表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
衝動の天使達 3 ─殲滅戦線─  作者: 水色奈月
Chapter #2
7/164

Part 2-2 Actual Battle 実戦

Armored Reconnaissance Unit 1st Company 6th Squadron 1st Cavalry Regiment 1st Armored Division Ⅲ Corps Army Commands US.Army Company Training Ground Fort Bliss, TX. 19:32 Jul 13

7月13日19:32 テキサス州フォート・ブリス アメリカ陸軍 陸軍コマンド第3軍団第1機甲師団第6戦隊第1騎兵連隊第1中隊機甲偵察部隊の演習地





 偵察兵乗り込む空間が斜めに切れ落ちそのエッジが暗がりの中で明るい橙黄色とうこうしょくの光りから鈍い照柿てるがきのものへと冷めてゆくがまだ残るサウナ思わせる熱が振り向けた顔を焼いた。



 そのいびつな開口部にインディゴよりもさらに深い黒に近い何かのシルエットが入り込んで、いきなり砲手のテレンス・オールダム曹長(MSG)わめいた。



「うわぁ! 何しやがる! くそったれがぁ!!」



 一気に砲手席から引きがされ外に引きり出される部下の両眼にブラッドレー(M3A3)の切れ落ちた車体の赤い光りが反射し乱れ流れそれが急激に遠ざかり引きられる曹長(MSG)はM17をホルスターから引き抜き闇に際立つその豪腕の持ち主のシルエットへ向けて撃ち始めた。



 咄嗟とっさに車長ヴィンス・コルケット少尉(2LT)は操縦士のコンラッド・マシューズ1等兵(PFC)へ怒鳴った。



「コンラッド! テスがさらわれた! 取り返す! 戻ったら全速で脱出するぞ!」



「しょ、少尉(2LT)!? 俺1人にするんですか!?」



 上擦った声でコンラッドが返事をしているのが、車外で続けざまに聞こえだしたM17ハンドガンの銃声(ガンショット)に掻き消され、少尉(2LT)はM4A1をガンラックから引き抜きコッキングハンドルを引き放ちセーフティをフルオートにしながら車長席から身をひるがえした。



 外での発砲音(ガンショット)が途切れテレンス・オールダム曹長(MSG)わめき声がすでに数十ヤードは離れているであろう先から聞こえヴィンス・コルケット少尉(2LT)は車輌後部外へ跳び下りると被っているECH(:陸軍標準ヘルメット)のブラケットを下ろし改良型暗視ゴーグル(AN/PSQ-20)を左目に装着した。



 暗視装備(ノクトヴィジョン)のスイッチを入れ緑色のモノトーンの光景に見えたものにはヴィンス・コルケットは息を呑んだ。



 襲ってきた奴が一瞬(さそり)に見えた。だが地に這いつくばる捕食者と大きく違っている。二足で立っていた。首は見分けつかずその幅広い肩の左右から4対の腕が広がっており、最上の1対の先には大きなはさみが突き出し地面に接する尻の先からかぎ状の人の腕の長さほどもある毒針が伸びていた。だが地上で見かける昆虫では絶対にないと思ったのはその立ち上がったさそりのシルエットでなく首持たぬ台形の頭部から一角が伸びていたからだった。



 どう見間違っても人ではない! 魔物だ!!!



 そいつが左のはさみもがき暴れるテレンス・オールダム曹長(MSG)の片足をつかみ引きり偵察装甲車からどんどんと遠ざかりつつあった。



 少尉(2LT)は1度M4A1のACOGで照準しようとのぞき込みLEDのレティクルに負けて標的が定まらない事に気づき、どのみち距離で30ヤードほどならエリア照準でも外しはしないとチークピースにほお着けし左目でのぞく暗視ゴーグルでその化け物をにらみ据えトリガーを引き絞った。



 膨れ上がったマズルブラスト一瞬で暗視映像が見えなくなりACOGから離した右目に火炎にほのかに照らしだされたそれが見えて彼は固まってしまった。



 曹長(MSG)を引きり逃げるそれが間違いなく立った巨大な昆虫に思えそのサイズを受け入れられずに戸惑い続けたが駆け足で追いすがった。







 大型セダンを縦にしたよりも大きなスコルピオンなどこの世に存在するわけが有り得ない!







 ヴィンス・コルケット少尉(2LT)は自分らがM3A3BFISTブラッドレー装甲偵察車輌ごと縮んだのかとおのれに問い始めていた。



 そんな事があるものか!



 彼は唐突に以前にワイドニュースで見たニューヨークに現れた蜘蛛くもの化け物を思いだした。タランチュラのようなからだで背には百足むかでの胸部が生え、さそりの尾を3つも持つ乗用車よりも大きな悪魔。



 警官の撃つ何千ものM855A1ミリタリー・ボールを砂粒ほどにも感じない化け物。



 あのデヴィルがテキサスに現れたのだ!



 少尉(2LT)は走りながら車輌からアサルトライフルしか持って来なかった事を後悔し始めた。手榴弾が、いいや戦車砲弾が必要になる。



 明るい緑に見えるテレンス・オールダム曹長(MSG)がつかまれていない右足でそいつ(・・・)の腕を蹴りつけわめき逃れようと抵抗し続けていた。



 どこに連れて行こうというのだ!?



 ま、まさか巣穴に!?



 怪物があの大きさなら、巣穴はブラッドレー(M3A3)が入ってゆける洞窟どうくつかもしれない。ヴィンス・コルケット少尉(2LT)は走りながら残弾が数発の弾倉をM4A1から引き抜きチェストリグのパウチから新しいものを引き抜き装填しボルト・キャッチをたたいて初弾をチェンバーに送り込んだ。



 撃った銃弾(ブレット)の半数は命中している。



 グリズリーですら足止めできる数だった。



"Mother Fucker!!!"

(:くそったれがぁ!!!)


 悪態吐き捨てた寸秒、急激に背後から聞き慣れた8気筒ディーゼルターボの咆哮が聞こえ始めている事に気づき振り向くと迫る自車ブラッドレーが見えた。



 その痛手負ったハウンドドッグ3がかすりそうなきわを轟音を上げ駆け抜け砂塵を浴びせ一気に曹長(MSG)を引きる化け物へと迫った。



 テレンス・オールダムをつかむ左中間の腕を避け怪物の右側を巻き込み押し倒し乗り上げ停車し、同時にエンジン音が止んだ。



 少尉(2LT)はその場に駆け寄るとオールダム曹長(MSG)は足首つかむ悪魔のいびつな手を蹴りつけ逃れようとしていた。



 ヴィンス・コルケットはカービンの銃口をその全体が一対の爪に見える根元にフルオートで数発撃ち込んだ。弾倉のミリタリー・ボールを使いきりようやく爪が開くと自由になったオールダム曹長(MSG)あわて離れた。



「し、少尉(2LT)! こ、こいつ、な、何なんですか!?」



「わからん! 地の底から来た悪魔か、宇宙からきた化け物だ!」



 コルケット少尉(2LT)はM4A1の空の弾倉を引き抜きパウチから新しいものを取り出し叩きつけるように装填しボルトキャッチをたたきブラッドレー騎兵戦闘車に踏み潰されている怪物へ銃口を向けながら右に傾いた車輌後部へ移動すると切れ落ちた後方開口部へ顔を近づけ操縦席のマシューズ1等兵(PFC)へ怒鳴った。



「コンラッド! お前がいた怪物から前進してゆっくりと下りろ」



少尉(2LT)殿! いたなんて──人聞きの悪い」



 中から聞こえる悪態にコルケット少尉(2LT)は左の履帯(トラックベルト)を蹴り飛ばし怒鳴った。



「早くしやがれ!」



 ディーゼルターボが咆哮を上げた瞬間にそれが起きた。改良型暗視ゴーグル(AN/PSQ-20)の光学照準器(FOV)視野に見える濃緑色の車体下部からもっと暗いものが履帯(トラックベルト)やサイドスカートから上を染め広がると、後方の切れ落ちた開口部からコンラッド・マシューズ1等兵(PFC)わめきながら飛び下りた。



 いきなり暗視装置の光学照準器(FOV)視野がハレーションを起こしヴィンス・コルケット少尉(2LT)はゴーグルを跳ね上げると怪物から逃れたテレンス・オールダム曹長(MSG)がフラッシュライトでブラッドレーを照らしていた。



 その狭いが白い明かりに照らし出された装甲車の砲塔下までデザートカラーの色合いが暗いマットの紫一色に染まっていた。それを見つめ少尉(2LT)曹長(MSG)後退あとずさるとコンラッドが走って2人の背後に逃げ込んだ。



少尉(2LT)、何ですかこりゃあ!?」



「知るか! だが良くない兆候だ。俺たちの偵察車が汚染されてるみたいだ! コンラッド、お前何で逃げだした!?」



 戦車長に問われ操縦手は呪いの言葉を吐き捨てた。



「あ、あいつらオーメンです! 俺っちのサンドブーツに這い上がって迷彩服(ACU)のパンツの中がざわざわしだしたんで逃げだしました!」



 コルケットは横顔を向けコンラッド・マシューズのユニフォーム・パンツを確かめた。暗がりで鮮明ではないが装甲車の様に侵食されていない様に見うけられた。視線をブラッドレーに戻すと砲塔がほぼ呑み込まれる寸前だった。



 少尉(2LT)は砂糖にたかる(アリ)の様に金属のかたまりに群がる何か(・・)に銃弾を浴びせても無駄だと直感で悟った。



「どうするんですか、少尉(2LT)!?」



 曹長(MSG)に問われ退き際だと思い始めた矢先にそれが聞こえ始めた。



 重苦しく長く響き始めたのはまごう事なきサイレンだった。その音が3人の神経を逆撫でした。どこで鳴っているのか、夜空に響き渡るそのうなりから追い立てられた。



「車輌を置いて──逃げるぞ」



 少尉(2LT)にそう命じられ2人は後退あとずさる脚を素早く繰り出していた。ヴィンス・コルケット少尉(2LT)だけが振り向いて駆け出すと部下らも向きを変えて全力で走りだした。



 徒歩で星空の下を野営地まで逃げるには距離がありすぎた。



 脚をつかまれ引きられたテレンス・オールダムはあの昆虫の様な怪物がまた追って来る様な気がしてならなかった。どこかに連れ去られかかり、暴れながら9ミリパラベラムを2弾倉撃ちきった。彼は走りながら残りの最後の弾倉を装填しベースまでの11マイルが大陸並みに遠くに感じた。舌打ちした瞬間、隣を遅れて走っているコンラッドが大声でわめきひっくり返った。



 曹長(MSG)は繰り出す脚を緩め振り向いて部下を急かそうとフラッシュライトで照らし固まってしまった。







 リンカーン並みの大きすぎるさそりが片足でコンラッド・マシューズ1等兵(PFC)を踏み敷いで自販機ほどもあるはさみを振り上げていた。







 やはり装甲車につぶされていなかったのだ!



 テレンス・オールダム曹長(MSG)はライト握る左手の平にマガジンエンドを乗せその大きすぎる標的を撃ち始めた。命中し跳弾ちょうだんが火花散らし、怪物横の至近距離からヴィンス・コルケット少尉(2LT)がアサルトライフルでミリタリーボールをフルオートで頭部と思われる肩から盛り上がったこぶごとき頭を撃ち火花を跳ね上げた。



 その合わせ20発余りの銃弾をものともせず、その大型の捕食者は大きな閉じたはさみを一気に振り下ろした。



 フラッシュライトで照らし出されたコンラッド・マシューズの腹に食い込んだ凶器はまるで紙をナイフで切る様に易々(やすやす)と胴体を裂き臓腑が散らばったのを眼にして曹長(MSG)は顔を強ばらせ銃口を下げた。







 無理だ。今度捕まればコンラッドの様にバラバラにされる!







 怪物が横に振り上げた逆側のはさみで至近距離で銃弾を浴びせている車長のヴィンス・コルケット少尉(2LT)を殴り飛ばした。



少尉(2LT)!!!」



 テレンス・オールダムは怪物を回り込む様に駆け出し少尉(2LT)が落ちた方へ懸命に走った。70フィート(:約21m)駆けても指揮官は見えてこない。怪物が振った腕は大して速くなかった。だが重さが半端でない。突っ込んできた乗用車に跳ねられたのと変わらない。いいやトラックに跳ねられたのだ。



 乱れるフラッシュライトの明かりにうつ伏せに倒れた迷彩服(ACU)の男が見えてきた。殴られ飛ばされ負傷してる様だが手足は繋がっていると曹長(MSG)安堵あんどした。



少尉(2LT)! 大丈夫ですか!? 少尉(2LT)!?」



 曹長(MSG)は駆け寄り小声で尋ねると小隊長がうめき声をこぼし腕を立て上半身を起こし部下に命じた。



「テス──ライトを消せ────奴に丸見えだ──くそう。なんて馬鹿力だ──18ウィラーに跳ねられた気がする」



 ヴィンスはセミトレーラーにぶつかった事があるのかとテレンス・オールダムは思いながらフラッシュライトを消したは息を殺し闇を見回し眼が慣れるのを待った。



少尉(2LT)、コンラッドがられました。即死でした」



「運が良かったのかもしれんぞ」



 殺されてなぜラッキーだと言うのだと曹長(MSG)は顔をゆがめた。



「奴は最初にお前をさらおうとしたんだ。楽に死なせてはくれないのかもしれん」



 そうなのだとテレンス・オールダムは思った。連れ去るのには理由がある。利用されるのだ。喰われるのか、標本にされるのかも、いいや卵を仕込まれ────曹長(MSG)は吐き気がしてきて話を逸らした。



少尉(2LT)、静か過ぎます。奴からそう離れていないし、ライト振り回して走って来たんでこちらの場所はわかってるはずです。バッタみたいに飛べるから一気に────」



 そばに何か落ちた音がしてオールダムは振り向いた。



少尉(2LT)────」



 曹長(MSG)は声をさらに小さくし問いかけ小隊長に手を伸ばした。返事がなくオールダムは少尉(2LT)の肩のあたりに指をかけ軽く揺すろうとした。ユニフォームの布地に触れた指先の湿った感覚に彼はフラッシュライトのスイッチを入れ照らすと首が断ち切れ血があふれていた。



 悲鳴を呑み込んで後退あとずさった刹那せつな、彼は脚をすくわれ強かに背中から地面に倒れこんだ。同時に手荒く引きられ始めテレンス・オールダム曹長(MSG)はライトを振り向け見えたダークラベンダー色の肩や首、頭部とも判別のつかないものへM17ハンドガンの銃口を振り上げ狂った様に撃ち始め最後の弾倉を瞬く間に使い切った。











「降下し、それを拡大してくれ」



 ハンヴィを改装した地上コントロール・ステーション内で背後に立つ第1騎兵連隊第1中隊長のブレンドン・ダリモア中佐(LTC)に命じられ左のコンソールに座る操縦士の曹長(MSG)に命じた。



 ジョイスティックを軽く押し込みRQ-7Bシャドウ2000無人偵察機の送信してくる各種画映像を映し出すモニタの高度表示が減算し始めるとサーマルヴィジョンに映る大豆よりも小さく火焔を上げるものが初めはゆっくりと、それが徐々に大きくなりほのおが照らすものがはっきりと見えてきた。



 右のコンソールに座るミッション・コントローラーがサーマルヴィジョンから赤外線カメラに切り替え揺らぐハレーションから突き出たオフホワイトの輪郭からブラッドレーの前部左のトラクター・フェンダンーとフロントパネルだと結論づけた。



 偵察演習中のハウンドドッグ3が無線で交戦許可を求めてきた1930時点で他の4輌の偵察車輌と無線交信ができない事が判明した。



「引き続き付近に退避した兵士を捜してくれ」



 赤外線カメラの映像からブラッドレーは全壊で偵察小隊は壊滅的だった。誰に襲撃されたにせよ短時間で広域のこれだけの被害を受けるからには敵対するものらはそれなりの武力で複数の何ものかであったが、ここはイラクやアフガンではないのだ。



 合衆国のど真ん中でアメリカ陸軍に公然と挑んで来るのがテロリスト以外の何ものでもないとダリモア中佐(LTC)は思った。



 国防総省(DOD)や陸軍情報部からは国内での敵対勢力の攻勢は想定されておらず寝耳に水だった。



 だがどんな勢力であろうとアメリカ合衆国に武力行使してくるのであればこれを排除するのが国防総省(DOD)のドクトリンである。



 正面切ってこぶし上げられ売られた喧嘩は買うべきだとブレンドン・ダリモアは思った。彼はコンソール左にある連隊本部へと繋がる電話の受話器を取った。



「ブレンドン・ダリモアです。パトリック・ネルソン大佐(COL)を至急お願いします」



 待たされたのは2分にも満たなかった。



『私だ。ブレンディ、どうした?』



「第1中隊機甲偵察部隊の演習地で火急の事案が発生しました」



『何事だ?』



「第1偵察小隊が壊滅。目下、シャドウで敵対勢力と救助者の捜索を行っております。1925から1935間で広域展開していたブラッドレーが5輌全滅ですので複数の敵がいるものと思われます」



『演習要項になかったオプションの作戦か?』


「いえ大佐。演習ではありません。テロの可能性を捨て切れません。偵察装甲車が5輌大破し第1小隊全員の生存が確認とれておらず、攻撃偵察隊(ARS)一般支援航空隊(GSAB)のアパッチ、ブラックホークを索敵捜索救助に出して頂きたい」



 数秒のがあり連隊長が決断を告げた。



『わかった。501航空連隊のアパッチを6機とブラックホーク4機を出す。中隊からエイブラムス12輌と第2、第3偵察小隊を展開させよ。全力を持って索敵にあたれ。必要とあらば容赦するな』



「了解しました!」



 受話器を戻すとブレンドン・ダリモア中佐(LTC)は横に立って指示を待つ無人偵察機オペレーターらの女性チーフに命じた。



少尉(2LT)、索敵を続行。敵の規模を早急につかみたい。合成開口レーダーにたよるな。装甲車のたぐいではないだろう。敵は用心深い歩兵部隊だけかもしれん」



了解(コピー)です中佐(LTC)



 ハンヴィ後部のGCSから下りたブレンドン・ダリモアは恒常的な演習のために設営されている建物へ急いで向かいすでに展開している赤軍部隊へ無線で実戦への移行を通達するためにドアを開いた。



 出入り口へ振り向いた通信士の1人がダリモアへ大声で報せた。





中佐(LTC)、ハウンドドッグ1のサイクス少尉(2LT)から連絡が入っております!」





 生きていたか! と思いながら通信機器の方へ向かう中佐(LTC)へそう告げて通信士が伸ばした手に握られているのはヘッドセットではなくセリー(:モバイル通信端末の米での俗語)だった。












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ