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互い
「はっ!?」
「わっ!?」
「あ、あーちゃん、おはよう。」
「おはようって、まだ寝てから3分も経ってないから。」
「夢見てたよ。」
「夢?こんな短時間でか?」
「うん、私があーちゃんと出会った夢。」
「そっか。」
「うん、私は多分その時既にあーちゃんのこと好きだったんだと思う。」
「それは…なんかこそばゆいな。」
栄は少し照れながら自分の頰をかいた。
「ねぇ、あーちゃん。」
「どうした?」
「あの学校から生き残ってる人ってどのくらいいるんだろうね…」
「そうだなぁ、高嶺曰く、9割もいないそうだ。」
「そうなんだ。私、なんでブロッカーたちの事あんなに毛嫌いしてるんだろう?夢の中ではいい思い出なんかなかったのに…」
「さぁな、それはアルファにしかわからない事だろう。」
「ねぇ、あーちゃん?」
「何?」
「あーちゃんって呼ばれてまだ嬉しい?」
「あぁ、嬉しいよ。」
「そんなんだ、私も嬉しい。」
アルファは屈託のない笑顔を向ける。栄も嬉しいそうな顔を向けた。
「というか、はよ寝ろ。朝早くからはしんどいからな。」
「うん。おやすみ。」
「おやすみ。」




