83.決戦前夜
スカーレット達騎士団との合同訓練から数日が過ぎ、魔王軍の侵攻まで後二日となった。
「うーむ。何か凄い事になったなあ」
優夜は一人宿の中でステータスを見ながら唸っていた。
優夜は今日まで欠かさず鍛錬し、ステータスも一週間前よりも目に見えるほど成長していた。
「優夜様?何を見ているのですか?」
部屋に戻ってきたティーネは優夜の隣に座る。
「ああ、ティーネもこれ見てくれよ」
優夜がステータスを指差すとティーネは首を伸ばして覗き込む。
そして、絶句した。
名前 神崎優夜
年齢 17
レベル 300
スキル 身体能力強化(レベル10) 縮地(一蹴りで100メートルまで移動する) 魔剣生成(魔剣を生成する) テイミング(自分よりレベルの低いモンスターをテイムする) 真・覚醒者(攻撃力を3分間3倍にする) 神の願い(常時発動。魔の生き物に対して威力が2倍になる。逆に魔の生き物からの攻撃は半減する) 鑑定(強)(全ての物のステータスを確認できる) 二刀流(二本の剣を使う場合攻撃力が1.5倍になる) 斬波(斬撃に魔力を含ませる事で波にして斬撃を飛ばす) 神化(使用可能)(一時的に神になる。持続時間は魔力に比例する。神聖魔法を超神位まで使える)(レベル10)
魔法 火属性魔法(上位) 風属性魔法(上位) 水属性魔法(上位) 土属性魔法(上位) 闇属性魔法(上位) 光属性魔法(上位) 回復魔法(最上位) 神聖魔法(神位) 精霊魔法(神位)
体力 18000/18000
攻撃力 18000
防御力 18000
俊敏 18000(+9000)(+9000)
運 ∞
魔力 22000/22000
「いやあ、凄いよな、これ。遂にレベル300だよ。人間辞めちゃったよ。なんか覚醒者のスキルが更に強くなってるし。体力とか18000だし魔力20000超えたし、俊敏は36000だぞ!?……まあ、強くないと駄目なんだけどさ。何か不思議な気持ち……」
「まあ、ステータスに関しては私とそれ程変わりませんから。あまり落ち込まないでください。スキルや魔法は私と比べても凄いですけど……」
え?ティーネってステータスこんなあんの?まじか……。てか、俺ティーネより魔法凄いの?やばくねそれ。
「んーよし。じゃあモンスター狩りに行くか。嫌な事(?)は別の事で忘れないと」
優夜が伸びをした後ベッドから立つと、
「いいえ、今日は駄目です」
優夜の行動に意外にもティーネが却下した。
「え、何でだ?魔王軍が来るのは明後日だぞ。それまでにもっと強くならないと」
「1日ではそんなに変わりませんよ。それよりも疲れた体を休める方が先決です」
ティーネはドアの前に仁王立ちし、優夜を部屋から出さないようにしている。
「む、俺は疲れてなんかないぞ。ほら、こんなに動ける」
優夜は疲れていない事の証明のため、腕を回したり、勢いよくジャンプしたりなどした。
「はあ。疲れていますよ。二週間ずっと鍛錬をしていて疲れない訳がありません。その証拠に……」
ティーネはそっと指を伸ばし目の下を指す。
「こんなにも隈を作ってるじゃないですか」
「うっ……」
優夜は図星を突かれ、これ以上の説得は無理だと諦めてベッドに座る。
「今日は休んで下さい。私もいますから」
「本当か?勝手にどこも行くなよ?」
「はい。行きませんよ。私は優夜様の傍にずっといます」
ティーネさらっと答えると優夜の隣に座る。
「なんか呆れられてない?」
そう優夜が呟くと、
「はい、呆れてます。一人の魔族の少女のために魔王を救うだなんて事を言うんですから」
はあ、と短いため息をティーネは吐いた。
「うっ……。ごめん、ティーネにも大変な事を背負わせちゃって」
「謝るならもっと前にしてください。それに私達は怒ってなんかいませんよ」
「え?」
優夜は首を傾げる。
私達って、グレン達もか?ティーネならまだ分かるけど、グレン達も?
「私達は皆、大変な事になるのは分かっています。分かって付いて来てるんです」
「え、でも何でだ?」
「それは全員貴方が好きで、貴方が大切だからですよ、優夜様」
ティーネは優夜と向き合うと優しい口調で告げる。
「……そっか。ありがとうな」
優夜は照れを隠すためティーネから顔を逸らす。
「いえ。それに礼なら全て終わった後にしてください」
「ああ、そうだな。……ちょっとごめん。寝るわ……」
優夜は座っている状態からティーネの方へ体を倒すとそのまま眠ってしまう。
「はい、どうぞゆっくり休んでください。優夜様」
ティーネは優夜から離れることなく、その日はずっと傍で寄り添っていた。
◇
翌日。優夜達はエリーの元に集まった。
「皆も分かっていると思うが、明日は決戦の日じゃ。それで今日は今からガッハに向かい明日へ向けて準備をする。皆もう行けるか?」
全員が真剣な顔で頷く。
「よし。なら行くぞ。ここの魔法陣に乗るのじゃ。そうすればガッハの近くに転移できる」
エリーはそう言うと先に魔法陣に乗り姿を消す。
「俺達も行くか」
優夜がまず初めに乗ると、その後をティーネ達が続く。
ギルド長室から草原に景色が変わると、そこには大量の鎧や剣、弓矢などが箱に分けられて置かれていた。
凄い数だな。ざっと見ただけでも1000、いや5000は越えてるな。下手したら10000あるぞ。
「これらは全て明日の戦いに使われる物じゃ。まだこれでも全てではない。後から贈られる物も含めて20000くらいだったかの」
20000!?明日の戦いってそんな人数出るのか。
「エリーさん。明日の戦いってどんな人が出るんですか?」
「そうじゃな。騎士は勿論、高ランクの冒険者に後は犯罪奴隷とかじゃな」
思ってたのと一緒か。さっきギルドに向かうまでに街の様子を見てみたけどいつもと変わらなかった。市民達には知らされてないのか?
そんな事を考えているうちにいつの間にかガッハの目の前にいた。
ガッハか……。ここから始まったんだよな。フェザードさんにユナ元気かな。
「優夜!」
二人の親子の顔を思い浮かべていると前方から懐かしい声が聞こえた。
「っ!」
優夜は考え事をやめ前を向くと、見覚えのあるというかフェザードがこっちに向かって走っていた。
「フェザードさん!」
【投稿予定】
8/28 84.決戦前夜②




