63.第二の目標達成
十魔族マナメルが死亡してから30分後。
場所は魔界。四天王【紫炎】エンガの屋敷。
魔界を分ける五つの区画の内最も人界に近い、第五区画を統一しているエンガだったが、今現在彼の領地は3分の1までに減っている。
理由は一つ。エンガの部下……十魔族が二人もいなくなった事だ。
十魔族は四天王一人に付き二人与えられている。つまり、エンガは与えられた十魔族を全てを失った事になる。
それも。人界へ攻める少し前に。
そんな失態をやらかしたエンガは領地の3分の2を没収された。という訳だ。
「ガイオスのみならず、マナメルまでもが気配を消した......。【宝石妃】も何やら不穏な動きをしている。......一体何が起こっているのだ......?」
屋敷の最上階。そこにポツリ、と置かれた禍々しい椅子に独り言を呟く魔族がいた。
エンガである。
彼はしばらく頭を悩ませると、部下を呼び何かを持って来させる。
エンガが部下に持って来させたのは水晶玉だ。勿論ただの水晶な訳が無く、「ある特定の人物が死亡した30分前からの事象を見れる」という物だ。
それなりの値段はするのだが、彼の右腕、左腕である十魔族にはこの水晶を使っていた。
彼が水晶に魔力を流し込むと、水晶に映像が流れる。
「これは……!魔王様に伝えなくては!」
エンガは水晶に映された映像を見ると、椅子から飛び上がり屋敷を出て、ある場所へ向かう。
「水の勇者に土の勇者。勇者が二人も集まるとは。全ての勇者が集まる前に攻めなくては……!」
しかし、この時エンガは知らなかった。
もうすでに、勇者は全員集まっている事に。
◇
レヒィアに勇者だと告げられた1時間後。
優夜はレヒィアの分の宿を取ると、自分の部屋に入った。
「これで、勇者が全員揃ったな。つまり、二つ目の目標達成だな」
これで、目標もあと二つ。
①【魔王のことを終わらせる】
②【家買ってみんなでのんびりまったり暮らす】
......さて、どうしようかな。
サザンガが来るのを待たないと攻められないし。後でみんなにレヒィアさん紹介しなきゃだし。
あ、そうだ。ステータス見ないと。
『ステータスオープン』
名前 神崎優夜
年齢 17
レベル 265
スキル 身体能力強化(レベル8) 縮地(一蹴りで100メートルまで移動する) 魔剣生成(魔剣を生成する) テイミング(自分よりレベルの低いモンスターをテイムする) 覚醒者(攻撃力を30秒だけ3倍にする) 神の願い(常時発動。魔の生き物に対して威力が2倍になる。逆に魔の生き物からの攻撃は半減する) 鑑定(強)(全ての物のステータスを確認できる) 二刀流(二本の剣を使う場合攻撃力が1.5倍になる) 斬波(斬撃に魔力を含ませる事で波にして斬撃を飛ばす)
魔法 火属性魔法(上位) 風属性魔法(上位) 水属性魔法(上位) 土属性魔法(上位) 闇属性魔法(上位) 光属性魔法(上位) 回復魔法(最上位) 神聖魔法(神位) 精霊魔法(神位)
体力 15500/15500
攻撃力 15500
防御力 15500
俊敏 15500(+7750)(+7750)
運 ∞
魔力 19500/19500
おおう。何というか、やばいな……。
全部のステータスが15000超えて、魔力なんかは20000手前だぞ。俊敏は……うん。やばい。
何か、俺。人間やめてね?
……ああ、そうだ。レフィアさん紹介しに行かないと。
優夜は自身のステータスに恐怖を感じながら部屋を出て行った。
◇
翌日。
優夜達は、街の店で今後の予定について話していた。
え?何で宿じゃ無いのかって?そりゃあ、宿の部屋だと狭いから。
いや、一人二人だったら別だけどさ、7人と一匹だよ?正直狭い……。
あ、白とルウは宿に置いてきた。大丈夫。忘れないよ。……大丈夫……。
「えっと。昨日紹介したレフィアさん、リンカ、エリス、そして俺で、勇者が全員揃ったんだが」
「だが?」
グレンが優夜の言葉に疑問を持つ。
「まだ、魔界には攻められないんだよなあ」
優夜が困ったような表情をする。
「どうしてだ?」
ティーネは思い出した、という顔をし、ティーネを除く全員は首を傾げる。
「えっとお、その、正直言いにくいというか……」
優夜は言葉を濁す。
だってさ、十魔族が来るのを待ってるとか言えないじゃん!
「まあ、言いにくいなら仕方ないけど、もう少し俺らを頼っても良いんだぞ?」
「……分かった。話す。実は俺ーー」
優夜は話し始めようしたが、誰かに腰を叩かれ口を閉じる。
優夜が視線を落とすとそこには少女がいた。
「あの、貴方が優夜……?」
少女は上目遣いに優夜の名前を聞く。
おおふ。か、可愛い……!
「そうだけど。どうしたの?」
ただ、何か違和感を感じる……。
優夜は少女に警戒心を持ちながら接する。
「付いて来て......」
少女は優夜だと分かると、背を向けて歩き出す。
「優夜様......」
ティーネが心配そうな声を出す。
「大丈夫だ。付いて行こう」
優夜が少女の後を付いて行くと、その後を追うようにティーネ達が付いて行く。
少女は街を出て、森の入り口まで来ると、歩く足を止める。
「着いた......」
少女は優夜達の方を向く。
「こんな所に連れて来て何をする気だ?」
グレンは少女を不審に思いながら聞く。
「もうすぐ、分かる」
少女は空を見上げる。
「......?」
優夜達はそれにつられて空を見る。
すると、上空から何かが落ちてくる。
「ん?......あれは、......!」
ミルは目を凝らして落ちてくる何かを見ると、戦闘態勢を取る。
「みんな!魔族だよ!」
「「「「「「「!」」」」」」」
優夜達は武器を手に持つ。
この子は、敵、なのか......?もし敵だったら嫌だ、な。優夜は何故かそう思った。
だが、優夜のその思いは杞憂だった。
「あれは!」
何故なら、落ちてきた魔族が知っている人物だったからだ。
「久しいな。優夜。早速で悪いが、その者たちを説得してくれ」
落ちてきた魔族は少女の隣に着地し、優夜にそう言った。
【投稿予定】
6/23 64.【宝石妃】サファイア




