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9.冒険者になります①



「優夜には冒険者になる前にして欲しいことがある」


「何でしょうか?」


「それはAランク級指定のダンジョンをクリアする事だ」


「それは何のために?」


「冒険者になるには試験が必要なんだが優夜は強いため試験にならないんだ」

あー。なるほどね。だからダンジョンを攻略する事を試験にしようとしてんのか。


「大体の内容は分かりました。ただ、一人で行くのはちょっと心細いので、あと2人ほど一緒に来てくれる人を連れてきてくれればありがたいです。ランクは未指定でお願いします」


「分かった。だがランクを未指定にしていいのか?」


「ああ。それは大丈夫です。何とかなりますよ、多分」


「多分じゃ困るんだが……分かった。優夜を信じよう。では、冒険者見習い優夜にA級ダンジョン《魔の洞窟》の攻略を試験とする。試験時間は5日間、明日準備を整えてギルド長室に来てくれ」


「はい。分かりました」

俺はギルドを出ると宿を探して休む事にした。ホーラは風呂に入りたいと言ってすぐ行ってしまったから今は俺一人だ。


「よし。ティーネ出てきていいぞ」

俺がそう言うと俺の中からティーネが出てくる。


「優夜様!何でダンジョン攻略にあと2人つけて欲しいと言ったのですか?優夜様と私がいれば余裕で勝てますのに」

ティーネはいきなり怒鳴ったあとしゅんとしてしまった。ダンジョンの事で何か不満でもあるのだろうか?


「ティーネ。ダンジョンの事で何か不満があるのか?」


「不満も大ありです。優夜様は私と一緒にダンジョンに行けばA級ぐらい楽勝です。なのに何故……」


「ごめんな、ティーネ。今回はティーネと俺のためになることなんだ」


「私と優夜様の?」


「ああ。まず俺のためになるのは、ギルドに入る前に知り合いを作っておけば冒険者になってからいろいろと楽だろう。それにランクを未指定にしておけば上から下まで知り合いができる。そしてティーネのためになるのは、最近ティーネいっぱい戦ってんじゃん。だから少しでも休んで欲しかったからかな」


「優夜様。私の事なんて放っといて良いのに」


「それに多分Cランクから冒険者を始めるだろうからこの街にはSランクになるまではいる予定だ。ティーネ、試験が終わったらなんか美味しいもん食べに行こうな」

そう言うとティーネの瞳から涙が落ちる。


「えっちょっ、ティーネ大丈夫?なんで泣いてんの?」


「優夜様。ありがとうございます。ここまでしていただけるなんて嬉しいです」

涙を零しながらティーネは満面の笑みを俺に見せた。

………やっベー。ティーネの笑顔反則だろ。見惚れちゃったんだけど。


「お、おう。じゃあティーネは明日宿にホーラと居るでいいな?」」


「はい……分かりました」

まだ不満気のティーネは渋々頷く。

ダンジョンから戻ったら3人で街に行くか。



次の日俺はホーラとティーネを宿に置いていきギルド長室に入った。


「お、来たか。待ってたぞ優夜」

俺が部屋に入ると既にフェザードとあと2人来ていた。


「お前が優夜か。俺はグレン、ランクはAだ。よろしくな」

赤髪の20歳くらいの男の人が話しかけてきた。


「こちらこそよろしく。それでそっちは?」

俺はもう一人の方を向くと赤髪の俺と同じくらいの女の子がいた。


「わたしはミルだよ。グレン兄さんの妹で、ランクはBだよ。よろしくね、優夜くん」

元気な子だなぁ。あと可愛い(重要)。


「よろしくミル。可愛い女の子は大歓迎だ」


「かわっ……お世辞でも一応礼は言うね。ありがと」

いや、お世辞じゃ無いんだが。まぁいいか。


「じゃあ試験の話をしよう。フェザードさん」


「そうだな。グレン、ミル、今日呼んだのは優夜の試験に同行してもらうためだ。詳しい内容はこれから話す。ユナこちらへ」

フェザードがユナという人を呼ぶと10代前半の幼い女の子が入って来た。


「この子はユナ。私の娘だ」

え?フェザードさんって子供いたの?フェザードさんって何歳?


「よろしくお願いします。優夜様」


「よろしくユナ」


「あ、言い忘れてたが今回の試験にはユナも付いて行くぞ」


「…………え?」


「えっちょっ待ってくださいよ。なんでユナが付いてくるんですか?」


「ユナは特殊なスキル緊急離脱を持っている。万が一の場合はユナのスキルで戻って来てくれ。それにユナ自身Cランク級の実力はある。どうだ?」


「う………。分かりました。ではこの4人でダンジョンを攻略します」


「そうしてくれるとありがたい」


「では今回の試験の内容を話そう。まずダンジョンについて、今日から行くダンジョンは南の森にある踏破済みダンジョン《魔の洞窟》だ」

俺達は北から来たから反対側か。


「試験合格はダンジョンの最深部にある宝を持ち帰ることだ。だがB級以上のダンジョンにはダンジョンボスがいるから注意しろよ。あとお前達には回復瓶と魔力回復瓶を一人10本ずつ渡しておく」

回復瓶は一つで体力を半分回復出来る物で、魔力回復瓶は魔力を半分回復出来る物だ。上級の物になると性能はもっと上がるんだって(ホーラ情報)。


「試験開始は今から2時間後、お前達の健闘を祈る」

フェザードさんは俺達にそう言い残し部屋を出て行った。

さて、ダンジョン攻略に行こうか。

【投稿予定】

12/17 10.冒険者になります②

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