専門店
「栄遅い、何してるの?」
佐伯は人の家でかなりくつろいでいた。
「佐伯さん、かなりでくつろいでますね。ここにあまり来てないはずだと思ったんですけど、」
「んー、いや、栄の家だからね、自由にしてもいいかなって。」
「にしても、だらけすぎだよ。人の家で下着だけなんて。それに私もいるんだけど。」
「えー、いいじゃない、楽だもの。それにベルマちゃんには一回見せてるから恥ずかしくないの。」
「はぁ、もう日が暮れるよ。帰ったら?」
「いーえ、帰りません。今日は泊まっていきます。」
「え…」
「ベルマちゃん一人にはしておけないでしょ?」
「私は大丈夫だよ。ほら、サイボーグだし。」
「?あなたサイボーグなの?」
「そうだよ。名簿とか見てない?」
「いえ、あまり確認しないわね。興味ないもの。でも、そう、サイボーグなの…」
「……」
「あ、ねぇ、機関を辞めた後にここに入ることになったのよね?」
「そうです。」
「それが分かれば、おそらく本部にまた召集がかかると思うのだけれど、それについても今日会議で言いに行けばよかったと思っていたのよ?でももう無理ね。」
「うーん、私は召集されても無視するからいい。」
「あはは、ご立派です!」
「でも、ホントにお義姉さん遅いね。」
「遅いわね。」
「見に行こうかなぁ…」
「私は残るね。おやすみ。」
佐伯は寝た。
「この人、ホントに自分の家みたいな振る舞いをする気がする。」
「スゥゥ…」
「あ、でも、こう見ると、美人な顔してる。それもそうだよね。初めて見た時もそう思ったもん。お義姉さんといい勝負だよ。」
「スゥゥ…」
「もう少し、待ってみよう…」
数十分が経った。
「ただいまー、」
「あ、お義姉さん、おかえり。」
「うん、佐伯…まだいたのか。」
「スゥゥ…」
「さっき、眠っちゃった。」
「仕方ないなぁ…」
栄は別の部屋から布団を持ってきて、佐伯にかぶせた。
「えー、暑くない?」
「快適な空調設備です。」
「いや、だからだよ。」
「まぁ、この布団があれば気持ちよく眠れるだろ。」
「んー、そうかな?あ、ご飯作るよ。何がいい?」
「いやいい、私食べてきた。」
「食べてきた?どこで?」
「その辺のラーメン屋。」
「ラーメン屋?専門店てこと?今時珍しいところがあるんだね。」
「んー、なんでもあの店は奥さんの夢だったそうだ。店長はそれを無くさないようにと頑張ってるらしいよ。」
「へー、じゃあこれからも贔屓にしないとね。」
「そうだなぁ、ギリギリだって言ってたし。」
「へー、大変なんだね。」
「そうらしい。まぁ、奢ってもらったけどな。」
「もらった?誰に?」
「店長に。」
ベルマは栄の肩を掴む。
「お義姉さん、それはダメでしょ。ギリギリなのに金巻き上げるのはよくないよ。」
「巻き上げるって…人聞き悪いこと言うなよ。たしかに悪いとは思ったけど…」
「けど?」
「逃げてきちゃって…」
「逃げた?なんで?」
「アルファのこと思い出して、泣きそうになった…」
「そっか…うん、そればっかりはどうにもならないよ。」




