初めまして。
どうも。どういうわけだか生まれ変わって現在8歳のエレンと申します。
まさか自分が仏教でいうところの輪廻転生をするとは思いませんでした。
生まれ変わる前は日本という国で科学者をしていたこともあって、宗教概念にはとことん無縁でした。
私の研究所では、新物質の発見や新しい素材の研究開発を主に行っておりました。
物質の合成、測定、試作と様々な事を調べ、そこから金属化合物や電子系物質、有機伝導体などの影響と現象の解明などなど。他の部署ではありましたが、新しい元素の合成に成功した時は研究所の皆で大騒ぎをしたものです。
ぶっちゃけ自分が何故死んだのかさっぱり覚えていません。
たぶん研究所で何かしらの実験をしていた気もしますし、寝ずの研究も日常だったので過労で倒れた様な気もします。
28歳、研究と結婚した様な女でしたが、それはもう毎日が充実していたことだけは記憶しています。
で、冒頭に戻るのですが、この英雄の話は今世の私の父の事です。
母は元始の女王オリジン。精霊と人間から8年前に生まれたのが私。
実を言うと、父は精霊界で眠りにつきましたが、ものの1年ほどで目が覚めていました。
目覚めた早々、事のあらましを聞くなり疲れた、戻っても面倒だという理由で暫く精霊界で養生していた所、契約を結び、相方であった精霊王の母と恋仲となり、契りを結びました。
精霊王である母と契った事で、父は半精霊化してしまいました。それが原因で、父は力が制御できなくなりました。
元々精霊と契約して精霊王から借りていた力がありました。それを取り込み、自身の力とするための経緯で、元々持っていた人としての魔力と混ざり合う際に拒否反応が起き、暴走気味になってしまったのです。
危険という事で、今度は別の意味で人間界に帰れなくなってしまいました。
精霊界で力を制御するための修行をしつつ、その後、私が産まれて子育てと。それがようやく落ち着き今に至ります。
実を言うと、これには私の修行の期間も少し含まれています。
精霊と人間のクォーターとして生まれた私は、生前専攻していた名残の強いものを司るという運命と相成りました。
転生に気付いた途端、一体どんな運命なのかと興奮気味に研究段階であった事を実地でやらかし、どチートをかましてしまったのです。
この事件で精霊界の次期女王としての教育が始まってしまった2歳の出来事でしたが、それは今でも反省していますが研究者として後悔はしていません。
骨の随まで染みた研究魂は気になったら実験は当然です。じゃないと気になって眠れなくなります。
実現化する精霊は大精霊以上の力が必要となりますが、私は人間の血が入っているために元から人の形を取り、人間と同じ速度で歳をとっています。
と言っても、やはり精霊であるからなのか、人の子の平均よりも身体は小さめです。10歳の女の子の平均身長が140cmに比べ、私は現在120cmもありません。なのでよく5~6歳程に間違えられます。
母曰く、人間でいうところの15歳位の体格になったら成長が殆ど止まるだろうと言っていました。でも、それと比べても私は成長がゆるやか過ぎると首を傾げていました。
ここで気付きました。たぶん転生前の私が影響しているかもしれません。ものすごいチビだったので。
……ご察しの通り、童顔ぺちゃぱいでした……。異性に告白しても妹にしか見えないと言われたり、隣を歩くと犯罪者扱いされるから外に一緒に出たくないと言われたことがちょっぴりトラウマです。
ちなみに今世の母は巨乳です。デカパイです。多分Aから数えて8番目か9番目位ありそうです。お願いですから将来的にここだけはDNAが仕事をしてくれる事を祈っています。
しかし父はむしろ小さくていい、いつでもだっこできるからと始終笑顔。
そして私もまあいいかと、よく父にバンザイをしてだっこをせびるのが日常です。
成長が殆ど無くなると、そこから先は数十年、数百年でようやく1歳という速度で成長するとのこと。長い、なが~~い目で成長したいと思います。
そして精霊としての力は、エレンという名前から察していただけると思いますが「エレメント」からきています。そう、元素です。
私はどういう因果か、元素の精霊として転生したのでした。