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三犬と飼い主  作者: 洋梨
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紹介

栄たちは一般に実験器具を貸し出している民間ラボと言われている場所に来ている。

「んー、器具がしょうもないよ。」

ベルマは色々手に取り観察している。

「ここのは大体お古だからな、それにそんなすごい設備なら貸し出してない。」

「そうだけどさー、んー、私って元々機械の開発担当だったんだよね。」

「ん?なんだ?」

「サイボーグってどっちかというと私の専門分野じゃなかったんだよ。でも、才能を買われてさ、そっち方面に行ったんだ。」

「うん。」

「だからさ、なんか、その…あの…」

「ベルマ…誰もおまえを責めないから…おまえの技術のおかげで守られた命がたくさんある。それこそ少しの犠牲で多くの利益ってやつだ。大丈夫…おまえが気負うことはない、それでもおまえが後ろめたいと思うなら、まぁ…あれだ、何も思いつかん。」

「あはは、何それ?」

「あ、それこそ専門分野で研究を続けるとか、そこで発展していけばいいよ。」

「うん……ん?あーーーー!!!!」

ベルマは嬉しそうに一つの機械を触る。

「こ、これは!!」

「何かあったのか?」

「これみて!!」

「指輪か?見てもわからん。」

「ふふふー、これはね!ただのガラクタ!!」

「は?」

「というのも、今これは使われてないんだぁ…えへへ、欲しかったんだよ。これ。」

「へー、で?どんな機械なんだ?見たとこただの指輪だけど。」

「これは!マッサージ機だよ!!」

「ほう?え?マッサージ?」

「これを指につけて。」

「指?こうか?」

栄は左の人差し指に指輪をつけた。

「それでこの横の方に…あった!このボタンを押すと。」

栄の身体が震え始めた。その時二人は何もせず傍観していた。数分後栄は止まった。

「え?何今の?」

「これ筋肉の緊張をほぐす機械なんだよ。もうこの時代じゃ、あまり使われてないけどね。薬があるし。」

「ふーん、私はそういうのは分からないからなぁ…なんとも。」

「お義姉さん、腕とか動かしてみて。」

栄は言われた通り、腕を色んな方向に動かしてみせた。

「なんか、軽い。へー、いいなこれ。」

「軽くなったのはお義姉さんがきちんと身体のメンテナンスができてなかったからだよ。あまりやり過ぎるのもダメだから、一週間に一回くらいがベストだよ。」

「そうなんだ、なかなか便利なのにな。普及しなかったのか?」

「今は薬でそういうのは簡単に調節できるからいらないかな?薬の方が安いしね。」

「これ、貰えないかな?」

「さぁ?私のラボじゃないもん。分からないよ。」

「あはは、冗談だよ。ここ持ち出し禁止だから。他にも何か気になるなら、見ていていいぞ。私上に用があるから、また迎えに来る。」

「はーい。」

栄は建物の最上階に向かった。

「あ、これ、一昔前のロボットだ。このロボットが初めて人間の動きを忠実に再現できたんだよね、確か。あ、説明がある。へー、もう何十年も前の技術なのかぁ…なんか、楽しいな。」

栄は最上階の部屋に行き男性と話す。

「久しぶりだな。元気だったか?」

(高嶺たちからはまだ言うなって言われてるから、態度にも出さない方がいいか。)

「栄?おまえ何しにここに来た?おまえは機関を抜けたんだろ?」

「固いこと言うなよ。それより、弘中、新しい研究者欲しくないか?」

「ん?なんだ?いい人材でも見つけたか?悪いけど、おまえから見たら全員いい人材だから当てにならないぞ。」

「………まぁ、この際、その発言には目を瞑るよ。」

栄の笑顔が怖い。

「悪かった。で?おまえの連れてきた研究者をうちで雇えと、そういうわけだな?」

「そうそう、わかりが早くて助かる。」

「でもなぁ、今うちは機械系の開発に力を入れててなぁ…マイナーだからその研究者もうちに合うかどうか…」

「あ、専門は機械だって言ってたよ。じゃあ、大丈夫。」

「んー、生半可な奴らはいらないから、実際に会ってみないことにはなぁ…」

「じゃあ連れてくるよ。待ってろ。」

栄はものの数分でベルマを連れてきた。

「ほら、この子。」

「初めまして、ベルマ・ベータっていいます。」

「は?ベルマ・ベータ?」

「なんだよ?文句あるのか?」

「いや、もしそれが本当なら凄いことだが、確証がないからどうにも言い難い。」

「つまり、私らを信じないと、そういうわけだな?」

「そうなるな。」

「こいつ……」

「お義姉さん…仕方ないよ。今科学者は顔を隠して活動してるからね。変に顔バレすると命が危ないし。だから私のことを知らなくても不思議じゃないよ。」

「へー、そうなのか。」

「随分と詳しいな。んー、科学者の可能性はあるのか…」

「ねぇ、弘中?アルファ・ベータって知ってる?」

「ん?あぁ、残念だったな、恋人さん。殺されたんだって?全く、酷い時代に生まれたもんだな。」

「そんなことは聞いてないよ…顔は知ってる?」

「悪いな、知らない。」

「そっかぁ…」

栄はベルマの方を見る。

「打つ手なし!」

栄はベルマに笑顔を向けた。

「お義姉さんはアホなの?峰さんに連絡したら分かることだよ。」

「あー、そうか、そういやそうだなぁ。いや?なぁ、三池か港は帰ってるのか?」

「さぁ?まだじゃないか?もう直ぐだとは思うが。」

「何寄り道してんだか、あの二人は…」

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