反省会
「話をまとめると、貞二は真央ちゃんが好きだったけど、真央ちゃんは忍が好きだったと…。」
真っ暗になった公園で馨が状況を納得したようにつぶやき、
「んで、忍は貞二のことが好きだと…」
「それはない。」
俺と貞二が同時に突っ込んだ。
「息ぴったりじゃんか」
馨の言葉でみんな笑った。
女の子達が帰ってから一時間くらい経った。
灰皿代わりの空き缶には大量の吸殻が溜まっている。
「てゆーかさ…、」
馨がセッターに火をつけ一息入れると、
「忍も貞二も鈍感すぎなんだよ。真央ちゃんの態度見てればわかんじゃん。貞二ももうちょっと時間かけてから告るべきだし、忍も貞二の気持ち知ってんならその辺考えて行動してやれよ。」
馨はこういうところが優しい。俺と貞二の気持ちを代弁するために、あえて言いにくい事をはっきり言ってくれている。
「ってゆーか、せっかく明日香ちゃんの番号ゲットしたのに連絡しづらいじゃんか。どーしてくれんだよ。まじで〜。」
さりげなく本音が出てる。こういうところが憎めない。
「別にその分、百合さんとメールすりゃいいじゃん。」
俺が知ってますよという顔をすると、馨はバレたかという表情をしたが
「百合さんはガード固そうなんだよ。その点、明日香ちゃんはイケそうじゃん。」
「お前、俺らが修羅場ってるのにホントお気楽だなぁ。」
貞二はしょうがねぇなという顔をしながら馨を小突いた。
馨はオーバーに痛がるそぶりをしながら
「とりあえず場所かえよーぜ。俺んちで飲み会するか?」
「いいな。」「賛成。」
と即決で馨んちに直行した。