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17話 エルカ無双



 その魔物は驚愕していた。

 状況を理解できない。受け入れたくない。いったい何が起こっているのか、脳の処理が追い付かない。

 自分は強いはずだ。狩る側に居たはずだ。

 なのに、どうしたことか?

 必死に逃げている今の姿は、まるで今までその爪にかけてきた獲物のようではないか!




 彼は群れの斥候であり、周囲の警戒や餌場探しなどを役割としていた。

 彼らは強い。

 この森の中でも上位に存在する魔物の種族の一つなのだ。


 太い前足、力強い後ろ足、ピンと伸びた髭と尻尾。鋭い牙と爪を持ち、魔力で風さえも操る。

 何よりも恐ろしいのは背から生える一対の翼だ。その羽根一枚一枚が鋭利な刃物であり、鋳造の剣程度ならば受けることも許さず断ち切る鋭さを誇っている。

 彼らは人間の分類した名称で呼ぶならば“ 刃翼虎リッパータイガー ”という種族だ。

 一足駆けるだけでどんな獲物も逃さず仕留める素早さと攻撃力は脅威であり、危険度は一匹だけでもBランク。群であればAランクにもなる魔物だった。


 そんな恐ろしい魔物の一匹である彼は、焦っていた。

 いつも通りなら容易に見付かる餌場が、最近は全く見つからないのだ。


 いや、見付かることは見付かるのだが、大抵荒らされ尽くされている。

 大繁殖した猿のモンスターによって。


 魔物は知らないことだが、ジュリアマリア島の肥沃な大地に育まれた森は、様々な動物やモンスターにとって、餌場として非常に優れている。

 多くの魔物が日々餌場を取り合って争い合い、一日で一つの群れが滅ぶ場合も少なくない。

 だが、そうやって森の秩序は保たれているのだ。


 しかし、群れの敗北、大きな事故や病気の発生、強大なモンスターの出現などがなく、群れの数が減らなかった場合。そのモンスターの群れはどんどん増え続け、森が維持できる適正数を超えてしまう。


 それが大繁殖だ。


 魔物は、あまり考えることが得意でない頭を使い、記憶の中で餌場を探す。


 そう、たしか近くに亜人達の集落があった。

 彼らは余り美味しくないし、食い応えもないが、何も食べられないよりかはマシだろう。

 群れの長も空腹で苛立っている。

 ここで何も見付けられずに帰ろうものなら、自分が食われかねない。


 餌場がなかなか見つからない焦りもあって、彼は周囲の警戒が少々疎かになっていた。

 例の亜人達は一部の毒持ち以外は恐れるに足らない。そういう先入観もあっただろう。


 だから彼は、すぐには気が付かなかった。


 素晴らしい切れ味を誇る自慢の翼、その片翼がいつの間にか切り落とされていることに。


「ガァ!?」


 恐ろしいことに血が吹き出しているのに、痛みを全く感じない。

 切断面から離れた後ろ足に流れる血の感触で異常に気付いた程なのだ。


「こちらエミナ。モンスターを発見、接敵と同時に仕掛けてみましたが、師匠お手製の骨ナイフはモンスターに充分通用します。ヤディカさんの麻酔毒も相当です」


 甲高い声だ。

 幼い匂いがする。

 彼は獰猛に笑った。

 原因不明の無痛の攻撃は恐ろしいが、子供相手ならばどうということもあるまい。

 前足で殴って人質にする。

 そうすれば謎の攻撃を放ったヤツも、出て来ざるを得ないだろう。


「グルァアッ!」


 声のした方向へ飛びかかる。

 強者である自分をコケにしたのだ。楽には殺さない。泣いて命乞いをさせつつ、足の先からゆっくり食んでやろう。


 残酷な楽しみに顔を歪める彼だったが、致命的な問題が起きていることを知らなかった。

 軽やかに着地する。と、同時に足がもつれ、盛大に転ぶ。

 子供の姿はない。

 何が起こったのだ!?

 地面に顔を擦り付けながら立ち上がろうと藻掻く。

 なのに、足は一向に言うことを聞かない。


「!? ……? ……!?」


 声にならないほど驚愕し、自分の足を見た。

 痙攣し、力の入らない足を。


「何が起こってるのか分からないわよねぇ」


 そこには餌にしてやろうと考えていた亜人族の女が立っていた。

 だが、肌の色が違う。

 彼が知っている亜人族の女は緑色だった。

 警戒すべき毒持ちはイチゴカズラのような赤色をしている。

 しかしコイツは目が覚めるような美しい青色なのだ。


「即効性のある麻痺毒を散布しておいたのよ、効くのも抜けるのもすぐだからねぇ、安心してねぇ」

「ゴァ、グァウ!」


 脅すように吠えたつもりが、口がうまく動かない。

 ようやく彼は毒を盛られたことに気がついた。


 失敗した! 毒持ちは赤ではなく青だったか!

 効き目が弱くて助かったが、戦い続けることは厳しい。

 餌場として使えることは分かったのだ。

 群に帰っても殺されることはあるまい。


 僅かに動かせるようになった足に力を入れ、彼は躊躇わず逃げ出した。

 刃翼虎の群には明確な身分があり、彼はただの使い走り程度でしかない。

 戦闘に長けた戦士階級を多く含む群全体で襲いかかれば、亜人どもなどあっという間に殺してしまえるだろう。


「エミナ、予定通りモンスター逃がしたからねぇ」

「ありがとう母さん。群の位置を確認してくるね」

「無理はしないでねぇ、この方面の担当はウチだけじゃあ無いんだからさ」

「大丈夫。ノサマトやガレナちゃんと一緒に行くから」

「危ないと思ったらすぐ帰ってくんのよ?」

「はい、母さん」




◆◆◆




「クァアアアアアアアアアン!!」


 森の中に凄まじい叫びが響いた。

 この魔力に満ちた声を聞けば、弱い動物ならばたちまちに命を奪われ、力ない魔物は一目散に逃げ出す、音そのものに力が満ちた声だった。


 “騒音亜竜クラクション・ドレイク


 この魔物はそうやって狩りをする。

 人間の定めた危険度ではAAランクのモンスターだ。Aランク以上になった時点で、人間にとっては災害と変わらない。

 ただ過ぎ去るのを待つことしかできない脅威そのものなのだ。


 ただ叫ぶだけで獲物は死ぬ。

 その能力を恐れた人間が付けた字名が“ 死哭竜 ”

 魔物は、自分が強く優れた存在であると理解していた。


 今回も例外はない。

 自分の姿を見て逃げ出そうするどころか、睨んできた時は何をする気だと思ったが、どうということもない、これで終わりだ。

 モンスターは、相手が震えて蹲るか絶望して命を諦めているだろうと確信し、悠々と獲物を見下ろした。


 だが、そいつは変わらず仏頂面のまま、平然と立っていた。


「クゥアア……」


 もしかしてそのまま死んでいるのか?

 ならば余程間抜けなヤツだったんだな。

 そう思いながらモンスターは間抜けな獲物を食ってしまおうと齧り付いた。

 

 が、噛み切ることが出来ない

 獲物の筋肉が分厚すぎて、牙が通らないのだ。

 岩でも柔肌のように噛み砕ける牙が、顎の力が、まったく通じていない。

 それどころか、徐々に口が開かれているではないか!?

 亜竜とはいえ、竜種たる自分の牙を跳ね除け、あまつさえ押し返すとは!


「竜種と聞いていたが、この程度か……」


 死んでいたと思った亜人の男が拍子抜けしたように呟いた。

 馬鹿な!?

 ただの亜人がここまでの力を持つなど……!


「これでは、師匠に認めてもらうことなど出来んな」


 渾身の力を込めて食らい付く。

 たかだか亜人種。餌にするまでもない弱く不味い劣等種に竜種がここまで舐められていいはずはない!


「そうだ、本気で来い! でなければ俺はあのスケルトンを超えることなど出来ん!」


 突如走る激痛!

 経験したことのない異常な痛みが口の中を電流のように流れている!

 亜人が、牙を手で掴み強引に握り潰したのだ。


「クアアアアアアアアア!?」


 竜種に産まれ、絶対的な強者として生きてきた騒音亜竜クラクション・ドレイクは、産まれて初めてその破壊の魔力が込められた声で悲鳴をあげた。


「ルマダよ、驕らず嬲らず、敬意を持って相対せよ」


 森の奥からふらりと壮年の亜人が現れる。

 コイツもまたやけに逞しい体をしていた。


「分かっていますよ、村長」

「今は父でよい。それとな……」

「はい、父上」

「師匠をスケルトン呼ばわりは許さんぞ、あの方はただのスケルトンには収まらぬお方よ」

「師匠は自分を超えよ、と仰っていましたよ」

「ほっほ、若さに任せて噛みつくのはいいが、せめて儂に勝ってからにするんじゃな」

「クソジジイめが……」

「なんか言ったかの? クソガキ」

「いいえ、何も。耄碌したのでは?」

「……」

「……」



「クァアアアアアアアアアン!!」


 何故か睨み合いを始めた亜人二人目掛けて音の砲弾を放つ。

 広範囲に音を広げた時とは違い、音の波に指向性を持たせた必殺のブレスだ。

 直撃すれば欠片も残るまい。

 強者である竜種を前にのんびりと会話なんぞしているからだ。

 馬鹿め! 馬鹿め!


「ちぃ、鬱陶しい長虫め」

「やれやれ、親子の会話に無粋じゃのう」


 地面を削り飛ばした土煙を払いのけ、亜人二人はブレスの爆心地から、いっそ余裕さえ見えるような足取りで現れた。


「クアアア!?」


 ブレスとは竜種の代名詞と言ってもいい攻撃だ。竜の持つ魔力を口腔内で増幅させて放つ切り札なのだ。

 その竜種の最強の攻撃が通じていないだと!?

 こんなこと、あり得ない!!

 なんだ? 背骨が震え、凍えるようだ。

 視点がぶれる。

 あの二人から目を背けたくて、逃げ出してしまいたくて堪らない……!


 これが、これが恐怖だというのか!?


「こちらも大技でお返しするとしよう」

「師匠と共に開発せし四十八の必殺技、受けてみるがよい」


「クァアアアアアッ!!」




◆◆◆




 突進猪チャージボアと呼ばれるモンスターがいる。

 数体から十数体で群れを作り、主に草や苔、木の実や皮を食べている温厚な種だ。

 ただし、その縄張りに入らなければ、という条件付きだが。


 一度自分達の縄張りに侵入してきた外敵を見付けると、自分か敵のどちらかが死ぬまで追跡し、突撃し続ける。それが突進猪の恐ろしさだった。


 だが、ただ直進してくるだけという性質から、罠や障害物に誘い込まれることも多く、対処がしやすい。

 人間や亜人にとっては狩りやすいモンスターの一つであり、たまに自分の実力を過信した愚か者や、群れごと怒らせたアホが犠牲になる以外は被害が少ない。


 そんな 突進猪の中に、一際巨大な個体がいる。

 彼は種族の特徴から比較的短命の多い 突進猪の中にあって、百年近く生きてきた長老であった。

 突進猪は 単体ではCランクそこそこ、群れではBに届くかどうかという危険度のモンスターであるが、彼のみ、Sランクという認定を受けている。


 何故なら、彼は様々な魔法を使いこなすことが出来たからだ。

 賢くない印象のある 突進猪だが、実際は決してそうではない。

 むしろ、 その優れた嗅覚から得た情報を処理する脳は演算能力に優れているのだ。

 故に、長年生きた彼は森に漂う魔力の扱いを自然と学び、魔法を習得するに至ったのである。

 元々が生命力が高く再生能力を持つモンスターであったのに、魔法による全距離全方位攻撃を得たことにより、人間では到底手出しできない存在にまでなった。

 それが彼、 魔道老猪エルダーマギボアだった。


 そんな彼の前に二人の亜人が立っていた。

 魔道老猪の住み処は突進猪の縄張りの最も奥、そびえる岩山の天辺だ。

 突進猪にとって神にも等しい彼は、自ら餌を探す必要もない。全て彼の部下であり子供である突進猪達が運んできてくれるのだ。

 魔道老猪にとっては久方ぶりに見る多種族。だがそれに興味を惹かれたというよりも、ただひたすら面倒臭そうに亜人を見やる。


 ここまで来たということは、それまでに彼の子供を何匹も殺しているということだ。

 群れの数が減れば、自分で食べ物を探しにいかなければならなくなる。それは酷く億劫だ。

 余計なことをしてくれたな、と魔道老猪は鼻を鳴らす。

 こんな取るに足らない亜人を殺すことなど造作もないが、それも面倒臭い。

 さっさと片付けるとしよう。


 魔道老猪の瞳が魔力の輝きを帯びる。

 彼が睥睨した地面が隆起し、鋭い杭となって亜人に襲いかかる。

 これでお仕舞いだ。

 亜人の周囲の地面、全方位から杭を射出している。

 逃れる術はない。


「せいやぁああッ!」


 だが、勝利を確信していた彼は驚き、呆気に取られる事となった。

 此方を窺っているだけだった二人の亜人の内一人が、気合いと共に回転したのだ。

 恐らく、杭に合わせて蹴りを放ったのだ。

 ただそれだけ。たったその一回の攻撃で、全ての杭は砕け散っていた。

 この亜人、強い。

 よく見れば肉体は極限まで鍛え上げられ、一塊の鋼のようだ。


「この程度ではまだまだ、あの子に及ばない。もっと力を出させてくれ!」


 怠惰に寝そべっていた魔道老猪だったが、戦意にぎらつく亜人を前に、身動ぎして体を起こした。

 百年生きたSランクのモンスターである彼をして、目の前の一人の亜人を対等に戦うべき相手だと認めたのだ。


 ……?


 彼は違和感を覚える。

 目の前の亜人は一人?

 最初から一人だったか? 二人ではなかったか?


「オットン、相手は格上なんだから挑発しちゃ駄目よ」


 ぽたり、と両目の中に何かが落ちた。

 その瞬間、痺れるように痛みが広がっていく。


「びぎぃいいい!?」


 経験したことの無い痛みに頭が一瞬でパンクし、本能に任せて絶叫する。

 神経が泡立ち、肉が溶けているかのようだ。

 視界が潰されている。これは、毒か!?


「すまないゾエ。でもヤディカは一人で突進猪を狩っていたというし、親である僕たちはもっと強いのを狩らないと」

「その気持ちは分からなくもないけど、だったら私はもっとエルカ族を襲う悪人を倒したいわ。そうすれば、ヤディカだって安心よね」

「それは他の亜人族という意味かい? さすがに戦争は良しとしないんじゃないかな?」

「そうねぇ、でも何時かは、ね」

「うん、そうだね、何時かは、だ」


 空気を割く音、着地する音。

 二人目は宙に跳ねていたのか。

 取るに足らない相手と見て油断していた。

 だが、視界が潰されたくらいで魔道老猪の戦闘力は低下しない。

 聴覚と、何より優れた嗅覚があれば例え視覚が無くとも相手の位置を割り出すことなど容易い。


「びぃぎぃいいいいい!!」


 空気を震わせて吠える。

 周囲の魔力に片っ端から干渉し、操り、破壊の力を集めていく。


「私、今日ヤディカに猪料理作るわ。一緒にキッチンに立つの」

「それはいい! じゃあ僕はどうしよう?」

「毛皮で小物でも作るのはどうかしら? 服でもいいわね」

「採用だ」


 集めた力を亜人達に向かって放出するのと、亜人達がこちらに向かって走るのは、ほぼ同時だった。




◆◆◆




 あー、平和ですねぇ。


 最近、ムキムキのおっさんやガチガチのお姉さん、すばしっこ過ぎる子供達の相手ばっかしてたからなぁ、こう、落ち着いた時間ってのが貴重に思えるよ。


 森の方からモンスターのものと思われる命乞いの悲鳴や哀れっぽさたっぷりの断末魔が聞こえるけど、平和ったら平和です。


 のんびりと流れる雲を眺めるなんて、いつ以来かしら……。

 えーっと、前の世界で引きこもる前の話だから……、ざっと二十年ぶりくらい?

 そんなに時間経ってる?

 まじかー、俺ももういいおっさんだなー。

 スケルトンボディだから忘れがちだけど、女性の体におっさんの心なんだよなー。

 もう女性の体だって思えなくなってるよなー。

 ていうか、外見は完全にモンスターだし。


 まぁ、そんなことを考えててもしゃーないね。

 実りのある時間を過ごしましょう。

 と言うことで、ゆっくりと新しく獲得したスキルや称号の確認でもしましょうかね。




『威圧』

 対象に魔力を浴びせることによって恐怖の状態異常を引き起こし、怯ませる。



『物理抵抗(小)』

 打撃や斬撃など、物理に依存する攻撃のダメージを僅かに軽減する。



『HP自動回復(微)』

 戦闘中でもHPが極めて僅かに回復し続ける。



『念話』

 同様に『念話』のスキルを持つ相手と広範囲に渡って通信ができる。



『指導者』

 他者に自分の技術・知識を伝える際、お互いに行動経験が入るようになる。



【重度修業中毒】

 修行が好き過ぎて人間を辞めた者に贈られる称号。

 修行と認識している行動で上位スキルや称号が習得しやすくなる。

 修行によって《 ステータス 》が大きく伸びるようになる。

 共に修行した相手に【修行中毒】が感染することがある。



【教え導く者】

 多くの人間を熱心に指導した者に贈られる称号。

 指導をやり遂げた相手の《ステータス》の一部を受け取ることができる。

 また、自分が成長する度に、弟子に《ステータス》の一部が与えられる。



【恐怖の体現者】

 数多くの相手に恐怖を与え、恐れられた者に贈られる称号。

 相手を恐怖状態にしやすくなる。

 戦闘の際、一定の間隔で相手に『威圧』を放つ。



〈 進化待機中です 〉



 今更だけど素早さアップがすごく嬉しいよね。

 『千思万考』で時間が減速した世界をかなり楽に動けるようになっちゃってるからね。

 『剽悍無比』のお陰で速度制限も簡単。日常生活も困らない。


 ふふふ、その内全身に赤いヒーロースーツでも纏って走り回ろうかしら? 胸元に稲妻のマーク描いてね。


 でね、一つ言いたいんだけどね?

 【重度修行中毒】って言い方酷くない?

 人間を辞めたって、お前この世界来てからデフォで人間じゃねぇんだよ!

 始まりからスケルトンなんだよ!

 あとなんで【修行中毒】が“ 感染 ”するんだよ!?

 病気じゃねぇからコレ!

 趣味だから! ちょっと体鍛えることが生き甲斐なだけだから!

 道理でエルカ族の皆さんに【修行中毒】の称号が有るわけだ! ちょっとおかしいなぁとは思いましたわ!


 そして【教え導く者】との相性良すぎィ!

 良すぎてビックリしたわ!

 え? 俺の《ステータス》、高すぎ……?

 とか思ってたけど、これで納得。

 百人超の鍛えに鍛えたエルカ族達の一人一人に【教え導く者】が適用されているのだとしたら、微々たる上昇率でもアホみたいな数値になりますわ。


 このスケルトンは何処に向かっているのでしょう?


 かつて俺は最強の二文字に憧れた。

 漫画の世界のような、ゲームの世界のような。

 拳ひとつで何者をも叩き伏せる最強の格闘家に。

 この世界でそれが目指せるのならば、目指してみるのも悪くはない。

 元の世界に帰るまで、という時間制限はあるが、寿命だって時間制限といえば時間制限。

 スケルトンの俺は肉体的限界が訪れないという大きなアドバンテージがある。


 今まではただ自分を高め、昨日の自分よりもっと強くなれるようにと鍛えてきた。

 少し、誰かと比べてみても良いかもしれない。


 幸いにして、組手相手には事欠かない。

 蛙巨人種に進化したエルカの男衆ならば丁度いいだろう。


 本格的に特撮ヒーローの必殺技も特訓したいし、まだまだ再現できていない漫画の技もあるし、手伝ってもらうことは多いだろう。


 ぃよっし! 盛り上がって参りました!

 恐いくらいに成長が早い弟子たちに負けないように、師匠として頑張るぞぉ!!




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