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60.決着



 前線で戦ってる優夜達は体力的に限界が来ていた。


「くそっ。こいつどれだけ魔力あんだよ。レフィアさんはまだだし」

 優夜は荒い息を吐きながら愚痴をこぼす。


「優夜様、すみません、魔力が尽きてしまいました」

 魔力回復瓶で回復し続けたティーネの魔力も遂に底をつく。


「明らかにおかしいな。あいつ、どんな手品使ってんだ?」

 優夜の疑問に高笑いが返ってくる。


「ふははははははは!知りたいでしょう、この魔力量の秘密を。特別に教えてあげましょう。この魔力は私の兵から吸い取ったものです。私の兵は1000。それだけの魔力が尽きる訳が無いのですよ」


「この、外道が!」

 優夜の怒りが更に膨れていく。


「ふふふっ。何とでも言いなさい。貴方達はここで死ぬのだから。圧魔法。『重圧』」


「ぐあっ!」

 不意に魔法を使われ、優夜は膝を折る。


「くそ。どうすれば……」

 レフィアさんの魔法は時間がかかるらしい。あともう少し時間を稼がないと。


「優夜!僕も戦う」

 露頭に迷う優夜の前にルウが現れる。


「ルウ!だから、駄目だっ……て……」

 優夜はルウの姿を見ると言葉を失う。


「ワフ〜。強くなってきた」

 ルウは誇らしげに胸を張る。


「……分かった。頼んだルウ」

 優夜はルウの姿を見て希望を抱く。


「ワウ!」

 優夜からの頼られたルウはぶんぶん尻尾を振る。


 優夜とバトンタッチしたルウは上空に勝ち誇った顔で佇むマナメルを見上げ、睨み付ける。


「あいつ、倒す。優夜の力になる!」

 その瞬間、ルウの体に異変が起こる。

 銀白だった毛色は金色に輝き、ルウの周りを粒状の何かが舞う。


「何?」

 マナメルはその様子を見て訝しげな声を出す。


「それは……成程。貴方は神獣でしたか。しかし、精霊と神獣に繋がりがあるとは知りませんでした。これはエンガ様に報告を……」


「ワオーン!!」

 マナメルがぶつぶつと呟いているとルウが一際大きく鳴く。

 すると、ルウの周りを舞っていた何かが一斉にマナメル、優夜、ティーネに向かって行く。


「おやおや。仲間にまで攻撃するなんて知能は低いようですね……ん?いや。それは!?」

 ルウの攻撃を躱しながらマナメルは驚愕する。


「ん?何だ。回復、してる……?」

 優夜は傷がどんどん治っていき、


「これは。精霊には魔力まで回復の出来る種はいなかったはずですが……」

 ティーネは枯渇した魔力がどんどん回復し、


「ぐっ!この精霊は何なんだ!?魔法が効かないだと!?」

 自身の魔法が効かない精霊を相手に、マナメルは苦悶の表情をしていた。


「これは、何が起こってるんだ?」

 優夜は目の前で起こっている事に首を傾げる。


『ルウが進化したのだろうな』

 隣にいる傷の癒えた白が答える。


「進化ってあんな強くなるのか?」

 もし、そうだったら進化やべえよ。


『そんな訳があるか。ルウが特別なのだ』

 白は呆れた声を出す。

 神獣も大変なんだな……。


「まあ、確かにルウは色々変なとこあるよな……」

 強くなるのが早すぎたり、初対面の俺にすぐ懐いたり。……あ、あれはテイムしてるからか。いや、そもそもテイムしてるのもおかしいんだった……。

 優夜はルウの事を色々と思い出し、頭を混乱させるのだった。

 ……ん?そういや。白、ルウが進化したって言ってたな。


「なあ、白。進化したって事は神獣になったって事か?」


『ああ。ルウは立派な神獣……我々の仲間だ』

 じゃあもしかして……。

 優夜はある事をふと思い付き、ステータスを開く。


名前 神崎優夜

年齢 17

レベル 250

スキル 身体能力強化(レベル7) 縮地(一蹴りで100メートルまで移動する) 魔剣生成(魔剣を生成する) テイミング(自分よりレベルの低いモンスターをテイムする) 覚醒者(攻撃力を30秒だけ3倍にする) 神の願い(常時発動。魔の生き物に対して威力が2倍になる。逆に魔の生き物からの攻撃は半減する) 鑑定(強)(全ての物のステータスを確認できる) 二刀流(二本の剣を使う場合攻撃力が1.5倍になる) 斬波(斬撃に魔力を含ませる事で波にして斬撃を飛ばす)

魔法 火属性魔法(上位) 風属性魔法(上位) 水属性魔法(上位) 土属性魔法(上位) 闇属性魔法(上位) 光属性魔法(上位) 回復魔法(最上位) 神聖魔法(神位) 精霊魔法(神位)

体力 14000/14000

攻撃力 14000

防御力 14000

俊敏 14000(+7000)(+7000)

運 ∞

魔力 18000/18000


 よし。狙い通りだ。ルウの分もステータスが強化されてる。

 でも……また俊敏かあ……。

 ……俺、どれだけ早くなれば良いの?

 優夜が自身のステータスに嘆いていると、何かが倒れる音がした。


「っ!ルウ!」

 倒れたのはルウである。

 ルウは金色に輝いていた毛色も銀白に戻り、精霊もいなくなっていた。


「ごめん。魔力……切れ……」

 ルウは悔しげに言う。


「もう、大丈夫だ。ルウはよく頑張った。白と一緒に待っててくれ」

 優夜はルウを抱きしめる。


「う……ん」

 ルウは少し渋りながらも優夜の指示に従う。


「安心しろ。ルウ。お前から渡されたバトンはちゃんとレフィアさんに繋ぐ」

 優夜はルウに背を向けると、上空に佇む魔族の元まで歩き始める。


「さて、もう一踏ん張りといきますか!」

 優夜は自分に喝を入れると剣を抜く。


「十魔族だかなんだか知らないが、今の俺は魔王にも負けねえ自信があるぞ」

 優夜は上空の魔族を睨んだあと、にやり、と口角を上げる。

【投稿予定】

6/14 61.決着②

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