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『陽気なギャングが地球を回す』著:伊坂幸太郎――謎あり笑いありの痛快エンタメ
悪い大人が楽しい会話をしながら事件を展開させていくエンタメ小説です。
コメディー要素がある本を読みたいと思い、ネットで検索したら本書が評判だったので本屋で購入しました。
軽快に進む会話の中にある毒や小粋さが笑いを誘います。
主人公達は四人組の悪人ですが、悪さを感じさせません。どこかにいそうな雰囲気を持つ、面白い人達です。その違和感が独特の作品感を構築しているように思います。
笑える話、好物です。
だけどこの作品はくすっと笑えるだけじゃありません。
謎が謎を呼び、事件が事件を積み上げるような展開は、作者の手のひらで転がさせられる心地よさに酔わしてくれます。
飛び散らかっていたパズルのピースが、怒涛の勢いであるべき場所にはまっていくような、快感があります。
退屈な日常に倦んだとき、笑いたいときに読みたい作品です。