表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ネコ転生! ゲーム世界に転生したら、ネコでしたが、くっそ強いロリ美少女のお供として、俺は生き抜くっ!  作者: MITT
第一章「クロネコの章 クロイノ覚醒、最強ロリっ子邂逅編」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/276

第四話「クーデター勃発」②

「ただいまっ! イゼッタ! 御主人様は無事に戻られた?」


「ええ、無事とは言い難いけど、すでに戻られてるよ……今は療養院で治療を受けているところ。でもちょっとややこしい事になってるのよね……。悪いことは言わないから、今は市街に入らない方がいい……。城門はワルツ従騎士長の命により、当面封鎖……おかげで、何もかもが滞ってて、この有様よ」


 思わず、アマリリスと顔を見合わせる。

 

 ダンテが頷くと、馬車を降りる。


「すまん。イゼッタ卿、いったい何があったんだ? 城門封鎖ってどう言うことだ? 俺らもギルドに行って、報告と報酬もらいに行かないといけないんだが。それに見ての通り、俺達は討伐戦帰りで怪我人も大勢出てるんだ……現場じゃ応急処置くらいしか出来てないから、ちゃんと医者に見せたい……それでも通しちゃくれんのか?」


 やるね……ダンテ。

 怪我人連中も大半は問題ないんだが。

 

 そう言われて、駄目って言うようなら、そいつはまさに外道だ。

 人道的対応を求む……難民の件だってあるんだから、これぞまさに大義名分、我にあり……だ。


「そうよっ! ダンジョンの攻略も失敗、状況はまったく変わってないんだから、早いとこ皆で対策を話し合わないといけないのに……こんな所で足止めされてる場合じゃないのよ! アンタ、一応門番って事でここの責任者なんでしょ? 少しくらい融通きかせなさいよ! って言うか、なにやってんのよ!」


 イゼッタは堅物だけど、よくも悪くもお人好し。

 何やら、色々葛藤してる様子。


「ううっ、そんな責めないでよ。アタシも所詮は下っ端の下級貴族だし……。とにかく今は、普通に市街に入れる訳にはいかないのよ……。理由は……アレ。詳しくは言えないから、察して……」


 イゼッタが目配せするので、ちらっとその背後を見ると。

 

 ……門番の兵士達が無言でこっちを睨んでる。

 見慣れない奴らばかりだけど、武器にも手をかけて、強行突破するなら、実力行使あるのみ……そんな感じ。


 それにいつもなら居る頭数合わせと、ナックル対応要員の武装ナックルが一匹も居ない。

 武装もしっかりしてて、戦なれしてそうな雰囲気で見るからに殺気立ってる。

 

 まさに、一触即発……イゼッタではこいつらは、止められない。

 コイツはやべぇぜ。


「なるほどね……。いつもの番兵達の代わりに、私が知らない殺気立った兵隊達……。あいつらはワルツ従騎士長直属の兵……そう言うことね」


 アマリリスはこれだけで状況を理解したようだった。


 なるほど、こいつらの目的は俺達の足止め。

 襲いかかってこないのは、一応ここの責任者のイゼッタがいるからと、俺達の戦力が読めないからだろう。

 

「察しが良くて助かるね。ご覧の通り、あいつらはアタシの部下でも何でも無い……。勝手に押しかけてきて、一方的に城門閉鎖を通達してそのまま居座ってるのよ。アタシの部下達は配置転換とか言ってまとめてどこかへ連れて行かれちまった。けど、アタシだって、領主様には色々恩義がある……奴らの好き勝手にやらせる気はない。そこで……アタシにひとつ考えがあるんだけど……ちょっと一芝居打ってくれないかい?」


 イゼッタの提案。

 アマリリスも怪訝な顔してるし、ダンテも首を傾げてる。


「まぁ、ここは大人しく従っとこう。一芝居って何すりゃいいんだよ?」


 状況が状況だ……俺も口出しするぜ?


「うぇっ? クロイノ……なんでこのコ、普通に喋ってんの? え? なにこれ……」


 ……もう、どいつもこいつも。

 何回目だこれ? ちなみに、昨夜もさんざん同じこと言われた。


「会うヤツ会うヤツ、めんどくせぇな……急にしゃべれるようになったんだよ! 以上っ!」


「イゼッタもそう言うことにしといてよ。でも、何があったのか……もう何となく解ったわ。それにこれから何をするかも。でも、ここはもうちょっとエレガントにいかない? あ、コレ使ってあの兵隊さん達に通してくれるようにお話してもらっていい? 私達が話すより、イゼッタの方が話が早いでしょ」


 アマリリスが金貨の詰まった革袋をイゼッタに投げ渡すと、イゼッタも破顔する。

 

「さっすが、アマリリス……話がわかるわね。実は手持ちの資金であいつらと交渉出来るか、不安だったのよ。ちょっとそこで待ってて……」


 イゼッタが兵士達に近づいていって何やら説明中。

 

 仏頂面の隊長っぽいのと話をしてたんだけど。

 さっきの革袋を差し出して、その中身を見せると、仏頂面が唐突に笑顔になってイゼッタと固く握手。


 要するに賄賂そでのした

 隊長さん、さっきまでの強面が嘘みたいに、いい笑顔浮かべて、こっち見て親指なんか立ててる。


 その様子を見て、殺気立ってた兵隊も毒気を抜かれたようになる。


「よーっし! これより、総員詰め所にて待機っ! 昼飯にすっぞ!」

 

 隊長が号令をかけると、兵士達がビシッと姿勢を正すと、ゾロゾロと詰め所へと入っていく。


 ……どうやら、何も見なかった事にしてくれるらしい。

 

 一触即発から一転……イゼッタ、やるじゃん。


「上手くいったよ。それにしても、あんな大金を気前よく出してくれるなんて……。連中はしばらく休憩、昼飯にするってさ。その間のことは全部、アタシに任せるってさ」


「どういたしまして……イゼッタも穏便に話しつけてくれて、ありがとっ!」


「いやいや、最初は拘束して、連行すると称して入れてやろうかと思ってたのよ。でも、現金な奴らで賄賂一発で手のひら返し……まったく、調子のいい奴らだこと。すぐに門を開けるけど、さすがにいつでも自由に出入りさせるのは難しい……とだけ言っておくわよ」


 イゼッタが城壁の開閉装置を操作してくれて、でっかい扉が開く。

 

 兵隊達は、詰め所に全員閉じこもって、見ざる聞かざるの構え。


 なお、さっきの軍資金は忘れ物の物資の中からのちょろまかしだ。

 アマリリスさん、やり手です。


「つまり……イゼッタさんも、何も見なかった事にするってことかい?」

 

「まぁ、そう言うことね。建前上とは言え、ここの門番はこのアタシだからね……貧乏くじはごめんだよ。後のことは悪いけど、アンタ達に任せるとするよ」


「お前も負けず劣らず調子のいいヤツだな。でも、任せられたよ。ついでだから、外の行商人達や難民も中に入れてやれよ。通行料金と称して、いくらか支払ってもらって、あの兵隊達にも分前握らせとけば、連中も悪いようにはしないだろ? 金は上手く使えば、強力な武器になる……ああ言うがめつい奴らは、金次第でどこにでも付くからな。上手くやれよ? アマリリス、ちょいと軍資金を持たせといてやれよ」


「そうね。イゼッタは仕事熱心みたいだし、忠義も篤い……これで何をしろなんて、もう言うまでもないよね?」


 そう言って、アマリリスが気前よく軍資金を手渡す。

 まぁ、これ……伯爵家の金だし、俺らが使っても構わんよね。


 お家のためですから!

 

 それにいざって時の退路確保って意味でもある。

 戦において、退路の確保は基本中の基本!


 城門の門番が味方だってのは、そう言う意味では結構重要。


「これだけあれば、傭兵や冒険者ならダース単位で半年は雇えるじゃない。なるほど、あいつらを買収して味方に付けとけってことね。クロイノ、アンタ……結構、悪どいのね」


「ほっとけよ! とにかく、いざって時は頼むぜ……それとそんだけありゃ、他の門番や見張り付きの従騎士なんかにも話持っていけるだろ? 味方は多いに越したことはない……その金で味方を増やして欲しい」


「……マジか? 片っ端から、あの傭兵共を買収しろってことかい?」


「そう言うこと。どのみち、こんな騒ぎいつまでも続かねぇよ。旗色を伺ってる奴も大勢いるだろうからな……まぁ、そっちもこれで少しは動きやすくなっただろ? ここはちょっと頼まれてくれよ」


「わ、解ったわ……確かに、後々肝心な時に日和ってたとか言われたくないし……。けど、たしかにこの軍資金があれば、色々やれそうね。……傭兵は金払いのいいヤツの味方。良く言ったもんね!」


「解ってんじゃねぇかよ……。そう言うことでイゼッタ、よろしくな!」


 イゼッタに見送られて、とりあえず大通りを堂々と進む。


 馬車には、怪我人やら忘れ物の物資も満載。

 車列っても軽く10台くらいになってる。


 街中の人影もびっくりするほど少ない……この様子だと戒厳令、外出禁止令くらいは出てるだろう。

 

 状況はいい加減俺も理解してる。

 イゼッタの話から察するに、現在進行系でクーデターが起きてる。

 

 首謀者はワルツのトッチャン坊や。

 あの野郎、実力ではもうどうしょうもないからって、無茶しやがったんだろう。


 おそらく、真っ先に逃げたのも御主人様があのまま死ぬって思ったから。


 御主人様が死ねば、自動的にアイツが領主って事になる。

 

 実力はなくても、実の息子である以上、名目だけは立つからな。

 ワルツにとっては、これは絶好のチャンスって見たんだろうな。


 なりふり構わず、インラントに戻って、領主たるグラハム伯の死と後を引き継いだ事を宣言。

 当主の資格も十分……民衆もそれで納得はする。


 帝国本国から何か言ってくるかも知れないけど、表面上は世代交代だから、そこまで強くは言ってこないだろうし、問題が起きるとしてもそれはもっと先のこと。

 

 見事なまでの無血クーデターの完遂ってワケだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ