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たった一人のファン

作者: ステイル

自分にはたった一人だけファンがいた。


と言ってもずいぶん昔の話だけど。


その一人は自分の小説が好きだと言ってくれた。


嬉しかった。


たった一人だけど、たった一人だけど


ファンがいた。


充分だった。


でも。


自分の中の何かはそれで満たされてしまった。


満足してしまった。


………………。


そして小説を書かなくなった。


このサイトも開かなくなった。


それから数年後、また小説を書いた。


そして見つけた。


見つけてしまった。


ファンの「頑張ってください」の感想。


何年も前のもの。


今さら気付いたって遅い。


返信を書くのもどうかと思った。


返信を書いてあげられなかったことがただ、ただ悔しかった。


そして、ひたすらに後悔してる。


ごめんなさい、自分はあなたの言葉に気づけなかった。


ごめんなさい、この小説を未完で止めてしまって。


とても、とても後悔してる。


今見直せば中二病を拗らせた小説。


恥ずかしいこと、この上ない。


けれど、それでも。


……もし見ていたら連絡ください。


私は生きてます。


物書きとしてまだ生きてます。


死んでません。


まだ、死にません。


まだ、心のなかに小説を書くための力はあります。


だから、一言ください。


「また書いてくれるんですね」


と。


あなたの言葉に気づけなくてごめんなさい。


でも、あなたの言葉はとても嬉しかった。


ありがとう。


私はまだ、頑張れる。

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