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切開系勇者ザ・リッパー  作者: 語り部
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1. 切開宣誓


「っよし、おーいユーリ! こっちに来て手伝って!」

「え、チャーリー? どこにいるの?」

「あ、ユーリくん、そこわざわざのぼんなくていいから。チャーリー多分裏側にいるよ、こっちからいきな」

「うん! メイさんありがと、いってくる」

「うん。……じゃ、こっからは完全に出番だね、ヘルトくん」

「メイは何もしてくんないのかよ」

「えー、さっき回復してあげたじゃん?」

「それで足りると思うなよ……回復ありがたいけど」

「じゃあ、頑張って」

「クッソ……オマエマジで覚えてろよ……」


ここは、とある廃村。

ギルド名・ 命の弦(ライ・スリング)のチームのうち、まだまだ若手のチーム・Cである。

そのメンバーであるヘルト・リッパー、ユーリ・メーガン、メイヤナ・キャズ、チャーリー・ラングルの4人は、怪物討伐に精を出していた。


今回やってきた、この村。

あまりにも些細なことで若人たちの喧嘩が横行することに疑問を抱いた長老からの依頼だった。

「ねぇチャーリー、結局、ヘルトくんが単身でやっちゃった方が早かった説ない?」

「いや? つか、ヘルトが1人でやってたら意味ねぇだろ」

「そりゃそうだけど」

「それはメイさんがただめんどくさかっただけじゃない?」

「鋭いねユーリくん、めっちゃめんどくさかっただけ」

「……俺が苦労するのは別にどうでもいいのやめろよ」

「結局、ユーリくんが手伝ったからいいじゃん」

「ユーリバカスカ撃って村中穴だらけにするからやなんだよ。つか、チャーリーとイチャイチャしてぇだけならギルド帰ってからにしろよな。ずーっとベタベタしやがって」

「オイ! オマエまでやめろよヘルト! 何でみんな俺とメイを付き合ってるふうにすんの好きなの⁉︎」

「ねぇねぇヘルトー、お腹すいたー」

「遮んなよユーリ!」

「はぁ? オマエ朝パン20個食ったじゃん」

「ユーリくん、まだ夕方だよ?」

「だって、お腹すいたんだもん」

「ったく、しゃーねぇなぁ……おら、これやるよ」

「わぁいっ、ありがとうヘルト!」

「いやなんで持ってんだよヘルト」

「それも勇者補正ってやつ?」

「ちっげーわ! 行く前にジャックさんに渡されたんだよ! ユーリが腹減ったら渡せって!」

「僕、人に入り込んだアモスの場所、神経研ぎ澄まさないと分かんないんだもーん。集中するとお腹空くじゃん?」

「にしてもそんな腹減る率たけぇのユーリだけだっつーの。オマエの腹ん中にこそアモス住んでんじゃねぇの?」

「え、ほんと? へ、ヘルト、見える?」

「……ぷっ、冗談だよバーカ。ビビんなよ」


そう。アモス。

それが今、人間に入り込み、悪さをし続ける悪霊。

それを切り捨てること、それがヘルトたちの依頼。人間に入り込んだアモスたちは、色々な悪さをする。アモスたちは人間の身体を借り、各々が欲望を満たすために暴れ回る。

チャーリーの槍、メイヤナの魔法で足止めし、ユーリの銃が霊穴を開け、出てきたところをヘルトの剣が切り裂いてアモスを倒す。これが、基本彼らの戦闘スタイルであった。

メンバーを簡単にだが紹介しよう。


その中でも、ヘルト・リッパー。

彼は1番の強さを持っていた。

身体に入り込んだアモスを、集中することなく視認できるだけでなく、切開した後に治癒までほどこすことができる青年であった。

「ヘルトくんジャックザリッパー医者版じゃん(笑)」

「は? 殺人鬼じゃねぇし、てか医者してねぇだろ」

「つっこむとこそこじゃねぇよ、ヘルト」

「ねぇじゃっくざりっぱーってなに?」

「黙れユーリ」


その次はチャーリー・ラングル。

チームのリーダーであり、槍の扱いは随一。恵まれた体躯に恵まれた体幹を持ち、槍投げがめちゃくちゃ得意で狙った獲物は絶対逃がさない究極のランサーである。

「キャーチャーリーイケメン抱いて(棒)」

「メイさん棒読み」

「メイのカレシだろ、棒読みすんな」

「や、め、ろ(怒)」


その次は、メイヤナ・キャズ。チャーリーの幼馴染で魔法使い、回復魔法から攻撃・防御魔法までなんでもござれ。容姿端麗で美しいものの、唯一男なのが残念な魔法使いである。

「ああそう男で悪かったわね……」

「メイ、オカマ口調になってんぞ」

「メイさんだけなんで残念なの」

「チームの邪魔してねぇんだから別によくね?」

「チャーリーなんか冷たくない⁉︎」

「「いつも通り」」


最後はチームきっての不思議くん、ユーリ・メーガン。

銃の天才に加え、動物と話せるという不思議能力を持つ不思議くん。だいぶ大食感だが、食べてる姿が非常に可愛いと言われる最年少である。

「僕不思議なの?」

「逆にオマエ以上の不思議少年を俺は見たことねぇんだけど」

「なかなかいない存在だよね、ユーリくん」

「……よく見つけたなぁ俺……」

「「いや本当それ」」


以上のメンバーがチームC。

基本的に問題行動がなく、……ユーリがチャーリーに頭を打たれる程度にはやりすぎることはあるものの……きちんと仕事をこなすチームである。


「ああ、ありがとうございました。これで村は救われました。なんとお礼を申し上げたら良いか……」

「いえいえ、これが僕らの仕事なので」


帰り際。

依頼主である村長に完了報告をしにやってきたヘルトたちは、村の前で挨拶をしていた。


「そんなそんな……皆様お疲れでしょうから、今日は一晩泊まって行かれては……」

「ううん、僕らまた次の依頼あるから、いつも帰ってこいってマスターから言われてるんだぁ」


ユーリが優しく断ると、村長は首を横に振って言う。


「そうおっしゃらず……食事も寝床も、最高のものをご用意致しますから……」

「うー……」


心優しいユーリは、これ以上断る言葉を持ち合わせていなかったらしい。困った顔をしてしまった。

すると、ヘルトがユーリの肩を掴んで言った。


「村長、お気遣い痛み入りますが、我々はまだ任務の途中です」

「ほ⁉︎ まだ化け物がいるとでも⁉︎」

「ええ、いますね」


ザシュ。


「……へ?」


重い音がして、村長が見ると。

ヘルトの剣が、彼の腹に深々と突き刺さっているではないか。


「っ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」

「ここの村長は、オマエみたいなジジィじゃないはずだ。よく今の今まで隠れてたなぁ? オマエが今回の親玉だろ?」

「な、なぜ」

「残念ながらな、俺には見えるんだよ、オマエらが」

「く、そ……っ、うまくいくはず、だったのに……っ!」

「はぁ?いくわけねぇじゃん、俺たち敵よ?」


そしてヘルトは、そのまま上に切り上げた。


「ガァァァァ………」


切られた村長の身体から、真っ黒な液体が溢れ出し。

そのまま倒れて微動だにしなくなった。


「ヘルトの攻撃いつ見てもグロイねぇ、あははは」

「ふーん、コイツが元凶だったわけね……オエッ」

「これでこの村のアモスはみんな倒したか?」

「多分」


流れ出たアモスの体液を床に払うと、ヘルトはそっと剣を戻す。そしてヘルトはそっと剣を置き、手を握り合わせて跪いた。


「……影をまといし魂よ、我らの祈り、聞き届けたもう」


それを聞いたユーリ、チャーリー、メイヤナは首を垂れ、胸に手を当てて祈った。


「あなたがたの、この世のへ恨み、辛み。必ず、我らが切り伏せ闇へお返しします。今はただ安らかに。……ここに宣誓を立て、お約束致します」


そう言うと、ヘルトは突然立ち上がり。


「宣誓・開始」


宣言したのち、剣を地に刺し。


「地に流れし闇の根源、その根本を断つ。……切開切裂(インセンティア)


……地面が揺れる。

そして、それは10秒も立てば収まっていた。

地の浄化が終わったのだ。この村には平穏が戻るであろう。


「おっし終わり! 帰るぞ」

「わぁーい、お仕事おつかれさまでしたぁ〜。早く帰ろ!」

「えーゆっくり帰ろうよ、走るのだるい」

「おいメイ、ちゃんと終わったらイッキさんがスコーン作って待ってるって言ってたぞ」

「「イッキさんのスコーン‼︎」」

「リアクション女子かよ」


こんな感じで仲良し4人組。

これは、そんな彼らが、仲間の為に、自分の為に。

明るい未来を切り開く物語である。


切開系勇者ザ・リッパー、ご覧いただきありがとうございます。

このお話は基本ヘルト、ユーリ、メイヤナ、チャーリーがメインキャストです。次回からまた大騒ぎで色々出てきます。


気になるよ!と思ってくださった方はぜひ長い目で見てくださるとありがたいです。

よろしくお願いします。

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