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5.仲間~



ひとしきり泣いたソフィアは落ち着きを取り戻し、ユウにいろいろなことを話してくれた。


「私の家族ってね、鬼の一族の生き残りなの。…鬼は人間を殺すのが生きがい。そんな鬼の子供の私が人間と仲良くしたいなんて言うものだから、お母さん怒っちゃって…私を殺そうとしたの。…逃げることしかできなかった。そして夢中で逃げる中持ち出したのがこの『斬血の鬼剣』ブラット・キャバリア。鬼一族の宝刀。そして、…私と家族との唯一の繋がり…」


そう言いながらソフィアは手に握る刀を大切そうに見つめる。


(そうか。だからこの子はこの刀を…家族との繋がりを大切に…)


「…へへへ。…変だよね。こんな私が人間と仲良くなんて。怖がられるのは当たり前だし…」


「俺は…俺はソフィアと仲良くしたい。優しいし、かわいいし、それに…かわいいし!!」


とにかく言葉をかけずにはいられなかった。

おかしなことを言っているのはわかっている。それでもユウは言葉をかけた。

ソフィアは、ユウの言葉を聞きしばらく驚き唖然としていた。


「……ぷっ、、、キャハハハハ。かわいいが二回も入ってるよ。ほんとにユウは変わってるね。でも…うれしい」


よかった。やっと笑った。ユウはそのことがうれしくて思わずガッツポーズをとった。


「それは…なんのポーズ?」


「あ、えっと、これは…ハハハ」


思わずとったガッツポーズを指摘され、なんだか恥ずかしさがこみ上げ、頭をかくユウ。

そんなユウを不思議そうに見つめるソフィア。

なんともほほえましい時間だった。


「あ、あのさ、ユウ…」


不意にソフィアは口を開いた。

その表情は先ほどとは違い、真剣な表情だ。


「…えっと、どーした?」


ユウも空気を読み真剣な表情になる。


「あのね、もし…だよ?もしね、ユウがよかったらなんだけど…一緒にいさせてくれないかな…。ユ、ユウも何か目的があるんでしょ? も、もしかしたら私も何か役に立つかもしれないし…それに…それに…」


照れながら、そして言いづらそうに言葉を話すソフィア。

ユウはそんなソフィアを見てニコッと笑顔を見せ、


「そんなのこっちからお願いするよ。俺と一緒にきてくれ、ソフィア」


二人は顔お見合わせ笑いあった。

こうしてユウとソフィアは一緒に旅に出ることになった。

ユウはそう決まるとすぐに自分のことも全てソフィアに話した。

どーして自分がここにきてしまったか。何をしようとしているのかを全てソフィアに打ち明けた。


「………えーとつまりユウはあこの世界の人間じゃなくて、元の世界に帰るために旅をする…っていうこと?」


「う、うん。信じられないかもしれないけど、そういうことかな…」


ユウは何ともいえない顔でそう話す。

それはそうだろう。例えここが異世界だとしてもこんな話、信じてもらえるとは思えない。


「…わかった。信じるよ」


…まさかと思うほどすんなり信じてくれた。


「疑わないのか!?それともこの世界ではよくある話とか…?」


あまりにすんなりと信じるものだから思わずユウは聞き直した。


「そんな話は聞いたことないよ。普通だったら疑ってるけど…ユウは嘘なんてつかないでしょ?私はユウを信じてるから」


なんとも照れくさい。女性にこんなことを言われるのは初めてなユウは顔を真っ赤にしながら照れ始める。

だが同時にうれしさもあふれ出してくる。


「いやぁー。なんか照れんな。ま、まあこれからよろしくな」


「うん!!」


こうして俺とソフィアはお互いを分かり合い、一緒に旅立つことになった。





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