✧ 学院への、誘い ✧
「——学院?」
俺とルセルの妹・ティセルナ様と出会った日から遡り、2日前。
俺はルセルの父上に呼び出され、シーベルト邸に来ていた。
そこにはルセルも、ルセルの母上も、ティセルナ様もおらず——
俺と、ルセルの父上しかいなかった。
「ああ。ルセリナが通っている学院に、君も入ってみないか? おそらく、君の魔眼と魔法は高く評価されると思う。私も、君のその力や才能が無駄になってしまうのはもったいないと思っている。だから——」
「……ルセル……ルセリナ様が、心配だからでしょう」
ふ、と俺は苦笑して、彼の言葉に付け足した。
すると父上は、すっと目を逸らして頭を掻く。
「……ま、まあ……それもあるが……とにかくだな。行ってみないか? ——ロスティ学院に」
「……」
学院。
そう呼ばれるところには、俺は行ったことがない。
ロビエ村には、子供たちに教えようと簡易的な学校を開いた老人もいるらしい。だが、俺がそんなところに呼ばれることはついぞなかった。
もしくはその老人は、村の子供たち全員に教えたかったかもしれない。
でも、俺がいたから無理だった。
俺の魔法と魔眼は、“あの日”のせいで村人から嫌われた。——“恐怖の象徴”として。
「……少し、考えさせてください」
そう言って、俺は父上に頭を深く下げる。
「あ、ああ……わかった。よい返事を期待しているぞ」
「はい」
そして俺はもう一度頭を下げ、部屋を出て行った。
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