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第五話・前  同じ席と帰り道

Tenpといいます。普段はイラストを書いたりアニメを見たりしているのですが、小説を書くのはとても楽しいと友人から聞いたので始めました。毎週水曜日ほどに上げますので、確認していただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

この回はキリの良さや雰囲気の関係上、前編と後編に分けることになりました。両方見てもらえると幸いです。(≧∇≦)/イエイ

森を抜け、街道に出た頃には、空は少し赤くなっていた。

夕方の風が、汗と血の匂いを薄めていく。

三人は並んで歩いている。

――が、会話はない。

リンは時々ちらりとユウを見るが、話しかけるタイミングを探しているだけで、言葉は出てこない。

ユウはフードを深く被ったまま、少しだけ後ろを歩いている。

逃げてはいない。

だが、混ざりきってもいない。

しばらくして、街道沿いの小さな屋台が見えた。

香ばしい匂いが漂ってくる。

「……あ」

リンが小さく声を漏らす。

腹が鳴ったらしい。

恒一は足を止めた。

「ここで、少し休まないか」

ユウが一瞬だけ顔を上げる。

拒否の言葉が出そうで、でも出ない。

「……ちょっと、なら……」

それだけ言って、視線を逸らした。


屋台は簡素なものだった。

木のカウンター、湯気の立つ鍋、赤いのれん。

ーほとんど、ラーメン屋台じゃねえか!!と言いたくなったがユウしか話はわからないとかんじたのでやめた。

「すみません。パンとスープを3人前ください。」

恒一がそういい三人は並んで腰を掛ける。

ユウは最初、パンを両手で持ったまま動かなかった。

周囲を一度だけ確認してから、ようやく一口かじる。

……二口目は、少し早かった。

何も言わない。

でも、食べる速度が上がっていく。

リンが、思わず言った。

「……ユウちゃん、結構食べますね」

ユウの肩がびくっと揺れる。

「……う、動くから……」

それだけ。

でも、否定でも誇張でもない、ただの事実だった。

恒一はその様子を横目で見ながら、スープを飲む。

(戦場じゃない場所で、こうして並んで食べてるのが……不思議だな)

食事は、すぐに終わった。

豪華でも、特別でもない。

ただの「一緒に食べた時間」。

それだけで、空気は少しだけ柔らいだ。


協会の建物が見えてきたところで、ユウが足を止めた。

「……ここ、までで……」

そう言いかけて、言葉が途切れる。

恒一は、すぐには返事をしなかった。

少し考えてから、ゆっくり言う。

「ユウさん」

名前を呼ばれ、ユウの身体が固まる。

「無理にとは言わない、一人の方が楽なのも、分かる」

一拍。

「それでも……たまにでいい、一緒に依頼、受けてくれないか」

勧誘の言葉にしては、あまりに弱い。

条件も、期限も、義務もない。

ユウは俯いたまま、指先をもじもじさせる。

沈黙が流れる。

リンは口を挟まない。

ただ、待つ。

やがて、ユウが小さく息を吐いた。

「……すぐ、は……無理……」

恒一は頷いた。

「それでいい」

「……でも……」

ユウは、ほんの一瞬だけ顔を上げた。

「……考える、だけ……なら……」

それだけ言って、また視線を落とす。

恒一の胸の奥で、何かが静かにほどけた。

「ありがとう」

ユウは答えない。

けれど、拒否もしなかった。

「あっ...後......」

「ん?」

ユウが話を持ちかけてくるなんてなかったので、ちょっと恒一はびっくりした。

「ユウ...って呼んでいいから......」

恒一はちょっとどころか、かなり驚いて

「いいのか!?」

と強く聞き返してしまった。

それでもユウはビクッともせず微笑んで、

「いいよ」

とだけ答えて、ユウは視線を逸らし行ってしまった。


恒一は、しばらくその場に立ち尽くしていた。

胸の奥が、妙に落ち着かない。

恒一の胸の中ではユウと少し親しく慣れたのと、魔法を使えたことへの喜びが混ざり合っていた。


感想などありましたら、お願い致します。後編もよろしくお願いいたします。

                ___

             ,. .: : : : |     ”_、

            ,z≦: : : : : :|    Y:.:.:.:.:.:.:\

         / : : : : : : : : |___.|ニニO:.:.:\

        〃: : : : : >*'"i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i”ミsヽ

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        {i:i:i:i:i:i:li:i:i:i{  、__Vi:i:i:\i:i:ヽi:i_| `:|i:i:i:i:ソ ノヽ

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     /  ヽi:i:i:ili:i:i:マ弋_少`    弋_歹ア j:i:i:/

    Y     ) iヽiヽi:iヽ ¨     ,  ¨   ノi:i|"

   人    ノ \`__\ヽ    _     ´/ノi:i|

     > 、    }i:i:i:∧    (__)   .八 |i:|

        > ノi:/i:i:i:\        /从  :|

          イ  )/):/} > 、。 < `:.{  i ノ

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      //  : :マムi: i i         i i ムア: .  ヽ

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