎ、もつと右……、」
カムイコロさんが言うのが間違っている。
「あった~~~、」
大きなホロお婆さまの声。その両手に在る物とはお菓子の入っていた大きな空き缶、見覚えのあるメッキだけの空き缶だ。この中には私のカツアゲのお財布が入っている。
「大地~、私のへそくりが~……。」
「もう諦めろ。俺のポチをやるよ。」
「うん、」
「婆さん、中身はどうだい。」
「ぜ~んぜんだよ、あいつらが持って逃げているよ。」
「そうか残念だ。取り戻しに行くか!」
「もういいよ、亜衣音に火の粉が飛んだらいやだよ。潮時かね~。」
「俺、トカプチに帰るかな。亜衣音がまた巫女の力が戻るからさ。」
「そうだね、ワシも牧場へ帰るかの~。時期にトカプチも噴火するて、どうだいワシと一緒に牧場を始めないかい。」
「このさい、それもいいだろうな、そうするか。北海道に農地はようけ余っているし、こんな東京のくず山ではベコも飼えない。」
「よ~し、行くぞ~~~!!」x2
そんな声が聞こえてきた。私は少し責任を感じたが、二人の進みたい道を塞ぐことは出来ない。
「あの二人、帰っちゃうのかな。」
「亜衣音、巫女の力とお前の力は別腹だろう?」
「そうね、おやつと同じよ。」
「だったらあのくず鉄の山を平たく出来るだろう。」
「う~やってみる。…… 【エアー・ショット!】くず山崩壊特別番!」
「なんだ、そりゃ、」
私は右腕を伸ばして叫んだ。そこには空気弾のような攻撃を一点に集中させて任意の場所に配置出来るイメージで放った。そうくず鉄の山の中央付近で、それでもって地面の上にだな。これが最高の崩壊を招くはず!
「うぎゃ~!」「ほぇ~~!!」
と言う二人の叫び声が聞こえてきた。
「亜衣音、失敗かよ、」
「いいや、二人が慌てて逃げていくからさ、失敗じゃないと思うわ。」
「だったら……俺らも……?」
「そうね、逃げるわよ!」
カムイコロさんとホロお婆さまは多摩川に逃げ込んだ。寒いだろうに……対岸へ避難していく。私と大地は只管にきた道を脱兎のごとく走った。
十・九・八と、私の頭に数字が並んでいるイメージが湧いていた。それが……、五・四・三、二・一。カウントダウンが終わったから私は後方に特大に巫女の魔法を放つ。
【エアー・ドライヴ!】……私は両手を上に挙げた。最大の風魔法、強い風が渦巻く護身用のバリアだ。同時にホロコロスで特大の爆発が起きて、火焔が立ち上がり粉塵が勢い余って鉄板の壁をチューリップの最後の花の姿に変えていた。
パチンコの花が開いたよぅ…な……?
「うきょ~~!!」「バカが~~!!」
対岸では、
「たまや~!!」x2
「曼珠沙華のように車が飛んで行くよ、」「たまや~!!」x2
轟音と共に私と大地の前に横に後ろにと、色んな形になった破片が降り注いだのだった。近くに待機していたパトカーのサイレンが爆発に続いて鳴り響く。
「大地、逃げよう?」
「今はダメだ、怪我をするよ。第一に俺らが原因とは警察には理解出来ない。」
「そうね、そうよね。……痛い、痛いよ大地。」
そう言う大地は私の右手を強く握って上を向いて走り出した。
「ぎゃ~、怖いよ……。」
と叫んだ大地は笑っているし、降り注ぐ鉄板を器用に避けて、しかも払いながら走っていた。
「大地、ここは遊園地なの?」
「おもしれ~アトラクションだぜ!」
「……もう、バカ大地!」
いつぞやの細い路地に入ってからは歩きだ。ここまで来ればパトカーは追ってはこれない。大体が散乱した鉄くずの上を車は走れない。
「亜衣音、横は見るなよ。」
「うん、見ないようにする。」
そこは、あたかも、ケンタッキー州の竜巻のような大惨事になっていた。大地は私に聞こえないように、
「成仏して下さい……。」
(聞こえているよ、心で念じなさい。)
「悪夢だわ……!」
対岸で見ていた二人には、最大の花火に見えていた。ホロお婆ちゃんがね、
「ヒグマさんや、三尺玉を隠していたのかい?」
「いいや、普通の花火だが……まずったな。俺、弁償出来ない。」
大地の意地悪の解答は、 第107部に書きました。答えは、貼り付けた答案用紙のバツが見えるようにして、最後に貼り付けた、です。美保により発見されて、後日、爆笑を頂きました、です。あ、貼り付けた紙は乾燥してギブスのように固くなりますので、その前に取り除きます。




