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三犬と飼い主  作者: 洋梨
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「高嶺さん、お待たせしました。」

港ともう一人が高嶺の家の前に着いた。

「あぁ、入れ。」

テーブルを三人で囲んで座っている。テーブルの上には何もなかった。

「それにしても、あれは酷かったですね。ベータさん…」

「首、手足をもがれ、胴体も縦横半分ずつ、それを鉄杭で打ち付けてた…栄さんに見せなくて正解でしたね。」

「あぁ、けど、手足は残った状態で死んでいるとは伝えた…それで先輩は、すぐに殺しだって分かったよ。」

「それでしばらく謹慎なんでしょ?ここは誰が守ってくれるのやら…」

「それはベータさんのところもだろ。」

「………おまえら、一つ聞きたいことがある。」

「何ですか?」

「先輩が国に対して、反逆したらついてくるか?」

「止めるという選択肢は?」

「国の指令でベータが殺されたことを知ったら、先輩は間違いなく国を潰しにかかる。それはもう止められない。」

「止められない……か、高嶺さん、あなたはどうするつもりですか?」

「俺は…先輩につくよ。もう、この国は一回滅んだほうがいい。」

「俺は賛成っすよ。三池、おまえはどうする?」

「私も賛成です。私は国より栄さんの方が大事ですから。」

「はぁ、だと思ったよ。おそらく、ここの支部の人たちは先輩につくだろう…だが、それだけじゃ、勢力が足りない。」

「なるほど…つまり、ベータさんの支部を味方につけようってわけですね、大変だなぁ。」

「しかし、それでもまだ足りないのでは?」

「今はまだそれでいい、その後は徐々に勢力を増やしていく。この国に恨みを持つものは多いだろうからな。」

「はぁ、じゃあ、俺はベータさんの支部に行ってきますよ。ここは頼みます。」

「あぁ、ありがとう。」

「それより、ベータさんを殺した奴らはどうしますか?」

「一人が先輩に会いにきたところを見ると、他の奴らもおそらくそうするだろうな。」

「そうなると、今度は三人できますかねー。」

「そうなるな。」

「しかし、それでも栄さんには勝てないのでは?」

「そうでもない、相手は新型のサイボーグだからな、一筋縄ではいかないかもしれない。」

「そういえば、旧型は短期解決型、新型は長期解決型と対比されるくらいですから、長引かされると厄介ですね。」

「そう、そこが問題。今回みたいに相手が先輩をなめてかかって、近づいてくるなら三人いたところで問題はない。けど、そういうことはおそらくないだろう。」

「すいません、俺、その話詳しく知らないんですよ。短期とか長期とか、教えてください。」

「………はぁ、分かった。先輩達みたいな対国家戦争目的に作られたサイボーグのことを旧型、それとは違って対ブロッカー目的に作られたサイボーグのことは新型、これは知ってるな?」

「はい、」

「よし、旧型、新型といっても性能にはベースとなった人間そのものに起因するところが大きいからあまり変わらない。けど、大きく違うところが2つある。それが短期解決型、長期解決型と言われる所以。」

「ほう。」

「その違いは、旧型は戦争でより短い時間でより多くの敵を殺す為に瞬間的馬力がかなり大きくつくられている。このおかげで周りのものをいとも簡単殺すことができる。一方新型は対ブロッカー目的だから、一体で力つきるわけにはいかないから、より体に負担がかからないように瞬間的馬力が小さい。これが一番の違い。」

「なるほど。」

「それで2つ目の違いは、戦闘時間の差。」

「差?」

「旧型は瞬間的馬力が大きいから、1日に活動できる時間を超えるとすぐに身体にガタがくる上にその活動時間はかなり短い。普通に歩く場合とかは馬力がかからないからカウントされないらしいけど。で、新型は瞬間的馬力が小さいから活動できる時間はかなり長いし、活動時間を超えたところで身体に何か大きな変化を起こすこともない。

そんな感じだな。」

「へー、ということは、常々戦闘モードで構えなければいけない状況で三人で撹乱されたら、かなり厳しいことっすね。」

「まぁ、そうだな。」

「ところで、栄さんに誰がつけたほうがいいのでは?」

「あぁ、それは俺がもう一人心当たりがあるから、当たってみるよ。」

「にしても、なぜ国はベータさんを…」

「もしかしたら、先輩と関わりが深くなったからかもしれない。」

「しかし、以前より栄さんとベータさんには交流があったはず。今更なのでは?」

「いや、あの人たち婚約したんだ。」

「婚約!?はぁ、なるほど、つまり、上の奴らは反逆分子が一緒になるのはまずいと考えたわけだ…」

「でも、栄さんはともかくベータさんは国に献身的でした。なぜ、ベータさんを…」

「そこなんだよなぁ、俺もベータが日頃国に対して献身的だって情報は入ってたから、先輩と婚約したところで、狙われるはずがないと思ったんだけど…先輩はそこまで国にマークされてたのかって感じだな…」

「ベータさんが反乱分子になる前に手を打ったって感じすかねぇ…」

「もしそうだったら、まず栄さんを狙うだろう。その線は考えにくい。」

「……とりあえず、各自やることは分かってると思う、とりあえずはそれを遂行してくれ。」

「了承しました。」

「任せてください!」

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