『ベストセラー小説の書き方』著:ディーン・R・クーンツ――読んで読んで読みまくり、書いて書いて書きまくる
いわゆる小説のハウトゥ本です。
古本屋で手に取り、パラパラめくって良さげな内容だったので購入しました。
著者はこの本を書いた時点(1981年にアメリカで出版)で累計二千五百万部以上(!)を売り上げているベストセラー作家さんです。自分はこの本で初めて知りました。
エッセイタイトルのダッシュ(――)以降は自分で書いていたのですが、今回は本文の言葉をお借りしました。
この本に書かれているアドバイスは――
『読んで、読んで、読みまくり、書いて、書いて、書きまくる』こと。
これだけ見ると、そんなの知ってるよ! その上で実践的な方法を知りたいんだ! という声が頭の中で踊りだしそうですが、もちろんそのエッセンスはたっぷり書いてあります。
その上で、緻密なプロット、個性的なキャラクター、魅力的な文体を書く力を身につける方法は、『読んで、書く。書いて、読む』ことで、己の感性と技術を磨いていくことだ、ということでした。
執筆に当たり、注意点や、新人作家が陥りがちな罠などが、十四章にわたって書かれています。
どの章も面白く、読み応えがあります。
プロの目線ってすごい! と思いました。
また、最終章には著者おすすめの作家ガイドが載っています(数えた限り八二名も!)。
ちょっとショックだったのは、ガイドの中で、著作を読んだことのある著者が一人しかいなかったことです(アガサ・クリスティだけ)。海外エンタメ小説にほとんど手を出して来なかったので、当たり前といえば当たり前なんですが、自分の読書の世界ってせまいんだなあ、と現実を知らされました。これをきっかけにもっといろんな本を読みたいと思います。
さて、こういった本を読むと、『お前はこれだけの努力をしているのか? する覚悟があるのか?』という言葉の刃を喉元に突きつけられているような気がします。
はい。すぐだらけるし、自分に言い訳しているし、覚悟は三日もたずにしぼむこともしょっちゅうです。
それでも、叱咤激励と思って、楽しく、前向きにやっていきたい。そう思います。
それはそれとして、こんな出会いがあるから、古本屋に行くのはやめられません(そうやって積み本が増えていく……)。