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空色の約束  作者: 吉乃
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唯一の居場所

それから俺は高校生のグループと行動を共にするようになった。


お陰で俺はクラスの奴らからもさらに孤立していった。

もう近づいてこないような感じだ。


しかし高校生からしてみても、中坊の俺はガキ臭く、最初はあまり相手にはしてもらえてなかった。

それでも良かった。

どこにいても居場所が無かった俺にとって、学校に居場所が無い人達の集まりは教室にいるよりよっぽど気が楽だからだ。

でも、その中のリーダーだった米倉智也さんは何かと俺に優しかった。

米倉さんはケンカも強く、女友達も多い。

そして他校にも友達がいっぱいいる。その分敵も多いが。


そして男子校では女友達の多さは重要だ。おかげで米倉さんの周りには男女を問わず取り巻きが多かった。

ただ、おっかない人達でもあるので、遠慮がちに接する奴には冷たかった。

度胸が無い奴にも興味が無いようだった。


俺は米倉さんから弟のように可愛がられ、アホな事を一緒にやった。

一度、ナゼ俺みたいな中坊を他の人達より良く扱ってくれるのかたずねてみた。

そしたら一言だけ


「なんか、昔の俺に似てんだよね」


そう言われただけだった。なんだかすごく嬉しくなった。


そのうちアホな事を俺が考え出し率先してやりだしたため、だんだん周りの人達からもグループの一員として認められるようになった。

俺にとって初めての事だらけで失敗もあったが、そんな俺を見るのが楽しいと言ってくれた。

初めて原付に乗り、いきなりウイリーしてそのまま田んぼに突っ込んだり、

ナンパしてこいと言われてカラオケボックスに突入したり、

ウイスキーを一気飲みさせられてぶっ倒れたり、

スケボーにうつ伏せで乗せられて下り坂を爆走したり、

ケンカの最中、人間魚雷にされたり、

キツい事もあったけど、その度に爆笑してくれる米倉さんに憧れた。


その後、最低限の出席日数で辛うじて中学を卒業した。

そして親が学校に頼み込み、他の奴らより多く寄付金を払い、

高校受験もせず、そのままその付属の高校に進学し今に至る。


そしてどんどんドロップアウトしていった。

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