6.一つ目の目標達成です!
エタリアの洞窟を攻略した俺たちは聖剣を装備して次のエリアに移動することにした。
「なぁ次はどこに行くんだ?」
「次は魔界です」
ん?聞き間違いかな?
「マカイ?」
「魔界です」
どうやら聞き間違いでは無かったようだ。
「……………えぇええええええ!?ちょっと待ったー!魔界はおかしいだろ。魔族いんだろ魔族。おまけに魔王まで復活してるし、そんなとこ行きたくない」
「大丈夫ですよ優夜さん。今回行くのは魔界の中でも一番人界に近い場所ですから。確かに魔界には魔族も魔王もいます。けれどそれは魔界の中心部です。人界に近い場所はモンスターしかいませんよ。……まっS級のモンスターならいるんですけど」
「ほっ。それなら……ん?ちょっと待て今S級という単語が聞こえた気がしたが」
「気のせいですよー。では行きます。掴まってください」
なんか茶化された気もするが、多分気のせいだろ。ホーラだって考えてやってる訳だし。
そうして俺はホーラに掴まる。その瞬間目の前が真っ白になりすぐに景色が変わる。
そしてそこにはなにも無かった。いや正確にはある。モンスターだけが。この景色にはティーネも絶句している。
…………。
「着きました。魔界です」
「………………は?」
◇
えーと。とりあえず現状を整理しようか。俺たちはホーラの時空間移動で魔界に来た訳だがモンスターしかいない。……あれ?ここって人界から一番近いんじゃないの?
「なぁここって本当に人界から一番近い場所なのか?もしかして魔法をミスったとかしてない?」
「いえ、魔法は間違えてなどいませんよ。ここが目的地です」
「いや、もうちょっと、ちょっとだけでも水や緑があるところがいいなー」
「それなら魔界の中心部は水や緑がありますが、魔族や魔王や邪神もいますよ?それでもいいのなら良いですけど、優夜さんはまだAランクくらいの実力しか無いんですよ?死にますよ?」
「分かりました。ここで良いです。いやむしろここにしてください。転生して2日で死にたくない!」
「いやいやそんな事はしませんよ。私だって優夜さんと一緒にいたいですし。ただ優夜さん。人界に一番近いとはいえ魔界は魔界です。油断しないでくださいね。人界から一番近くてもモンスターのランクは最低でもBランク以上でここにはいませんがもう少し行くとSランク級もいますよ」
……………魔界ヤバくね?人界から一番近い場所でも最低Bランク以上って魔族どんだけ強いんだよ。しかも魔王が復活して人界に攻めて来ようとしてるのに。
「あっちなみに言うと魔族はモンスターと共存している訳ではありませんよ」
………え?そうなの?
ホーラ情報により知った事は魔族とは人間からごく稀に生まれる変異種で肌の色は黒いことが特徴。魔族は人界では忌み子とされ魔界に捨てられている事。
捨てられた魔族は人間に対して憎しみや怒りを感じており魔王が復活するたびに人界に攻撃をしているという事。
魔族の餌も人間と同じモンスターの肉でありモンスターと共存していない事。
魔族は全員が強い訳ではなく強いのは魔族の中でも20人くらいだという事。
最後に魔族は強い順に 魔王 四天王 十魔族 隊長 兵 一般人 というふうになっている事。
………まじかー。全然予想と違ってんじゃん。魔族は強いの20人くらいしかいないんじゃん。まぁその十魔族とかには気をつけないといけないけど。
よし安全確認が取れたし特訓しますか。
〜3時間後〜
俺は今Sランク指定のブラックウルフに囲まれていた。なぜこんな事になっているかというと――
〜30分前〜
「魔界って言っても雑魚ばっかだな。もう少し先に言っても良いんじゃね」
「優夜さん油断は駄目ですよ。それにもう少し先に行くとSランク指定のモンスターもいますよ」
俺はホーラの注意を聞かずに先に進んでしまった。
結果ブラックウルフ(群れ)に出会いました。
◇
「優夜さん。これはさすがに無理です。時空間移動するので掴まってください」
「ホーラさん。その必要は無いですよ」
「何故ですか?ティーネさん」
「だってブラックウルフの弱点属性は水ですよ」
「そんな事ぐらい知っています。でもさすがに群れは倒せないでしょう」
「私を侮って貰っては困ります。確かに昔の私なら無理でした。でも今は優夜様がいます。優夜様がいればあんなの雑魚同然です」
「あっ、忘れてました。契約した精霊は精霊魔法を使えるんでしたっけ」
「はい。では優夜様一緒に精霊魔法を撃ってブラックウルフを倒しましょう」
「ああ。わかった」
ティーネの掛け声と共に俺は精霊魔法を撃つ。二人の精霊魔法を直撃した一体のブラックウルフはその場に倒れた。さらに続けて3発ほど撃ったところで残りのブラックウルフは逃げていった。
「ふぅ。何とかなったー。ありがとなティーネ」
「いえ。こちらこそ優夜様のお役に立てたようで嬉しいです」
「じゃあ今日はこれで終わりにするか。……っとその前にステータス確認しないと。今日はSランク級も倒したからな。結構上がってんじゃね」
『ステータスオープン』
名前 神崎優夜
年齢 16
レベル180
スキル 身体能力強化(レベル1) 縮地(一蹴りで100メートルまで移動する) 魔剣生成(魔剣を生成する) テイミング(自分よりレベルの低いモンスターをテイムできる) 覚醒者(攻撃力を30秒だけ3倍にする)
魔法 火属性魔法(最上位) 風属性魔法(最上位) 土属性魔法(最上位) 水属性魔法(最上位) 光属性魔法(最上位) 闇属性魔法(最上位) 回復魔法(最上位) 爆発魔法(上位) 神聖魔法(神位) 精霊魔法(神位)
体力 10000/10000
攻撃力 10000
防御力 10000
俊敏 10000
幸運 ∞
魔力 14000/14000
……………やった。やった。
「やったぞー!!」
おっと。つい声に出してしまった。ティーネとホーラがめっちゃドン引きしてんだけど。
「ごめんごめん。やっと攻撃力が10000になったからつい」
やっとって言ってもまだ転生して2日だけどな。成長補正(超極大)パネェ…。
「そう言えばステータスから成長補正が消えてたり身体能力強化がレベル1に下がってるのはなんで?」
「それはですね。成長補正や身体能力強化レベル最大は転生者特典と言いましたが、成長補正などは転生者が強くなるまでの手助けをするためのものなのですよ」
「そうだったのか。じゃあこの覚醒者ってのは?」
「それはSランク級相当の実力を持つ者に与えられる神からの恩恵です」
「Sランク級の冒険者ってこの世界に何人いんだ?」
「そういえば言ってませんでしたね。この世界にSランク級冒険者は20人ほどくらいいますよ」
「あれ?思ってたより多いんだ」
「まぁそもそも冒険者ランクはSランクが最高ランクではないですから」
「そうなの?」
「冒険者ランクはFからSSSランクまでありますよ」
「へぇーそんなにあるんだ。じゃあ俺ももう少し頑張らないとな」
「ええ、でもその前に一つ目の目標を達成したんですから街に行きましょう」
「ああ。そうだな」
その時だった。
「おい、そこの者達何をしている!」
俺達は声のした方を向くとそこには龍に乗った人がいた。
評価お願いします。
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