表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/141

85.サファイア囚われる



「サファイアがどうかしたのか?白」

 事情を知らない優夜は、ユナに淹れてもらった紅茶を飲みながら吞気な声で聞く。


『そんな茶など飲んでいる場合では無いぞ!サファイアが四天王に捕まった!』


「ぶっ!?」

「「「「「!?」」」」」

 優夜は突然の事に驚き噴き出す。事情を知らないユナ以外の全員も驚き一斉に白を見る。

 やべっ、紅茶が気管に入った。いやそれよりも!


「げほっ、ごほっ。……サファイアが捕まった!?」


「それはどういう事ですか白」

 ティーネが慌てる優夜に代わり訳を聞き出そうとする。


『我もさっき聞いたばかりで良く分からない。この事については我ではなくあいつに聞いた方が良い。付いてこい』

 そう言い残し白とルウはギルド長室を出ていく。

 白の言葉を聞き理解した優夜達はすぐに追いかける準備をする。


「ユナ。俺達はちょっと行ってくる。フェザードさんとエリーさんが来たらサファイアって名前を言ってくれ」

 優夜はユナに伝言を伝えると白の跡を追いかける。

 サファイアの事は昨日の内にエリーさんに伝えた。フェザードさんは知らないけど、さっきなんか話してたし多分大丈夫。大丈夫と信じる!


「え?あのそれは…あっ」

 ユナは優夜の言葉を理解できず困惑する。


「ごめんねユナちゃん。ちょっとほんとにやばいから。後でお説教は受けるから、ほんとごめん!」

 ミルのみユナに謝罪をすると優夜と同じように出ていく。


「えっと…これは一体……?」

 ギルド長室に一人残されたユナは棒立ちのまましばらく固まっていた。



「白。あいつはどこにいるんだ?」

 街を出た優夜達は人気の無い森に入った。

 ……ここ。そういえば前にも来た事があるようなないような……。


「ここは……優夜様と出会った洞窟の近くですね」

 ああ。だからなんか変な気がしたのか。


『ん、優夜。我はその洞窟に今向かっているぞ』

 あ、そうだったの。


「てか、どうやってサファイアの事を知ったんだ?お前達は街の中にいるはずだからあいつとは会ってないはずだけど」

 てかさっきからあいつって言ってるけど、あいつってサザンガだよな。ここにきて違うとかないよな?


『あいつの使い魔から知ったのだ。中々な使い魔だったから主は相当な実力者だぞ』

 ん?ちょっと待て。サザンガって使い魔なんていたか?やっぱさっきから白があいつって言ってるのって、ただ名前を知らないだけなんじゃ……。


「白?あの糞魔族には使い魔などいないはずですが?」

 ティーネさん、ちょっと口が悪いですよ。サザンガはあれでも十魔族だし、味方ですよ?注意はしないけど。


『ん?確かにサザンガもいるが目的地には他の魔族もいるぞ』


「ええ…それ早く言ってよ」

 ちょっと白さん。それがもし敵だったらどうすんの。サザンガと一緒ならそれは無いだろうけど。


『すまない、少し興奮していてな』


「白が興奮とは珍しいな。サファイアの事をそんなに気にするようになったとは。うれしいぞ」


『ん?何か勘違いをしているぞ優夜。我が興奮しているのは魔族と共にいる一体の神獣にだ。このオーラは我の友以外にあり得ぬ。故に我は興奮をしているのだ』


「ええ……」

 少しはサファイアの事心配してあげて?俺は結構心配だよ?あの小っちゃな女の子が捕まってるんだよ。流石に子供だから変な事はされないだろうけどさ、心配はするよ。

 ……あと、否定しとくけど俺は決してロリコンじゃないからな。ロリコンじゃないからな!?


「え、てか神獣が魔族と一緒に行動してるの?」

 神獣って神の眷属でしょ。そうゆうのって駄目なんじゃ。


『なんだ?何かおかしいか?』

 白は優夜の質問の意図が分かっていない様子。


「んー、いや俺がおかしいだけなのかも、悪い」


『そうか』

 うん、俺がおかしいだけだ。だってティーネとかなんも言ってないじゃん。やっぱ俺がおかしいんだよ。


「……優夜様。おかしくなんかありませんよ。私達は驚きすぎて声が、出なかっただけです。気持ちは優夜様と同じです」

 あ、同志いた。てか言葉失うって、この世界の人にとってはやっぱおかしいんじゃん。俺は何も間違ってなどいなかった!


『着いたぞ』

「ワン!」

 おっと。そろそろ現実に戻るか。

 優夜が我に帰り前を見ると、見知った顔の魔族が一人と、知らない魔族、そしてその魔族の肩に止まっている鷲がいた。


「ん、やっぱりサザンガだ。でももう一人は?」


「やっぱりとはなんだ。まあいい、こいつはウル。もう一人のサファイア様直属の十魔族だ」

 サザンガは優夜の反応に不満を持つが説明を優先する。紹介された魔族――ウルは小さく頭を下げる。

 え、サザンガってサファイア直属なの?あっでもよくよく考えたらそうか。いつも一緒にいるし。


「じゃあ仲間と思ってもいいのか?」

 優夜が質問をするとウルは口を開く。


「勘違いするな。私はサファイア様の力になるためにお前達を利用するだけだ。決して仲間などになるつもりはない」

 ふむ。つまりはこの戦争が終わるまでは仲間って事か。


「何言ってんだウル。お前優夜達に普通に力貸してんの知ってるぞ」

 ウルの愛想のない態度にサザンガは隣の魔族に白い目で見る。


「なっザン!それは言わない約束で……何を言うんだサザンガ。私がいつこいつらに力を貸したと?」

 んん?この反応は何かあるな。良いぞサザンガ、もっと言え!…てかサザンガってザンって呼ばれてるんだ。普通に仲いいな二人。


「あーはいはい、別に照れる事じゃないだろ。知ってるか優夜。そこの女が持ってる短剣の前の主はこいつなんだぞ」

 へえ~そうなんだ。確かセルフは前の主に頼まれてって言ってたけど。…がっつり貸してんじゃん。


「そうだったんだ!でも私の名前はミルだから覚えてね!」

 ミルはセルフの前の主が分かり驚くが、同時にサザンガへの不満も抱く。


「あ?……はいはい、分かりましたよ」

 サザンガは一瞬ドスの効いた声を出すが、すぐに引っ込めて了承する。

 今日のサザンガいつもよりトゲが無いな。なんか新鮮。


『おい。御託を並べるのもいい加減にしろ』

 先程までウルの肩に止まっている鷲と仲睦まじく話していた白は、話も終わりサザンガを催促する。


「分かってる。……じゃ話すぞ。魔界で何があったのかを」

【投稿予定】

9/3 86.サファイア囚われる②

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ