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54.リベンジマッチ②



「優夜。準備は良いかの?」


「良いですよ、エリーさん」


「よし。では、これよりミノタウロスキングの討伐を行う!」

 エリーさんが討伐開始の合図を叫ぶ。

 叫ぶ、と言ってもそんな大声じゃ無いけど。それに子供だし。

 正直見栄張ってる様にしか見えない……。


「こら!そこ。今私の事を子供と思ったじゃろ!」

 エリーが優夜を指差し怒鳴る。


「さて、みんな行くぞー」

 ここは無視するべし。

 優夜は聞こえないふりをして歩き出す。


「「はい」」

「うん」

 優夜に誘われティーネ達がそれに続く。


「おい。無視をするな。あと3秒で戻って来ないと優夜だけ報酬は無しにするぞ」

 エリーさんが脅してる。あんな子供に言われても脅されてる気がしないわ。

 優夜は無視を続ける。


「さーん……」

 あれ?これ何のカウントダウン?


「にー……」

 さっき来ないと報酬を無しにするとか……


「いちー……」


「ただいま戻りました!」

 優夜は縮地を使いエリーの目の前に戻る。


「お、戻って来たの。じゃあ、優夜は報酬は半分じゃな」


「は!?」

 何を言い出すんだこの幼女は。


「どうしたのじゃ。優夜」


「いやいや。報酬を半分に減らすって聞いて無いですよ!」

 優夜は手を横に振り抗議する。


「いやいや。戻って来なかったら無しにすると言っただけで、戻って来たら報酬をそのまま渡すとは言ってないぞ」

 エリーは優夜の真似をする様に手を横に振って言う。


「そんな!」

 横暴だ、横暴。くそう。

 優夜はそのまま口に出さない愚痴を心の中で言う。


「そもそも。優夜が私の事を子供だの幼女だの思っておるのが悪いんじゃろ」


「ぐ………」

 超正論で返された……。


「ギルドマスター。優夜と言い合ってるとこ悪いんだが、大きな足音がこっちに近づいてくるんだが」

 耳で聞き取った音に顔を引きつらせるグレン。


「それはさっき優夜が大声を出したからミノタウロス達が気付いたのじゃろ」


「あっ」

 やっべ。


「まあ、こちらから行く手間が省けて良いでは無いか。それとも、グレンは無理だと言うのか?」

 エリーが挑発する様に言う。


「ふん。それは無い。ミルやるぞ」


「うん!」

 ミルは先程までの眠気を飛ばし、元気な声で返事をする。


「ほら。優夜。お主らはもう行け。早く討伐してくるのじゃ」


「へいへい。じゃあ、早く討伐したら報酬は普通にくれますか?」

 報酬の事を根に持っている優夜は提案をする。


「良いぞ。早く討伐してこれたらの」

 エリーはにやり、と笑う。


「よし!ティーネ達行くぞ………ってあれ?」

 優夜が後ろを向くと、そこにはさっきまでいたティーネ達の姿が無かった。


「ティーネさん達なら先に行ってるよ。優夜くん」


「まじかよ……」

 置いてかれた優夜はダッシュでティーネ達の後を追うのだった。



 エリーと一時別れた優夜はティーネ達と合流し、ミノタウロスキングの居る場所まで来ていた。


「作戦通りに行くぞ。あと、俺の報酬の為にも、協力してください」

 俺はティーネ達に懇願する。

 報酬半分は辛いです……。


「分かったよ。でも、みんなの安全が一番だよ?」


「もちろん分かってるさリンカ」

 お互いに見つめ合う二人。


「では、行きましょう。優夜様」

 リンカと優夜を引き剥がすかの様に割って入ってきたティーネが言う。


「良し、みんな。準備は良いか?」

 三人は返事の代わりに頷く。


「じゃあ、行くぞ!」

 優夜は合図と同時に草むらから飛び出すと、突然現れた優夜に驚くミノタウロスキングに向かって走っていく。


「私達は魔法で援護を」

 ティーネはリンカとエリスに指示をすると、無詠唱で魔法を放つ。


「精霊魔法『水霊の咆哮』」

 ティーネの手に集められた水はミノタウロスキング目掛けて飛んでいく。


『ブモオオオオオ!』

 魔法を受けたミノタウロスキングは怒りの声を上げる。


「ティーネか。ナイスだ」

 優夜は走りながらティーネに礼を言うとミノタウロスキングの手前で止まり、ティーネの攻撃を受けた場所に剣を振り下ろす。


『ブモオオオオオ!!』

 回復の邪魔をされたミノタウロスキングは、頭に付いている角を振り回して優夜を攻撃する。


「おっと」

 優夜はその攻撃を難なく躱す。


「隙あり!」

「私もやります」

 ミノタウロスキングの攻撃が止まった所でリンカとエリスが魔法を放つ。


「『火霊の咆哮』」

「『風霊の咆哮』」

 リンカとエリスの手の中に集められた火と風は同時に飛ばされる。

 ミノタウロスキングは二人の魔法に膝をつく。


「回復さえ無ければ楽勝だな」

 優夜が余裕の声を出す。


『ブモオオオオオ!!!』

 ミノタウロスキングは森全体に響く声で叫ぶ。

 恐らくこれはミノタウロスキングのスキル「召集」である。

 しかし、スキルを発動してから10秒が経ってもミノタウロスが来る気配は無い。


『ブモオオオ!?』

 待っても仲間が来ない為ミノタウロスキングは焦りを見せる。


「いつまで待っても仲間は来ないぞ。だって、お前の仲間はもう死んでるからな」

 いや、実際どうだろ?

 多分死んでる、よな……?


『ブルルルル!!』

 お前か!と言わんばかりにミノタウロスキングは叫ぶ。


「終わりだ。ティーネ!」


「はい、優夜様。『水霊の制裁』」

 ティーネは残りの魔力を使い巨大な水の剣を作る。

 ティーネは手の中にある水の剣をそのままミノタウロスキング目掛けて振り下ろす。


『ブモオオオオオ!!』

 ミノタウロスキングは逃げる事なく水の剣を真正面から掴む。


「なっ!?」

 優夜はその光景に驚く。

 まさかティーネの魔法を掴む奴がいるとは。

 こいつ……。


「貴方は馬鹿なのですか?神位の精霊魔法を受けて耐えられる訳がないでしょう。ですが、私の魔法に物怖じせず立ち向かうその度胸。気に入りました。貴方は勇気あるモンスターです。さあ、潰れなさい!」

 ティーネが腕を下ろすとミノタウロスキングは水の剣に押し潰される。


「討伐完了!」

 優夜は剣を鞘にしまい言う。


「ふう。終わった〜。じゃあ戻ろう。ミル達がどうなってるか心配だし」


「そうだな。俺の報酬が心配だし」

 優夜はティーネに潰されたミノタウロスキングの残骸をカバンに入れる。


「優夜……」

 ミル達より自分の報酬を心配する優夜にジト目を向けるリンカ。


「そ、そんな目で見るなよ。ちゃんとミル達の事も心配してるぞ」


「ふーん。じゃあ早く帰ろ」


「ああ」

「「はい」」

 無事ミノタウロスキングを倒した優夜達は、リンカを先頭に優夜達はミル達の元へ戻ったのだった。


 これは後日談なんだけど。ミル達は無事にミノタウロスを討伐に成功してた。

 それで、俺の報酬は半額になる事もなく、水晶の件もお咎め無し。更にリンカとエリスはBランクとしてギルドに入れた。

 俺もレベルが上がったし、一石三鳥だな。


「優夜〜。早く来ないと優夜の分の報酬も貰っちゃうよ〜」


「それはまじで待て!」

 ま、とにかく誰も怪我しなかったのが一番だな。

【投稿予定】

5/27 55.勇者の休暇

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