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56.ティーネ達の休暇



 優夜が女性と衝突した頃。

 ティーネはリンカ、メル、エリス、フリューネと一緒にいた。


「あっ、ティーネ来た!」

 少し遅れて到着したティーネに手を振って歓迎する。


「すみません。少し遅れてしまいました」

 ティーネは3分遅れたという事に申し訳無く思い謝る。


「いえ、たった3分遅れただけじゃないですか。それくらい待ちますよ」

 謝るティーネに言うエリス。


「ありがとうございます」


「じゃあ、行こ。昨日とかはメルとフリューネには出番無かったけど、今日はしっかり働いてもらうから」

 リンカはティーネとエリスだけで無くその隣にいるメルとフリューネにも言う。


「リンカの助けになるなら何でもしますよ」

「分かりましたわ」

 ティーネ達女子メンバーは、昨日の話をしながらとある建物へと入って行った。



 グレンとミルは優夜から今日を休みにすると言われて一目散にある店に行った。

 そこは武具店だった。


「休みがあったら武器を新調したかったんだよな」

 グレンは自分の剣をさすりながら言う。


「グレン兄さんの剣。特訓の時にぼろぼろになっちゃったからね」

 ミルは剣を懐かしむ様に見る。


「ん?今日はミルの武器も買いに来たんだぞ?」

 グレンの言葉にミルはぽかんとする。


「へ?なんで私のを?」


「特訓の時に近距離まで攻められて焦ってただろ?だから護身用に短剣くらいはな」


「ふむ。確かに。えへへ、ありがとうねグレン兄さん」

 ミルははにかみながら礼を言う。


「いや、別にこれくらい。必要だから買うだけだし」

 グレンはミルから顔を逸らし、頬をかきながら照れ隠しをする。


「あっ、グレン兄さん照れてる」

 ミルはニヤニヤしながらグレンの顔を覗く。


「おい。早く買うぞ。今日の夜は早く帰らないといけないんだから」


「はーい。ティーネさん達がご飯を作ってくれるんだよね。楽しみだな〜」

 ミルは笑顔のまま剣を見に行く。

 ……さて、俺も剣を見るか。

 グレンは自身の武器である長剣が並ぶ場所へ移動する。

 グレンはそこに並べられた剣を一本一本、じっくり見ていく。


「ん?なんだ、これ?」

 グレンは剣を見ていく中で一本の剣に目が止まった。

 その剣は自分の持っている剣と全く同じ姿形をしていたのだ。

 グレンはその剣に興味が湧き試しに持ってみた。


「!これ今持ってるやつと違和感が全く無いぞ」

 グレンはそれから少しの間考えると、決めた。と言って店員に持っていく。


「これください」

 グレンはさっき取った剣を見せる。


「おや?その剣で良いのですか?なら、銀貨3枚です」


「安っ!そんな値段で良いんですか?」

 剣は通常どんなに安くも銀貨1枚以上はする。グレンの手に取った剣が同じ物なら銀で出来ているはず。そんな代物が銀貨3枚という、破格の値段で売られている事にグレンは驚いたのだ。


「ええ。だってその剣はこの店に置かれてから一年。全く見向きもされなかったのですから。店側としても早く売られて欲しかったのですよ」


「そんな……」

 これは明らかに業物だ。あまり剣に詳しくは無いが、それだけは分かる。なのに、なぜ?


「……ここだけの話なんですが、その剣、意思を持っているんです」

 店員はグレンの耳に顔を寄せて言う。


「!?」

 意思を持ってる?そんな馬鹿な話が……。


「嘘だと思うならそれで良いです。ですが、この話は本当です。その剣は主人を選ぶ。つまり、貴方はその主人に選ばれたのです」

 そうか。こいつを最初に見た時に感じた気持ちはそれが原因だったのか。

 後で優夜に鑑定をしてもらうか。

 剣の事を知りたくなったグレンは優夜(鑑定士)に調べてもらおう事にした。


「グレン兄さんー!なんか変な剣があるよー?」

 短剣を見ているはずのミルの声が聞こえ、グレンはミルのいる方へ行く。


「変な剣って。何が変なんだ?」


「これ。この剣生きてるよ?」


「何を言って……!」

 ミルの馬鹿馬鹿しい発言にグレンは呆れた表情をしたその瞬間顔色を変える。


「本当だ。心臓の動く音が聞こえる」

 確かにその剣からはドクン、ドクンと心臓の動く音が聞こえた。


「そうそうなの。私にも心臓みたいなのが視えるよ」


「おやまあ。お客様にはそれが分かるのですか。生きている、と」

 グレンとミルはその声に反応し、後ろを向く。


「この剣が何か知ってるんですか?」


「知ってますよ。武器屋の店員がその店にある武器を知らなくて出来る訳がないでしょう?」

 店員は自分の髭を弄りながら答える。


「では、この剣が生きているとはどういう事ですか?」


「そのままの意味ですよ。お客様の剣が意思を持つ様に、その剣もまた、生きている」

 意思を持つ剣に生きている剣。

 でも、何だ?何か引っかかる。


「んー。よく分かんないけど、私これにする。何か凄そうだし」

 武器の事に関しては全くの素人であるミルは適当に言う。


「ん?そうか。まあ、ミルが良いなら。……これを下さい」


「どうもありがとうございます〜。銀貨2枚ですよ」

 店員は営業スマイルを崩さず値段を言う。


「!」

 安い。これも売れなかったからなのか?

 グレンは安く売られている理由を予測しながら店員に銀貨2枚を渡す。


「お客様に一つ忠告を。その剣は剣として扱うと"死にますよ"?」

 店員はグレンの耳元で、今度は笑顔を崩して低い声で言う。


「なっ。それはどういう……」

 グレンは死ぬという単語に反応し聞き返そうとするが、店員はすぐに店の奥に行ってしまった。

 死ぬ?いや、それより、剣を剣として扱うと死ぬ?一体どういう事だ?

 ……優夜に鑑定してもらうまでは使わない方が良いな。


「ミル。出るぞ」


「うん!」

 グレンとミルが店から出ると、空には太陽が一番高い所まで登っていた。


「まだ時間があるな。どこか行きたい所あるか?」

 グレンは横を向きミルに聞く。


「んー。特には無いかな」


「じゃあ、屋台とかを見て回るか」


「うん!」

【投稿予定】

6/2 57.ルウの成長

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