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衝動の天使達 3 ─殲滅戦線─  作者: 水色奈月
Chapter #4
19/164

Part 4-4 Portent 前触れ

Armored Reconnaissance Unit 1st Company 6th Squadron 1st Cavalry Regiment 1st Armored Division Ⅲ Corps Army Commands US.Army Company Training Ground Fort Bliss, TX. 19:54 Jul 13/

NDC HQ Chelsea Manhattan, NY 21:57

7月13日19:54 テキサス州フォート・ブリス アメリカ陸軍 陸軍コマンド第3軍団第1機甲師団第6戦隊第1騎兵連隊第1中隊機甲偵察部隊の演習地/

21:57 ニューヨーク州マンハッタン・チェルシー地区NDC本社ビル





 キャノピィがフレームごと引き千切れ上がりローターにぶつかると轟音を上げ4枚の回転翼が切れ飛びメインローターを一瞬で失い揚力を失い地上に堕ちて前転し逆さまになり停止した。



 第501戦闘航空大隊A中隊アサシンズの第1、2小隊隊長ウイング・リーダー──リンクス1パイロットのウォーレン・ハーコート中尉(1LT)は墜落する直前に眼にした百足むかで状の生き物────あれが既存の生き物でないのはわかりきっていると朦朧もうろうとする頭で考えた。



 逆さまになり朦朧もうろうとするウォーレン・ハーコート中尉(1LT)は目前で部下のアッシュがシートベルトを外し機内から逃れようとするのを見つめ、寸秒その部下が座席から引きがさ機外に引きりだされるのをなすすべもなく眼にし、我に返った小隊長はシートベルトのバックルを外し機体からいだしながら手放した個人防衛兵(PDW)器を探したが頭上にある地面にカービンを見つけられずに機体に沿って後部へ逃げ出した。



 「何なんだ!? 人じゃなかった────」



 つぶやいた直後、離れた空中で爆炎が広がり何かが地に落ちクラッシュした音が聞こえてきた。



「くそうきっと僚機だ。手玉に取られている」



 状況を認識し引きりだされたアッシュがどこに連れ去られたのだと暗闇を見回すと、今度はヘルファイア(AGMー114N)が連射されたのが見えそのでたらめな軌道にウォーレンはあの怪物を狙ったのかと見つめる先で爆炎が広がり同時にさらに離れた空中にも爆炎が広がった。



 ほぼ同時に2ヶ所で起きた爆発に怪物が複数いるのを中尉(1LT)は認めた。



 彼は逆さまのコクピットに戻り立ち上がりヘルメットのハーネスを座席のカプラに接続し無線機の送信ボタンを押し込んだ。



「こちらリンクスマム。4機堕とされた! 敵は人じゃない! 繰り返す。アパッチが4機ダウン。ブラックホークを近づけ────くそうまた1機堕とされたぞ!」



 送信の途中で遠方の爆炎が見え4秒遅れ爆轟が聞こえ1300ヤードあまり離れているとみた。近場でアパッチを落とした奴がほんの数秒で1300も移動したとは思えなかった。なら3体はいる! あの怪物が3体もいるんだとウォーレン・ハーコートは冷や汗が吹き出た。



『戦線から離脱して下さい無人機(MQ-9リーパー)がまもなく攻撃に入ります』





「無理だ! 動きが速すぎる。カムでは追えない!」





 その直後に高々度からミサイルの噴炎が伸びて先にられたアパッチの近くへと一気に伸びた。





 墜ちたチョッパーの残火が一瞬で広がる爆炎に取って代わられ闇を切り裂いた。



 やれたのかとウォーレン・ハーコート中尉(1LT)ほのおが照らしだすものを凝視した。あの百足むかでの化け物が燃えている。だが焼けてもがき苦しむ様を望んでいるのに眼にしたのは、ほのおの中でアパッチのコクピットから人を引き抜いているさまだった。



「な、何をやってるんだ────」



 ウォーレン・ハーコート中尉(1LT)は自分の機のガンナーであるアシュトン・マクフィー准尉(WO1)が連れ出されたのを目の当たりにしたのをまざまざと思いだした。



 気を取り直し中尉(1LT)はあの怪物を気にしながら自機のほのおが照らしだす薄明かり中で個人防衛兵(PDW)器H&K416Dを探し暗がりでつまづき拾うとやっとの事でPDWを見つけた。



 弾倉は装填してある1つきりなのを思いだし、急いでひっくり返ったアパッチのコクピットに潜り込みガンナー席のものも合わせ8個になると安心感が増した。それとレスキューキットを引き抜いた。



 だがヘルファイアを食らっても動じない化け物にライフル弾がどれだけ威力を持つかも怪しかったし、偵察中隊の連中だって機関砲で応戦したはずだった。彼は春先までニュースやワイドショーでよくやっていたニューヨークの怪物の事を思いだした。海兵隊がジャベリン6発でも倒せなかった化け物。もしもあれと同じ系統の奴がヘリを餌食にしてるのなら、地上部隊の155ミリ榴弾を持ってきても効果がないかもしれない。それでもウォーレンはポケットすべてに予備弾倉を押し込みヘルメットを脱ぎ捨ててアパッチから離れた。



 機から遠ざかると風がある事に気づいた。生暖かい風だった。



 ふとあの化け物が暗闇でも見えるだけでなく犬の様に匂いにも敏感な気がして中尉(1LT)は風下に向かって歩きだした。ひどく汗ばんでいた。出合い頭の交戦は避けたかった。1分も歩かないうちにそう遠くない空中で爆炎が広がり地上に何かが墜ちた。残っていたアパッチか、ブラックホークかもしれない。百足むかで状でありながら空中を飛ぶチョッパーを手玉に取る。飛翔兵器など持たないはずなのに一撃でヘリを堕とす。他の機からも人を引き抜いてさらっているのかとウォーレン・ハーコートはうなった。



 目的は何だ!? 地上部隊を壊滅させ、空中機動部隊をも叩きつぶす。



 人が行っているなら完全に敵対行為だ。



 200ヤードほどを月明かりの下歩いていると眼が暗闇に慣れ地上が結構見えてきた。荒れ地なので時々大小の岩が落ちていた。ドラム缶ほどの岩が見え交戦になったら背を預けようと近寄ってみた。岩にしては表面の形状が地面に対して緩やかだった。その形に違和感を覚えフラッシュライトを肩に下げたレスキューキットから抜き出して照らしてみた。







 顔が引き後退あとずさった。







 岩に数人の人が金属のロッドの様なもので額を打ちつけられてもたれかかっていた。ヘリの乗員だけでなく地上部隊の兵士もいた。その中の1人が自分とペアを組んでいたアシュトン・マクフィー准尉(WO1)だった。生死を確かめる必要もなかった。みな頭を鉄筋の様なもので貫通させられている。近くにもう少し大きな岩が見えてフラッシュライトの灯りを振り向けた。その岩にも取り囲む様に人がもたれかかり打ちつけられている。



 何なんだこれは!?



 ふと鳥のモズを思いだした。捉えたかえるなどを木の枝に貫いてストックする。







 えさ場!!?







 ふと思いついた言葉に彼は慌ててフラッシュライトのスイッチを切った。えさ場でなければ何なのだ。標本か!? 後退あとずさっていたウォーレンはいきなり背中を何かにぶつけ急いで飛び退き振り向いてPDWの銃口を向けた。



 サボテンだった。



「くそう──脅かしやがって────」



 悪態をついて中尉(1LT)は周囲を見渡すと人の背丈より高い数本のサボテンが眼に止まった。



 人を串刺しにしたのがアパッチを堕とした怪物だとウォーレンは決めつけた。他に何がいる。人は戦禍では残虐になるがここまでの事をしない。あれで皮膚でも剥がれていたら映画に出てくる異星の狩人だと思いだした。特殊部隊から次々に人をさらいトロフィーとして頭蓋骨を抜く。ここには怪物に打ち勝つ筋肉質のリーダーもいない。



 逃げないと!



 彼は焦ってサボテンから離れて顔を逸らした。その寸秒、サボテンの1体が横に動いた様な気がして顔を振り戻した。月光に照らされるサボテンの配置が変わっていた。



 いいやすべてがサボテンだと思い込んでいた。フラッシュライトで確かめたわけでもない。状況はくそのつくほど極めて危険だった。



 ウォーレン・ハーコート中尉(1LT)がPDWを振り上げサボテンの陰の群れを見つめながら後退あとずさるといきなりその1体が迫ってきた。フラッシュライトのスイッチを入れ照らしだしたのとトリガーを引いたのが同時だった。照らしだしたのは万が一人であった時のためだった。だが身長差が違いすぎた。10フィートもあるわけがない。このデザートでその高さのものはサボテンとあの化け物しかいない。



 照らされたものが百足むかででなく2本の脚で立つさそりだと今になって知った。その胸元に5.56ミリのライフル弾が雨粒のごとく打ちつけた。だがそいつはひるむどころか間合いを詰めてきた。中尉(1LT)はフラッシュライトを投げ捨て空になった弾倉を抜き新しいものを差し入れ照準し撃ち続けた。瞬く間に2弾倉を空にし再装填しながら間合いを取るため後退あとずさった。それでも落としたフラッシュライトを踏み潰し化け物が歩み寄ってくる。怪物の姿がまったく見えていないわけではなかった。マズルフラッシュの火焔に照らされるその巨大なさそりが明滅する明かりの都度に詰め寄ってくる。



 4弾倉撃ち続けた。



 つかまる! つかまってしまう。



 撃っている場合ではない。効果がまるでないのだ。ウォーレン・ハーコート中尉(1LT)はいきなり背を向け走り始めた。駆けながらさそりの脚の速さを思い出そうとした。たとえ遅くともあの身長差から歩幅は人よりも大きく追いつかれる可能性が高かった。それでもほおけた様につかまるつもりはなかった。



 走りながら彼は今ほど手榴弾が欲しいと切に願った。



 銃弾(ブレット)がだめでも、手榴弾なら足止め程度になるかもしれない。いいや無理だ。ヘルファイアの直撃を受けて死なずにほのおの中で悠々《ゆうゆう》と人をさらっていたのだ。



 見てくれはさそりでも実質は異なるのだ。昆虫なら銃弾(ブレット)にズタズタになる。まるで胸にSのつくヒーローみたく弾き返していた。いいや胸を波打たせ銃創を次々に消していた。銃弾(ブレット)を取り込んでいたのだ。



 一向に追いつかれない事に彼は振り向いて離れた事を確かめたくなった。走りながらでも半身振り向ける。思い切ってウォーレンは振り向いた。その視線がぐらつきいきなり片目に土が入り込んだ。状況を飲み込めず中尉(1LT)は腰から下の激痛に愕然がくぜんとなった。荒く息をするごとに砂埃すなぼこりを吸い込んでしまった。



 見上げるとさそりのシルエットが間近にあった仰向けにされ中間の脚一対に両の肩を押さえつけられ額に何かを押しつけられた。







 彼はモズの習性をまた思いだした。







 えさを枝に刺すのだ。











 積み込まれる兵装をマリア・ガーランドは腕組みしたまま苦虫を噛み潰したような表情で見つめていた。



 ヘリ8機が駐機できる巨大なヘリポートも狭いとばかりにグローブマスターほどもあるハミングバード2が装備と人員を受け入れていた。先の怪物戦闘とシルフィー・リッツアの話からジャベリン対戦車ミサイルの運用が派手に看過される事となった。36発もの強力な火力を惜しげもなく積み込み最後にダイアナ・イラスコ・ロリンズがマリーへ振り向いた。



「本部にはあなたが必要なんです。あのテレポートする暗殺者(アサシン)も捕らえたわけではないんですから」



 そうだ。あのドイツ語を話す殺し屋達の猛攻を退けたもののまた襲ってくる懸念があった。



「どうしてアン・プリストリを人選から外したの?」



「シルフィーを連れて行くのでトラブルを避けたかったからです」



 理由は他にもあるだろうとマリーは思った。アンは眼を離すと暴走するからだった。どれだけお灸をすえてもあれの性癖は変えようがない。



「シルフィー」



 マリーに声をかけられ機体後部のスロープをアリスパック2つ分を持ったハイエルフが登りかかり脚を止めた。



「行ってくるよ」



みんなを頼むわよ」



「心配するな」



 ハイエルフが機内に消えるとルナがマリーに釘を刺した。



「マリア、くれぐれも追って来ようなどと考えないで下さい」



「どうして念押しするの」



 ルナがしかめっ面になったのでマリーはそんなにムスッとしてないと否定するとルナはスロープを駆け上がった。



 電子光学擬態(エミック)で機体を消しているハミングバード2は動力をファンネルからブラックホール・サイレント・ターボファンに換装されていた。それでも4カ所の計8発のターボファンが唸り出すとマリーは爆風にヘリポートの階段へと後退あとずさった。後部スロープを閉じながらハミングバード2が旋回し南南西の夜空へと飛び消えた。



 マリア・ガーランドは鋼鉄の階段を踏みしめながら屋上へ下りつぶやいた。



「今夜は──帰れないわね────」











「ではブリーフィングを行います」



 ルナがそう告げると機体内壁左右に出された折り畳み椅子に座る22人が顔を向けた。



「テキサス州フォート・ブリスの陸軍演習地で兵士達を襲っている何ものかに我々は対処します。敵対しているのは巨大な昆虫──少なくとも人よりは大きなものです。何か質問は?」



「マンハッタンで暴れまわったのと同類なのか?」



 第2セル・リーダーのロバート・バン・ローレンツが端直に問うとルナが答える前にシルフィー・リッツアが言い切った。



「それは有り得ない。ベスは滅んだのだ。その兵士達を襲っているのは別物だ」



 それにルナが付け加えた。



「戦術は遠距離攻撃で行い、一撃離脱方式を取ります」



 その方法に第1セルのスナイパー──デヴィッド・ムーアが提案した。



「ライフルやビームの効果を見てジャベリンで攻撃するのか? 最初からミサイルで出方を探った方が良くないか」



「ジャベリンは我々の最大火力で有限です。敵の出方を探るまでは1発たりとも無駄にできません。マンハッタンで暴挙を振るったベルセキアは6発のジャベリンにも生存しました。敵員数が不明の今、36発でも足らないかもしれません」



「はい」



 第3セル・ガンファイターの新人セシリー・ワイルドが手を上げて発言許可を求めた。



「どんな敵でも弱点があるわ。攻めてみて敵がかばうとこを集中してたたけばいいさ」



「そのかばう場所を見つける為にこちらが全滅してなければいいけどさ」



 アン・プリストリにいつもまとわりつくスターズ・ナンバー3を自負するジェシカ・ミラーが片指でブルネットの髪をいぢりながらやり返した。



 こいつも置いて来るんだったとルナは後悔した。接近戦はするなと命じられても真っ先に斬り込む。それはセスも同じだとルナはセシリー・ワイルドを見つめ眼を細めた。



ビームライフル(HPBR)は改良型です。以前の倍近いエネルギー量を持ちます。それで駄目ならモンロー・ノイマン効果の即席爆発装(IDE)置に誘い込み一気に畳みかけます。その為にRDXを110ポンド用意してきました。陸軍が火力で押し切っていればその限りではありません。以上、他に質問は?」



 危ないのはあんただとジェスがルナを指さした。



「ミュウ、パイロットとわたくしを除く全員に怪物の全容を共有化して」



 操縦室隔壁(かたわ)らに座るミュウ・エンメサロームがうなづいた。寸秒、出撃前にアリスが遠視した怪物の容姿が全員に流れ込んだ。



 直後、スージー・モネットが立ち上がりルナのかたわらへ行くと耳元に話しかけた。



「献体を取りたいので」



「駄目だと言ったら余計に危ない橋を渡るんでしょう」とルナは返してベルセキアの時は彼女の用意した薬剤で1度は押さえ込んだのだと思い返した。ベルセキアが炭素系生物に変わらなければ完璧に崩壊させていた。ドクの知識は異界の怪物にも有効なのだ。



「わかったわ。危険のおよばない範疇で──」



 折り畳み椅子の端に座るミュウがルナに手を上げて招き呼んだ。



「何、ミュウ。何か支障があるの?」



「いえ、そうじゃなくてパティに新しい技を教わったから試させて下さい」



「新しい技? みなの攻略に役立つの?」



「相手に取り憑いて精神崩壊させるんです」



 取り憑いて精神崩壊!? ルナはそんな危ない事を誰で試したのかとミュウに問いただそうとすると、ミュウが先んじた。



「ダミー・ブレインをパティが何度も用意してくれて、それで練習しました」



 ダミー・ブレイン!? 仮想の頭脳をパティが模倣できるのだとルナは初めて知った。こんなことではいけない。部下のすべてを把握していなくてはとルナは自分を追い込んだ。



「いつから練習していたの?」



「かれこれ2ヶ月になります」



「次からは始める前に報告なさい。アリスは?」



「コクピット」



 パイロットがヴィッキーからイザイア・ルエラスに代わってもアリッサは相変わらず操縦を覚えようと前向きだった。ヴィッキーに言わせるとアリッサは小型機なら十分単独飛行ができるとの事だった。だがハミングバードは大きすぎて取り回しに難があるらしい。離着陸ができて飛ばせればそれで十分だとルナは思うのだがそれをヴィッキーに言うとパイロットに向かないと一蹴いっしゅうされる。



 戦闘兵士ではないパティやミュウ、アリスは直接戦闘に参加しない。だから移動時は火器類のメンテナンスなどで時間をつぶせない。パティは世界中の人々にブレインダイヴできるからそれで時間をつぶし、ミュウはよく機内で本を読んでいるが、アリッサは操縦にご熱心だった。



 マリア・ガーランドはセキュリティを鼓舞する弁術に長けているので現場に出向くときにみんなを勢いづかせる。先任のフローラ・サンドランは一切そういう事をしない人だったのでルナもそれが身についていたが、みなは変わり身が早かった。セキュリティ全員が冗談を交わしお通夜の様な雰囲気はない。そうやってテロリストだろうと怪物だろうと倒しに行く。



 テロリストは火器で刃向かい爆発物を仕掛けてくるが、得体の知れない化け物はとんでもない能力を持ってる。ベルセキアはテルミットよりも高温を魔法で生み出し、死の領域を展開し喰った細胞の情報を取り込んでおのれのものとできた。



 今やマリア・ガーランドすら破壊的な魔法を行使できる。



 科学が現実に取り残されてゆく。



 魔法など眉唾ものの童話のたぐいで出てくる特殊能力だと半年前まで信じていた。現実は違うとマリアとシルフィーが能力を見せつける。手のひらをかざすだけで銃弾を止め、数百マイルも離れた場所にワームホールを開く。



 貴女あなたを戦線に連れて行くとそのうちみんなを巻き込んで一蓮托生いちれんたくしょうになってしまう。



「ルナぁ!」



 名を呼ばれコクピットに通じる出入口へダイアナ・イラスコ・ロリンズが顔を向けるとアリッサ・バノニーノが顔を突き出していた。





「テキサスの陸軍が大変なの」







 どう大変なのだとルナは急いでコクピットに入った。












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