『デルトラ・クエスト 1 沈黙の森』著:エミリー・ロッダ――王家の宝石を巡る冒険ファンタジー
主人公が仲間とともに旅と冒険をしていく、王道ファンタジーの第一巻です。
皆さんはファンタジー小説と聞いて何を思い浮かべるでしょうか? 自分はこのシリーズでした。読み直したいと思い、古本屋で購入しました。
最初に読んだのは小学生のときだったと思いますが、今読んでも面白いですね。
展開のテンポの良さもさることながら、登場人物がいきいきと動き回り、後悔したり、諦めそうになりながらも、勇気を奮い起こして困難に向かう姿にはハラハラドキドキさせられます。
物語は、デルトラ王国に伝わる七つの宝石と、宝石を狙う影の王国の謀略から始まります。その序盤部分があるからこそ、主人公が旅に出るまでの背景や物語性にぐっと厚みがでていると感じました。
怪物や敵も個性的で、まさしく夢に出てきそうな感じがします。
また、表紙のイラストがとても好きです。角度によって輝きが変わる美しい縁の中に、すこし不気味ながらも幻想的な絵が描かれ、想像力を刺激されます。
デルトラ・クエストは全八巻からなるシリーズです。続編に、デルトラ・クエストⅡ, Ⅲがあり、全部で一五冊あります。ちなみに一五巻セットが古本屋で千七百円でした(安い!)。
主人公が旅に出るシーンでは、初めて読んだときと違い、主人公の親に感情移入してしまったりして、時がすぎると本の味わい方も変わるものだなあと感じました。
小さい頃に好きだった本を読み返すと、新たな発見があるものかもしれませんね。