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お昼休みは異世界で  作者: 未羅ねらと
始まりの召喚
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門番

ガルバの誇らしい顔つきに少し顔を歪ませるイリリ、その隣で呆然と立つ健一。


 やっぱり、この2人はレベルが違う。レベルといっても練術のレベルではなくて強さのレベルのほうだ。間違いなく俺1人だったら死んでいたよな、うん。まだ、俺tueeeeeeeeeは無理だな。でも、時間はないよな。もう一度召喚してくれねぇかな。


 そんなことを健一が考えているうちに1人の足音が聞こえてきた。


「みなさん、ご無事で何よりです」


 兵を数名引き連れたスフラ王女が健一達の傍まで近づいていたのだ。


「王女様、この場所はまだ危険です。周りに『厄気』が潜んでいる可能性があります」


「イリリ、それならもう必要のない心配です」


 そう言うと手を後ろに指す。そこには黒い塊、不気味な小山のようだ。


 何だあれ? よく見ると何か光っているような……! 


「あれってもしかして!!」


 急ぎイリリに返答を求めるが、健一自身も答えを知っている。自分達3人でも数体仕留めることがやっとな敵、それが30体は重なって倒れている。


「ええ、黒騎士の集団の成れの果てですね」


 間もなく、黒騎士の死骸の山は発光しながら消えた。


「残りの兵達が殺ったのか?」


 健一が疑問に覚えるのも当然だ。結界に閉じ込められたのは健一に隊長2人、兵達も精鋭であったはずだ。あの数の黒騎士を相手に出来るとは思えない。


「いえ、王女様が対処して下さったのでしょう」


「スフラが?」


「はい。今、この世界で1番の錬術使いはスフラ王女です」


黒い霧は一段と深みを増し視界を遮る。そんなことはお構いなしに進軍を続ける。ただ、撤退する別働隊もいる。ここまでの戦闘不能者は20数名、『媒体』が切れ、補充も困難だと判断されたのが10数名。これらの護衛をかねて20名、酷な話しだがこの護衛の兵士達はこれからの戦闘には足でまといになると判断された者達だ。と言ってもただ撤退するのではなく『厄気エリア』の周りに群がる『厄気』から王都までの道を確保する任務を与えられている。本軍がコアを破壊した後、安全な帰り道を用意するためだ。


「うわー、まだ居るのかよ」


 黒い霧の奥、黒騎士達が兵士達と向かい合う形で待ち構える。再びの再開に健一は愚痴をこぼす。自らも倒した相手、更に、スフラが実際に山になる数を倒したにも関わらず、また相まみれたからだ。


「そんな顔しないで下さい。もっと奥を見るとイイものが目に入りますよ」


そう言いながら指を指すスフラの先を見ると、黒い影の隙間から直径3m程の赤い光がうっすらと見える。


「何あの不気味な光、キモイ」


 目を細め不快感を隠そうともしない顔を浮かべる健一。そんな健一とは対象的に目を開き何かの決意を固めたような顔なスフラ


「あれこそが私達の目的、『コア』です」


「じゃあ、あそこにいるのか?」


「はい、あの『コア』の近くにいる門番倒し『コア』を破壊すればこの『厄気エリア』は消滅します」


 健一はもう一度赤い光を見据えた。隣のスフラがこれまでのどれよりも大きな、覇気のある声で最後の指示を出す。


「予備隊、10名を残して全隊で突入しなさい。イリリ、ガルバは私達に続いて門番を討伐します。ここで『媒体』が切れても構いません。この戦いを乗り切れば私達の勝利、この世界の平和の一端を掴みとるのは私達です。進みなさい!」


 スフラの指示に声を荒らげながら意力を示す兵士達。全員が目を見開き体からは湯気が噴き出しそうだ。そして、走りながら『練術』を発動する兵士達。皆、全力疾走だが隊列は乱れることなく黒騎士達との距離を詰める。


「王女様、参りましょう」


 スフラの元に3人が集結する。隊長2人共、獰猛な兵士達とは正反対に冷静を保っているが目の奥に映る闘士は誰よりも火だっているようだ。


「やっと、あのヤローに借りを返せる。早く移動しましょう」


「ええ、そうですね」


 スフラはポケットからフェバルと虹色に光る小石を取り出した。


「それは何?」


「これは空操石と言って、直径2mぐらいの範囲内であれば数十m先に瞬間移動が出来ます」


「何それすげぇ、便利。さすが異世界だ。って、うん? イリリ、それを使ったらフェアリーの結果から脱出出来なかった?」


「空操石は王女様しか使えません。それに空操石は貴重品ですので」


「そうなんだ」


「では行きますよ。門番の前までに」


 空操石にフェバルをかざし、虹色を赤色に塗り潰すとやがて白い光が錯乱する。他の『練術』と違う点は光の胞子は天に上ることなく4人に纏わり着く。


 健一は奇妙な光景に思わず目を薄めると突然、光が発光し思わず目を瞑ぶることになった。


 一瞬のことだが、再び健一が目を開くと。


「何だよ、こいつ!」


 巨大な赤い光を背景にしているのは巨大な偶像物。銀色の体に白いドレス、金色の4つの翼、顔は巨大な体に比べれば小さな顔に赤い瞳。だが、目に入るのは顔の頭上、白いリング。


「これが『王都厄気エリア』の門番、levelは8、軍によって名付けなれた名は天使です」



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