『心をそだてるはじめての落語101』監修:高田文夫――会話の妙は落語にあり
古典落語から厳選された101の小噺をまとめた本です。
次に読む本を探しているとき、落語や古典から学ぶべきことがたくさんあるのでは? という思いがふっと湧いて出て、ネットで見つけたこの本をそのまま購入しました。
時そばや寿限無といった有名な話から、愉快な話や不思議な話といったテーマに応じた落語を堪能できます。
落語。正直あまり知りません。寄席に行ったこともありません。
会話だけでほとんど話が進んでいく、ぐらいのイメージしか持っていませんでした。
そのため、この本を読んでびっくりしました。
会話のかけあいの楽しいこと楽しいこと。
トンチンカンなボケ。鋭いツッコミ。会話の文字を追うだけで、いきいきと感情をあらわにする登場人物の姿が浮かんでくるようでした。
また、キャラクターも魅力的です。
うっかり屋、見栄っ張り、知ったかぶり、嘘つき。様々なキャラクターが登場しますが、共通するのはどいつもこいつも憎めないやつ、ということです。
特に、愛すべきうっかり屋さんのなんと多いことでしょうか。やっていることはただのお馬鹿さんなのに、思わず笑みが溢れるような奴らばっかりです。
キャラクターの特徴をうまく表現し、話をテンポよく進め、読者を笑わせる。そんな技が落語にはみっちり詰まっていると感じました。
こりゃ何百年もの時の試練を生き残るわけだ、いずれ寄席にも行ってみよう、そんなことを思わせてくれる本です。